朝ドラ「あんぱん」第16週第80話「面白がって生きえ」が7月18日に放送され、釜爺の葬儀シーンとヤムおじさんの再登場で視聴者の涙腺を刺激しました。
朝ドラ『あんぱん』第16週第80話 あらすじ
物語は釜爺の葬儀から始まり、6年ぶりにヤムおじさんが浅田家に帰ってきます。現在は運び屋をしているヤムおじさんに「もういっぺん、やむおじさんの焼いたあんぱん食べたいな」とメイコが懇願。一方、高知新報では東海林がのぶに「記者に向いちょらん」と厳しい評価を告げ、のぶは次郎の手帳を読み返しながら自分の進路を見つめ直します。翌朝、のぶは浅田家で「うち、東京へ行きます」と決意を表明。代議士の手伝いをする決心を固めたのぶを、羽田子が背中を押します。そんな中、ヤムおじさんが釜爺の釜でパンを焼き、浅田家に久しぶりの活気が戻ってきます。
釜爺の葬儀で6年ぶりの再会!ヤムおじさんの衝撃登場
第80話は釜爺の葬儀シーンから始まり、まさにこのタイミングで6年ぶりにヤムおじさんが帰ってきました。葬儀中にも関わらず、釜爺に話しかけるヤムおじさんの姿は、長い年月を経ても変わらぬ釜爺への敬意を表現した感動的なシーンでした。
「もう焼き方を忘れちゃった」運び屋になったヤムおじさん
浅田家との再会で、ヤムおじさんの現在の生活が明かされます。
「いや、ぶらぶら行った先で釣った魚や米や野菜やらを買い込んで、闇市に持ってく。運び屋だ。」
「パンは?」
「もう焼き方を忘れちゃった。」
この言葉には、戦後の混乱期を生き抜くための現実的な選択と、パン職人としての誇りを一時的に手放さざるを得なかった複雑な心境が込められています。「焼き方を忘れた」という表現は、技術的な問題ではなく、むしろ心の中でパン作りから距離を置こうとする防衛機制のようにも感じられました。
メイコの願い「もういっぺん、あんぱん食べたいな」
メイコの純粋な願いが、物語の転換点となります。
「もういっぺん、やむおじさんの焼いたあんぱん食べたいな。ホカホカのあんぱん」
この何気ない一言が、後にヤムおじさんの心を動かすことになります。蘭子や羽田子も諦めずにパンを食べたいと訴え、家族の温かい絆が描かれました。視聴者からは「メイコの一言に涙が出た」「子どもの純真さが心に響いた」という感想が多く寄せられています。
壺も駄目になり、諦めを口にするヤムおじさん
ヤムおじさんが長年大切にしていた壺について語るシーンも印象的でした。
「旅の途中で駄目になっちゃった。」
この短い言葉の中に、戦後の厳しい現実と、大切なものを失う辛さが込められています。パン職人として必要な道具を失った物理的な困難と、精神的な支えを失った心の状態が重なって描かれました。
東海林の厳しい評価「記者に向いちょらん」
高知新報でののぶと東海林のやり取りは、物語の重要な転換点となりました。
のぶの記事への痛烈な批判
東海林はのぶに対して容赦ない評価を下します。
「いや、がんばらんでいい。この際はっきり言う。お前は記者に向いちょらん。」
この言葉は、のぶの努力を否定するものではなく、むしろ現実的な適性を指摘したものでした。津田健次郎さんの演技が光る場面で、厳しさの中にもプロフェッショナルとしての責任感が感じられました。
「客観性を失う」ジャーナリストとしての問題点
東海林はのぶの記事の根本的な問題点を指摘します。
「お前はいつも一生懸命。けんど、一生懸命になればなるほど、お前の記事は客観性を失う。記者としてそれは致命的や。お前の記事は、その半分以上が戦災孤児、浮浪児の記事。子供に同情する記事ばっかり。」
この指摘は、ジャーナリストとしての基本的な姿勢について考えさせられる重要なシーンでした。感情に流されやすいのぶの性格が、記者としては弱点になることを明確に示しています。
涙を浮かべるのぶの心境
東海林の厳しい評価を受けて、のぶの目にはうっすらと涙が浮かびました。この表情の変化は、今田美桜さんの繊細な演技力を物語っており、視聴者にのぶの心の動きを強く印象付けました。
次郎の手帳が示す道筋「絶望に追いつかれない速さで」
眠れぬ夜に読み返した次郎の手帳
その夜、眠れずにいたのぶは、次郎の手帳を読み返します。
「自分の目で見極め、自分の足で立ち、全力で走れ。絶望に追いつかれない速さで。」
この言葉は、のぶの今後の行動指針となる重要なメッセージです。絶望に負けずに前進し続ける強さを表現した、印象的な名言として視聴者の心に残りました。
「いつか、皆で笑いたいがよ」牧徹子の言葉
回想シーンで流れる牧徹子の言葉も、物語のテーマを象徴しています。
「いつか、皆で笑いたいがよ。」
この言葉は、戦後復興への希望と、人々の幸せを願う気持ちが込められており、のぶの心に深く響いています。
決意の表明「うち、東京へ行きます」
浅田家での重大発表
翌朝、何か決断したような表情を見せるのぶは、浅田家を訪れて重大な発表をします。
「うち、東京へ行きます。」
この一言で、物語は大きな転換点を迎えます。崇がちょうど釜爺の慰霊に訪れたタイミングでの発表は、運命的な巡り合わせを感じさせました。
代議士の手伝いという新たな道
のぶは代議士の手伝いをする決意を明かします。記者としての道を諦め、政治の世界で自分の信念を貫く新たな道を選択したのです。この決断は、東海林の厳しい評価を受けて、自分の適性を冷静に見つめ直した結果でした。
羽田子の背中押しと家族の反応
「たまるかー」と反発する羽田子でしたが、最終的には「ええときにきたね」と背中を押します。メイコも「嵩さん大丈夫?」と小声で心配する様子が微笑ましく、家族の温かい絆が描かれました。
奇跡の復活!ヤムおじさんのあんぱん
釜爺の釜で再び焼かれたパン
物語のクライマックスで、ヤムおじさんが釜爺の釜でパンを焼きます。釜を叩いて、撫でて思いにふけるシーンは、釜爺への敬意と職人としての誇りを表現した名場面でした。
「坂種も材料も違うから、味は保証できん。トウモロコシの粉と、今あるもんで作ったあんぱんもどきだけどな。」
「構わん、本物だ。人が作った。釜爺がいた。釜爺のあんぱんだ。」
この言葉には、完璧でなくても心を込めて作ることの大切さが込められています。
「本物だ」と言い切る職人の誇り
ヤムおじさんの「本物だ」という言葉は、技術的な完成度ではなく、作り手の心と受け手の気持ちが重要であることを示しています。この哲学は、やなせたかしさんの「アンパンマン」の精神にも通じるものがあります。
浅田家に戻った活気と笑顔
久しぶりに浅田家に活気が戻り、みんなでパンを味わうシーンは心温まる場面でした。「本物のあんぱんみたいです」という感想と共に、家族の絆が深まる瞬間が描かれました。
Xで話題の投稿(5件)
「完全に従来のナレ死や布団で家族に看取られ死を克服した視聴者に清々しい風を残す臨終描写 ヤムおじさん(神)降臨とほいたらねのおまけ付き #朝ドラあんぱん」
「パンを焼く姿がジャムおじさんみたいで泣けた。あの1つのパンに”優しさ”が詰まってる」
「『記者に向いちょらん』って東海林さんの言葉、厳しいけど的確だった。のぶの新しい道が楽しみ」
「『面白がって生きえ』って釜爺の遺言、心に響いた。困難な時代だからこそ大切な言葉」
「ヤムおじさんのあんぱん復活で浅田家に笑顔が戻った!これからの展開が楽しみすぎる」
まとめ
今回の見どころ・伏線
- ヤムおじさんの帰還: 6年ぶりの再登場で浅田家に新たな希望をもたらす
- のぶの転機: 東海林の厳しい評価を受けて東京行きを決意、新たな人生の道筋を見つける
- 釜爺の遺言: 「面白がって生きえ」という言葉が物語全体のテーマを表現
- パン作りの復活: 材料は違っても「本物」を作るという職人の誇りが描かれる
- 家族の絆: 困難な時代でも支え合う浅田家の温かさが際立つ
- 次回への期待: 崇とのぶの関係進展を匂わせる演出で視聴者の関心を引く