
1946年9月、ついにのぶが高知新報を去り東京へと旅立つ日がやってきました。東海林編集長の心に響く激励の言葉、琴子さんの嵩への痛烈な一喝、そして羽田子さんの母としての深い愛情——第81話は感動とユーモア、そしてもどかしさが詰まった濃密な15分間となりました。
朝ドラ『あんぱん』第17週第81話 あらすじ
高知新報最終出社日を迎えたのぶ。東海林編集長は
「世間は怖いぞ。お前の志をへし折ろうとする奴もいる。そんな奴に絶対に負けるな」
と力強い言葉でのぶを送り出します。この言葉にのぶは涙を流し、改めて決意を新たにしました。
一方、のぶの後任として月刊くじら編集部に入ることになった琴子は、仕事への情熱を燃やしています。居酒屋でのぶと最後の乾杯を交わした琴子は、嵩と岩清水のところへ現れ、嵩の煮え切らない態度に物申します。琴子と岩清水が必死に嵩の背中を押す姿は、視聴者の気持ちを代弁するようでした。
家では羽田子がくら婆から預かった雄太郎の帽子をのぶに渡し、「強い子だからこそ心配」と母としての複雑な思いを吐露。翌朝、嵩は赤いハンドバッグを持ってのぶの家へ駆けつけますが、またしても間に合わず。羽田子に「自分にもらったものだと思った」とユーモラスに言われる始末です。汽車に揺られるのぶは、進行方向を見つめ明日への期待を胸に新たなスタートを切りました。
東海林編集長の名言「負けるなよ」が視聴者の涙腺を直撃
1946年9月、のぶが高知新報を去る日。この日、東海林編集長が放った言葉が、多くの視聴者の心を揺さぶりました。
「ええか、これが世間や。世間は怖いぞ~。ねたんだりひがんだり、いろんなことを言われる。お前の志をへし折ろうとするやつもいる。そんな奴に絶対に負けるな。負けるなよ。」
この言葉を聞いたのぶの目から涙が流れる演出は、視聴者にも大きな感動を与えました。Xでは「東海林編集長の言葉や表情に涙し」という投稿が多数見られ、津田健次郎さんの抑えた演技が絶賛されています。
世間の厳しさを知る大人の覚悟を込めた激励
東海林編集長の言葉は、単なる激励ではありません。戦後復興期という時代背景の中で、女性が一人で東京に出て働くことの困難さを誰よりも理解している大人の、深い覚悟が込められています。
「お前の志をへし折ろうとするやつもいる」という部分は、のぶがこれから直面するであろう性別による偏見や、戦後の混乱期における社会の理不尽さを予見した言葉です。編集長は、のぶの才能と志を認めているからこそ、現実の厳しさも包み隠さず伝えているのです。
視聴者からは
「これからのぶちゃんを待ち受けるであろう困難を強く心配しながらも負けるなと伝えるのは、東海林さんがその志を大切に見守り誰よりも信じているからですね」
という深い理解を示すコメントも寄せられています。
津田健次郎の抑えた演技が生む説得力
津田健次郎さんが演じる東海林編集長の魅力は、その抑制の効いた演技にあります。感情的になりすぎず、しかし心の奥底にある温かさと厳しさを同時に表現する技術は、まさにベテラン俳優ならではのものです。
「短い間だったけど、編集長東海林さんと猫の手のぶちゃんの関係が大好きでした」
という視聴者の声からも、この短い期間で築かれた師弟関係の深さが伝わってきます。
琴子さんの一喝に視聴者大喝采!嵩の優柔不断さに代弁の声
のぶの送別会の後、琴子が嵩と岩清水のところへ現れるシーンは、多くの視聴者の溜飲を下げる場面となりました。
「明日からもその席にのぶさんはおらんがですよ」
琴子のこの言葉は、嵩の優柔不断さに対する視聴者の気持ちを代弁するものでした。Xでは
「そろそろ嵩のグズっぷりにキレそうになってきたわあ…😌(琴子ちゃんがみんなの気持ち代弁してくれてるからキレずにここまでこれた)」
という投稿が話題となっています。
鳴海 唯が体現する戦後女性の強さ
鳴海 唯さんが演じる琴子は、戦後を生き抜く女性の強さを体現したキャラクターです。居酒屋でのぶと飲みながら語った言葉からも、その意気込みが伝わってきます。
「前からのぶちゃん見て思いよったが、大変そうやけんど、あんなふうに思いっ切り仕事してみたい。ほんまに猫かぶって結婚相手見つけるより面白い記事のネタ見つける方が私の性に合っちょる」
この台詞は、当時の女性が置かれていた社会的制約の中でも、自分らしい生き方を追求する強い意志を表しています。琴子の言葉は現代の働く女性にも通じる普遍的なメッセージとして受け取られ、称賛の声が上がっています。
岩清水との連携プレーで嵩の背中を押す
琴子と岩清水が連携して嵩の背中を押すシーンは、友情と愛情が交差する美しい場面でした。二人が必死に嵩に思いを伝えるよう促す姿は、まさに真の友人の在り方を示しています。
「崇さんがのぶさんのこと好きなのは、高知新報の人間やったら、高知中の人間が知っておりますよ」
岩清水のこの言葉は、嵩の気持ちが周囲の誰にとっても明らかであることを示しています。
「まわりは嵩の気持ちに気づいてるのに、のぶだけが気づかず。そのじれったさに、思いをぶちまける琴子のセリフは視聴者の想いを代弁してる」
という投稿からも、視聴者がいかにこの状況にもどかしさを感じているかが分かります。
羽田子さんの母心が胸を打つ「強い子だからこそ心配」の深意
のぶの家で羽田子が見せた母としての複雑な心境は、多くの視聴者の心を打ちました。
「ノブは強い子やきね。強い子やきたては心配よ。あんたの強いところだけやなって、弱いところやほころび、そういうのを全部わかってくれる人がそばにおってくれたらえいがやけんの」
この台詞は、母親の愛情の深さと複雑さを表現した名言です。強い娘だからこそ、一人で抱え込んでしまうことを心配する母の気持ちが痛いほど伝わってきます。
雄太郎の帽子に込められた家族の絆
くら婆から預かった雄太郎の帽子をのぶに渡すシーンは、家族の絆の深さを象徴的に表現していました。
「くら婆がこれは長女のノブが持っていくのが一番いいって。お守り代わりに持って行きなさい」
亡き父の帽子は、のぶにとって家族とのつながりを感じられる大切な品物です。この小道具の使い方は、視聴者に家族の温かさを感じさせる効果的な演出となっています。
一人立ちする娘への複雑な思い
羽田子の心境は、娘の成長を喜びながらも寂しさを感じる、すべての母親が経験する感情を代弁しています。
「つらいことあったらいつでも帰ってらっしゃい。大丈夫」
この言葉は、どんな時でも娘を受け入れる準備ができている母の愛を表現しています。
「朝ドラの『#あんぱん』見て、羽多子さんが、のぶを東京に送り出すときの言葉にウルッ…🥺 こんなお母さんいいなあ…自分もあんなふうになりたいって思った」
という投稿からも、多くの視聴者が羽田子の母性に感動したことが分かります。
嵩のハンドバッグ渡し損ね再び!視聴者のもどかしさがピークに
翌朝、嵩が赤いハンドバッグを持ってのぶの家に駆けつけるシーンは、視聴者のもどかしさを最高潮に押し上げました。
「それは渡したくて」
嵩の必死さは伝わってくるものの、またしてものぶは既に家を出た後。この展開に視聴者からは様々な反応が寄せられています。
赤いハンドバッグの象徴的意味
赤いハンドバッグは、嵩ののぶへの気持ちを象徴するアイテムとして機能しています。何度も渡し損ねる展開は、二人の関係の歯がゆさを表現する演出として効果的です。
「月刊くじらの表紙にのぶのイラストを描いたり、その後もピンチが訪れる度にのぶを守ってきた嵩」という投稿が示すように、嵩のこれまでの行動を振り返ると、彼の想いの深さが分かります。しかし、肝心な時に気持ちを伝えられない不器用さが、視聴者をじらし続けています。
北村匠海が演じる青年の不器用さ
北村匠海さんの嵩の演技は、戦後の青年の等身大の不器用さを見事に表現しています。
「嵩『ちょっと御免与町の家へ⋯』って👜取りに行ったんだよね?朝一の汽車で戻ってそのままのぶの自宅へ来たんだよね? もしかしてまた駅でのぶとすれ違ってたんじゃないの?」
という詳細な考察投稿からも、視聴者がいかに嵩の行動を注視しているかが分かります。
羽田子に「自分にもらったものだと思ってドキドキした」と言われるくだりは、コミカルな要素を加えつつ、嵩の純粋さを表現する効果的なシーンでした。
「きょうの名場面(迷場面?)、あの赤いハンドバッグを手にして喜ぶ羽多子さんが、激カワなとこ😄」
という投稿からも、このシーンのユーモラスさが愛されていることが分かります。
のぶの新たなスタート、汽車での決意表明シーンの演出美
最後の汽車のシーンは、のぶの新たな人生の始まりを美しく描写していました。
「牧先生のところで、戦災孤児浮浪児の問題に取り組みたいが。うちは学校の先生として中途半端に終わってしまったけ、もう少し子供らのことにこだわってみたいが」
のぶの具体的な目標が明確に示されたこの台詞は、彼女の意志の強さを物語っています。戦後の社会問題に向き合おうとする姿勢は、東海林編集長が言った「志」そのものです。
今田美桜の表情演技が語る未来への希望
汽車の中で進行方向を見つめるのぶの表情は、今田美桜さんの表情演技の巧みさを示すシーンでした。不安と期待が入り混じった複雑な心境を、セリフに頼らず表情だけで表現する技術は見事です。
汽車の笛の音と共に流れるナレーション「またもや、嵩はハンドバッグをのぶに渡すことができませんでした」は、視聴者に次回への期待を抱かせる効果的な演出でした。
戦災孤児問題への取り組み決意の重み
のぶが戦災孤児問題に取り組みたいという決意を示したことは、やなせたかし氏の実際の活動を反映したものです。この社会問題への取り組みが、後のアンパンマン誕生にどう繋がっていくのか、今後の展開が注目されます。
「とにかく自分の足で立って歩いて、行けるところまで行ってみる」
この言葉は、のぶの人生哲学を表す重要な台詞です。自立した女性としての生き方を選択した彼女の強い意志が表現されています。
まとめ
今回の見どころや伏線など
- 東海林編集長の「負けるなよ」激励: のぶの今後の困難を予見した深い愛情の言葉が、視聴者の心に深く刻まれました
- 琴子さんの一喝と仕事への情熱: 戦後女性の自立への意志を象徴するキャラクターとして、今後の展開での活躍が期待されます
- 嵩のハンドバッグ渡し損ね: 二人の関係の進展への期待感を高める重要な伏線として機能しています
- 雄太郎の帽子: 家族の絆を象徴するアイテムとして、のぶの東京での心の支えとなることが予想されます
- 戦災孤児問題への取り組み決意: やなせたかし氏の実際の活動を反映した設定で、アンパンマン誕生への伏線として注目されます
- 羽田子の母心: 娘を送り出す母の複雑な心境が、多くの視聴者の共感を呼び、家族愛の深さを印象的に描いています