
朝ドラ「あんぱん」第24週117話が9月9日に放送され、ついにアンパンマンが雑誌掲載を果たしました。しかし読者からは「地味」「最悪」との厳しい評価が。そんな中、のぶ(今田美桜)の「最後まで読んで」という愛あふれるセリフに視聴者が涙腺崩壊。SNSでは感動の声と創作への考察が溢れています。
朝ドラ『あんぱん』第24週第117話 あらすじ
映画『千夜一夜物語』の大ヒットを受け、手嶌治虫(眞栄田郷敦)から映画制作の提案を受けた嵩(北村匠海)。その後、訪れた編集者から次回作の依頼を受けますが、のぶが勝手にアンパンマンの原稿を差し出します。「なんでも大歓迎」という編集者の言葉に期待を寄せるものの、主人公の体型について「減量できないか」との要求が。それでも最終的に掲載が決定し、ついにアンパンマンが世に出ることになりました。しかし、メイコや登美子からは「地味」「最悪」との厳しい評価を受け、嵩は落胆します。そんな時、羽田子だけがアンパンマンの真の魅力を理解し、のぶとともに嵩を励まします。のぶの「救われる人がたくさんいる。だから諦めないで」という言葉に、嵩は再び創作への情熱を取り戻していきます。
千夜一夜物語大ヒット!手嶌治虫からの映画化提案
昭和44年9月、映画『千夜一夜物語』の公開が大成功を収めました。手嶌治虫(眞栄田郷敦)からの嬉しい報告電話に、嵩(北村匠海)は思わず足をぶつけてしまうほど喜びを表現。この何気ないコミカルな演出に、視聴者からは「嵩の素直な喜び方が可愛い」との声が上がりました。
手嶌の家を訪れた嵩に対し、手嶌は
「映画を作ってみませんか?あなたが脚本を書いて、あなたが監督する」
という思いがけない提案をします。制作費は全て手嶌が持つという破格の条件でした。これは単なるお礼ではなく、手嶌自身の創作への情熱と、嵩への深い信頼を表す重要なシーンでした。
しかし、手嶌の表情には複雑な感情が見て取れます。
「かつて、僕に憧れた漫画家たちが、今や僕を追い越そうとしている」
という彼のセリフは、手塚治虫をモデルとしたキャラクターの苦悩を如実に表現していました。時代は劇画ブームに移り変わり、
「今や古い人間だと言われている」
という言葉には、巨匠であっても時代の変化に取り残される不安が込められています。
SNSでは
「巨匠手嶌先生にも、苦悩があったんだね。何にせよ、若手はどんどん育って追い越してくるもの」
という共感の声が多く見られ、創作者の永遠の課題である世代交代の問題が視聴者の心に響いたことがうかがえます。
手嶌の
「誰よりも、僕がいない嵩監督の作品を見たいんです」
という言葉は、単なる社交辞令ではなく、真の創作者同士の絆を表現した名セリフでした。眞栄田郷敦の繊細な演技により、手嶌の内面の葛藤と嵩への期待が見事に表現されていました。
アンパンマンついに雑誌掲載決定!編集者との攻防戦
映画の成功に続き、今度は出版社からの依頼が舞い込みます。
「次回作を書いてください」
という編集者の言葉に、のぶ(今田美桜)の目に輝きが宿ります。
編集者が
「なんでも大歓迎です」
と言った瞬間、のぶは迷わずアンパンマンの原稿を差し出します。
「最後まで読むだけでも、読んでみてください」
というのぶの必死な懇願に、視聴者からは「のぶの愛に涙腺崩壊」という声が続出しました。
しかし、編集者の反応は複雑でした。原稿を読んだ後、
「この主人公、できれば少し減量できないですか?もう少しほっそりと」
という要求を出します。これは現実の出版業界でもよくある「商業的な観点からの修正要求」を象徴的に描いたシーンでした。
嵩の「やっぱりダメですか」という諦めにも似た表情と、のぶの「個性だから」という断固とした態度の対比が印象的でした。結果的に編集者は
「私の敬愛する柳井先生の作品ですし、そこまでおっしゃるなら、乗せてみましょう」
と掲載を決定します。
この一連のやり取りに対して、SNSでは「出版社との攻防戦がリアル」「のぶの愛が伝わって良かった」という感想とともに、「太ったおじさん」がいつ「アンパンマン」になったのかという疑問の声も上がりました。確かに、ネーミングの過程を描かなかったことに対する指摘は的確で、視聴者の観察眼の鋭さを物語っています。
読者からの厳しい評価と家族の反応
ついに雑誌に掲載されたアンパンマンでしたが、読者の反応は予想以上に厳しいものでした。喫茶店でアンパンマンを読むメイコの表情は渋く、
「いまひとつ地味っていうか」
という率直な感想を述べます。健太郎も同様に渋い顔を見せ、若い世代には受け入れられていない現実が浮き彫りになりました。
さらに衝撃的だったのは登美子の反応です。最初は笑顔で読んでいたものの、
「最悪ね」
という厳しい評価を下します。
「なんともボロボロで、向きを変えないぐらい貧乏なんでしょう。おまけにハンサムじゃないし、あんまりお風呂にも入ってないみたいだし」
という容赦ないダメ出しに、嵩の落胆ぶりが手に取るように分かりました。
この場面について、SNSでは「現代の私たちには愛されるアンパンマンが、当時は不評だったなんて」という驚きの声が多く見られました。実際に現在のアンパンマンのイメージが確立されている視聴者にとって、この不評ぶりは意外だったようです。
しかし、のぶだけは違いました。「全部好き」と答えるのぶは
「でも一番すきなのはかっこよくないところ」
だと続けます。のぶの、
「うちは子供の頃から悪いやつは懲らしめないかんって、そう思うちょった。それが正しいことで、正しいことをするのが、かっこいいと思っちょった」
というセリフは、アンパンマンの本質を理解した重要な発言でした。
のぶの愛あふれるセリフに視聴者涙腺崩壊
物語のクライマックスは、のぶが嵩にアンパンマンの真の価値を説明するシーンでした。羽田子の言葉を受けて、のぶは母の教えを思い出します。
「お母ちゃんが昔うちに言うてくれた言葉、思い出すがよ。痛めつけた相手に恨みが残るだけ。恨みは恨みしか生まん」
このセリフは、やなせたかしがアンパンマンに込めた平和への願いを象徴する重要な言葉でした。のぶはさらに続けます。
「近所の子どもやのうて、世の中の害になるような悪者は、向こうから見たら、こっちが悪いもんかもしれんやろ」
この相対的な視点に対して、SNSでは
「今朝の、のぶはニーチェのようやったね。『真理や正義は絶対に存在するのではなく、見る人の立場から構築される』的な。視座の相対性だっけ」
という哲学的な解釈も見られました。
そして、のぶの最も感動的なセリフが続きます。
「正しくないとかではなく、自分は撃たれても、おなかをすかせた子どもたちのために飛び続ける。嵩さんの書いたアンパンマンって、キャラクターが、世の中に伝わってほしい」
この言葉に、嵩の表情が変わります。諦めかけていた心に再び光が宿る瞬間でした。のぶの
「それで救われる人がきっとこじゃんとおる。だから諦めんといて、アンパンマンはもっと飛べる!」
という力強い励ましに、視聴者からは「涙腺崩壊」「のぶの愛に感動」という声が続出しました。
今田美桜の演技は、このシーンで真価を発揮しました。言葉の一つ一つに込められた想いが視聴者の心に直接響き、まさに「今田美桜劇場」と呼ばれる圧倒的な存在感を示していました。
SNSで話題沸騰!視聴者の反応と考察
今回の放送を受けて、SNSでは様々な角度からの考察や感想が飛び交いました。
のぶのセリフの哲学的な深さについても多くの考察が寄せられました。ニーチェの相対主義的な思想との関連性を指摘する声や、アンパンマンの創作意図に込められた平和への願いについての分析など、視聴者の知的な関心の高さがうかがえます。
一方で、「太ったおじさん」から「アンパンマン」への名称変更の過程が描かれなかったことに対する批判的な意見も見られました。「ネーミングの過程の作劇をすっ飛ばすって?不思議だわ〜」という指摘は、朝ドラに対する視聴者の期待の高さを表しています。
しかし、全体的には今回のエピソードに対する評価は非常に高く、特にのぶのキャラクターの魅力と、アンパンマン誕生の背景にある深いメッセージが視聴者の心を捉えたことは間違いありません。
アンパンマンの真の価値を理解したのがのぶだったことも、多くの視聴者に感銘を与えました。「純粋な心だけがアンパンマンの本質を理解できる」という演出は、やなせたかしの創作意図と重なる部分があり、視聴者の共感を呼びました。
今後、このアンパンマンがどのように成長し、現在私たちが知る国民的キャラクターになっていくのか、視聴者の期待は高まるばかりです。のぶの愛に支えられた嵩の創作活動が、どのような展開を見せるのか、残り14回の放送に注目が集まります。
まとめ
今回の見どころや伏線など
- 手嶌治虫の映画化提案 – 時代の変化に苦悩する巨匠の心境と、次世代への期待を描いた重要なシーン
- のぶの「最後まで読んで」 – アンパンマンへの深い愛情と信念を表現した感動的なセリフ
- 読者の不評と家族の反応 – 現在とは異なるアンパンマンの初期評価を通じて、創作の困難さを表現
- のぶの哲学的なセリフ – 「恨みは恨みしか生まん」という母の教えと相対的な正義観を示す深いメッセージ