TBS系日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」の第3話が放送され、視聴率10.3%と好調をキープしました。今回は2012年へと舞台が移り、日高牧場の厳しい現実と、佐藤浩市演じる耕造社長の熱い想いが交錯する感動的なエピソードに。特に「日高の馬で絶対に勝つんだ」という耕造のセリフと、希望の仔馬「ロイヤルホープ」の誕生シーンには、SNSで「涙が止まらない」「胸にじわじわ」との声が殺到しています。本記事では、第3話のあらすじから見どころ、セリフの意味、そして視聴者が注目した考察ポイントまで徹底解説します。
ザ・ロイヤルファミリー第3話のあらすじ
北陵ファームでのセリに敗れた耕造(佐藤浩市)は、新たな競走馬を求めて日高地方へ。加奈子(松本若菜)の父・剛史(木場勝己)が経営する野崎ファームでは、セリ市を介さない「庭先取引」にこだわるものの、経営は火の車。剛史は1億円という破格の値段を提示し、取引は決裂寸前に。しかし、耕造は剛史の情熱と牧場経営への覚悟を目の当たりにし、「日高の馬で勝つ」という新たな夢を抱きます。林田牧場の廃業、日高牧場の厳しい現実を知った耕造は、繁殖牝馬ハピネスを野崎ファームに預託。そして運命の仔馬との出会いを果たし、「ロイヤルホープ」と名付けます。有馬記念制覇という大きな夢を、日高の小さな牧場から始める物語が、ここから動き出します。
ザ・ロイヤルファミリー第3話|時代は2012年へ、新たな競走馬探しの始まり
第3話は、イザーニャとファイトの故障から話が展開します。未勝利戦を制したイザーニャでしたが、まさか2頭揃って怪我に見舞われるとは誰も予想していませんでした。有馬記念という大きな夢を追いかける耕造社長にとって、これは大きな試練です。
京子(黒木瞳)が語るシーンでは、山王家と馬との複雑な関わりが明かされます。
「私は馬も嫌いですが、それ以上に父のことが嫌いで、馬が負けた理由を、母のせいにするような人でした」
という京子の言葉からは、馬主という立場の重圧と家族の確執が垣間見えます。しかし耕造は、ファイトとイザーニャが「宇宙を救った」と評価し、次なる勝負へと目を向けます。
北陸ファームのセリで敗北、3億2000万円の壁
舞台は北海道千歳の北陵ファーム。国内最大規模を誇るこの牧場のセリには、全国から馬主たちが集まります。栗須(妻夫木聡)と広中調教師(安藤政信)は、耕造が狙う馬について慎重に議論します。
「誰だって勝つところに期待してしまう」
「でも社長らしくないとも言える」
という広中の言葉は、耕造の判断の難しさを表しています。
セリが始まり、価格はどんどん上昇していきます。「3億2000万円ございませんか?」という競売人の声に、耕造は悩みます。予算は1億を突破し、すでに限界に近づいています。最終的に椎名(沢村一樹)が3億2000万円で落札。ペンを投げ落とす耕造の表情には、悔しさと焦りが滲んでいました。
セリ後、椎名は余裕の表情でこう語ります。
「秋のリリーも、ここで競り落としたんです。誰にも譲らなくてよかった。」
北陵ファームの圧倒的な優位性と、それに対抗する難しさが、このシーンから伝わってきます。
林田牧場の廃業が示す日高の厳しい現実
一方、日高では林田牧場主(尾美としのり)が耕造に告げます。
「年内で、本当にお世話になりました」。
突然の廃業宣言に、耕造は驚きを隠せません。
「育成も生産も、もう限界で」
「あがいても流れを戻せそうもありませんので」
という林田の言葉は、日高の個人牧場が直面する厳しい現実を物語っています。
ナレーションでは、日高地方の歴史と現状が語られます。明治時代から数多くの競走馬を輩出してきた日本を代表する生産地でありながら、高齢化問題や後継者不足により、生産牧場の数は全盛期の半数にまで減少しているのです。対照的に、一部の大規模牧場は圧倒的な成果を上げています。この格差こそが、物語の核心部分なのです。
「庭先取引」に込められた誇りと覚悟|野崎ファームとの激しい攻防
加奈子が横浜のカフェで栗須と会うシーンでは、「庭先取引」の意味が丁寧に説明されます。セリ市を介さず、生産者とオーナーが直接取引する方法。
「庭先でオーナーさんとちゃんと話をして、この人ならって思う方に売りたい」
という加奈子の父・剛史のこだわりには、ただの頑固さではない理由がありました。
しかし現実は厳しく、
「日高の零細牧場が、庭先の取引で1億出してくれって言っても、相手にしてくれない」
という加奈子の言葉が、日高牧場の置かれた立場を如実に表しています。
「私は栄治に買ってもらいたくて、会いに来たわけじゃないの」
と強調する加奈子の複雑な心情も、このシーンの見どころです。
剛史(木場勝己)が拒否し続ける理由
野崎ファームを訪れた耕造と栗須。しかし、剛史の態度は冷たく、取引は一触即発の状態に。馬を見る前から
「野崎さん、うちらは別にやみくもに探しているわけじゃないんだ」
と良い意味で補足をする広中に対し、剛史は真正面から問いかけます。
「本当に、勝つ気はあるんですか?」
この問いに、耕造は激高します。
「商売じゃない。勝負なんです。勝つために選んだ。命懸けの勝負なんです。」
一方の耕造も負けていません。
「こっちだってな。何百人の社員の生活を背負って戦ってんだよ。」
お互いに引かない、熱い議論が繰り広げられます。
「勝つ気はあるんですか?」耕造の魂の問いかけ
再び野崎の家での交渉シーンは、第3話のハイライトの一つです。剛史は自らの信念を語ります。
「昔は、サラブレッドといえば日高でした。でも今は厳しい。北領ファンの1人勝ちです。日高の連中は諦めてます、ただ食いつなぐだけの経営です。でも俺は勝ちたい!勝ちたいんです」。
そして、剛史の覚悟が明かされます。
「そうでないと、何のために生きてるのか、分からなくなるでしょう。あの子らもそうです、何のために生きて何のために死ぬのかも」
「私の目標は、誰が何と言おうと、この牧場の馬でGIを取ることです」。
年間8000頭以上生まれるサラブレッドの頂点を目指す。その野望こそが、1億円という破格の値段の理由だったのです。
栗須は冷静に指摘します。
「何様だよ、それじゃあ、まるで、馬主が勝つ気がないみたいじゃねぇかよ。覚悟、バカにするのもいい加減にしてくれ」
緊張が高まる中、加奈子が父の真意を語り始めます。
「父の後ろには、一緒に切磋琢磨してきた、同年代の牧場関係者の思いがあります。それでも廃業したり、夢半ばで亡くなっていった。たくさんの仲間たちの」
棚に並ぶ仲間との写真。唇を震わせる剛史。そして加奈子は続けます。
「母もその1人です。父の夢は、日高の、みんなの夢なんです」
このセリフに、全員が言葉を失います。剛史の頑固さの裏には、亡くなった仲間たちへの想いと、日高の誇りを守りたいという強い意志があったのです。
「日高の馬で絶対に勝つんだ」耕造社長の涙腺崩壊セリフ
剛史の想いを受け止めた耕造は、自らの夢を語ります。
「夢か、悪いが、俺の夢もGIだ。有馬で1着を取る。あんたと同じ夢を持つ馬主が、ここにもいるんだよ」
そして、耕造は新たな夢を宣言します。
「そしてもう一つ夢が出来た。その夢を、日高の馬で成し遂げるんだよ。北稜の馬で勝ったところで、誰も驚いちゃくれない。高い金払ってるんだ。当たり前だって目で見られるだけだよ」
床に座り、真剣な表情で語り続ける耕造。その言葉には、馬主としてのプライドと、日高への敬意が込められていました。
「それは俺が目指すところじゃない。人が驚いてくれなきゃ面白くない。競馬なんて興味ねぇ。馬なんて知らねぇ、ってそんなやつらが何だ?この馬は。そういう、馬ひっさげてレースに出つ勝つんだ」
そして、最も感動的なセリフが放たれます。
「G1取る。そのために日高の馬が必要なんだ。乗らせろよ、あんたの夢に」
剛史がゆっくりと耕造に顔を向けます。そして耕造は、先ほど剛史に問われた質問を、今度は自分への答えとして返します。
「勝つ気はありますか?」
耕造は大きくうなずきます。その真摯な姿勢に、剛史もついに心を開きます。
「なら、どうかお願いします」。
一気に祝いの雰囲気に包まれ、涙ぐみながらに飲む加奈子、こらえて酒を飲む剛史を優しく見つめる耕造。万感の思いが交錯する、素晴らしいシーンでした。
加奈子の父・剛史が語る日高の仲間たちの夢
木場勝己演じる剛史のこのシーンは、SNSでも大きな話題になりました。「毎話泣いてる」「胸を打たれる」という声が多数寄せられ、松本若菜演じる加奈子の演技とともに高く評価されています。
剛史の「父の夢は、日高の、みんなの夢なんです」というセリフは、単なる個人の野望ではなく、日高で生きる全ての生産者たちの代弁でもあります。高齢化や後継者不足で廃業を余儀なくされる仲間たち、夢半ばで亡くなった母。その全ての想いを背負って、剛史は1億円という金額にこだわっていたのです。
耕造が見せた馬への優しさと決断の瞬間
野崎ファームの放牧地で、耕造が栗毛の仔馬と触れ合うシーンがあります。柵越しに馬と向き合い、優しく笑いかけ、頭を撫でる耕造。その光景に、加奈子と剛史も驚きます。
「嘘…あの子がなついてる。あんな臆病な子が」
と。このシーンは、耕造が単なるビジネスとして馬を見ているのではなく、一頭一頭に愛情を注いでいることを示しています。
さらに耕造は、林田牧場で飼育されていた繁殖牝馬ハピネスを、野崎ファームに預託することを決断します。栗須が前夜に提案したこのアイデアについて、耕造は理由を語ります。
「この牧場を助けてどうすんだよ!」
「お前らが馬を強くするんだって。そのためには時間が必要なんです。牧場を続けていく時間が、そして、そのことが、我々と強い馬が巡り合うチャンスにもなると思うんです」
ただ助けるだけではなく、時間を与えることで、さらなる可能性を生み出す。耕造の戦略的かつ人情味あふれる判断に、剛史も深く感謝します。
ロイヤルホープ誕生!希望を託された仔馬の名前の意味
放牧地で仔馬を見つめる耕造。栗須に
「この子の名前付けるよ。お前がみんなを結びつけたんだ。責任取れよ」
と言われ、栗須は考えます。
「サンダーではどうでしょう。だってほら、稲妻のような白斑」
しかし、会社で耕造は栗須を呼び、そして、自らメモを取り出し、様々な馬名を書き連ねます。サンダーなどの名前が消された後、一つの名前が残りました。
「ロイヤルホープ」
希望という名の大きな夢。耕造は満足げに頷きます。加奈子の息子・翔平も、学校の課題で描いた「未来の夢」の絵に、この馬の名前を書き込みます。ジョッキーとして、いつかロイヤルホープに乗ることを夢見て。
ノーザンテースト血統に込められた制作陣の愛
SNSでは、ロイヤルホープの血統設定にも注目が集まりました。「アメリカでつけたその血統に『ノーザンテースト』の名が。かつて日本で大繁栄するも今残る父系はないノーザンテーストがアメリカで父系を伸ばす…例えフィクションでも嬉しい」という投稿が象徴するように、競馬ファンは制作陣のこだわりを高く評価しています。
ノーザンテーストは、日本競馬史上最も成功した種牡馬の一つでありながら、現在は日本に父系が残っていないという複雑な歴史を持つ馬です。そのノーザンテーストの血を、アメリカ経由で日高の小さな牧場に戻すという設定には、制作陣の深い競馬愛と、日高への応援メッセージが込められているのです。
SNSで話題沸騰!視聴者が注目した第3話の考察ポイント
第3話の視聴率は10.3%と、前回に引き続き2桁をキープ。SNSでは「毎回泣いてる」「胸にじわじわ」「競馬知らなかったけどハマった」など、ポジティブな反応が圧倒的多数を占めました。特に、佐藤浩市と木場勝己の演技に対する称賛の声が目立ちます。
「競馬に初めて触れたのは去年の年末だけどそれから少しずつ馬の魅力や騎手のドラマに魅了されて」「まだまだ初心者だけど馬めっちゃいいね!って思ってます」という投稿からは、このドラマが競馬初心者にもしっかり届いていることが分かります。
また、「『庭先取引』って言葉がこんなに重く感じるとは…。第3話見て、ようやくロイヤルホープの意味が腑に落ちた気がする」という考察も。単なる馬の名前ではなく、日高の希望そのものを表す名前だと気づいた視聴者は多いようです。
日高vs北陵の対立構造とリアリティ
「生産者側の物語もとっても面白い!僕は元々こっち側を描いた作品で競馬に詳しくなったので一層感情移入できました」という投稿が示すように、第3話は生産者側の視点を丁寧に描いています。
日高の個人牧場と、北陵ファームのような大規模牧場。この対立構造は、現実の競馬業界を反映しています。実際、北海道には社台グループが運営するノーザンファームという巨大牧場があり、数多くの名馬を輩出してきました。一方で、日高地方の個人牧場は厳しい経営状況に直面しています。
ドラマではこの現実を、感情的にも理解しやすい形で描いています。「舞台は2012年 日高の馬で有馬記念を目指すお話 現実の2012年はリアルロイヤルファミリー(先祖が皇室の牧場の馬)が勝利した年でしたね #ゴールドシップ」という投稿が示すように、2012年という設定にも意味があります。実際の2012年有馬記念を制したゴールドシップは、その血統に皇室ゆかりの馬を持つ、まさに「ロイヤルファミリー」だったのです。
次回予告で明かされる目黒蓮の正体
第3話のラストでは、次回予告が大きな話題を呼びました。特に注目されたのが、目黒蓮演じる謎の人物の正体です。「来週予告、栗須とすれ違って『落としましたよ』の未だ謎の男の目黒蓮」という投稿にあるように、これまで謎に包まれていた彼の役割が、ついに明かされる模様です。
さらに、「次回予告に『叫びました』『ジョッキーだったとは』」という反応からは、高杉真宙演じる佐木の過去も衝撃的な内容であることが伺えます。騎手だったという過去は、物語にどのような影響を与えるのでしょうか。
そして何より、ロイヤルホープのメイクデビュー(初レース)が描かれるという情報に、多くの視聴者が期待を寄せています。「ロイヤルファミリー4話の予告、改めて見返したら確かにこの予告で流れたレース、シャオママルの未勝利勝ち上がりレースじゃね!?」という考察投稿もあり、次回への期待は高まるばかりです。
6. まとめ|第3話の見どころと今後の展開予想
今回の見どころ
- 佐藤浩市の「日高の馬で絶対に勝つんだ」というセリフ: 耕造社長の熱い想いが結実した、涙腺崩壊必至の名シーン
- 木場勝己演じる剛史の「父の夢は、日高の、みんなの夢なんです」: 亡くなった仲間たちへの想いを背負う、感動的な告白
- ロイヤルホープの誕生と命名シーン: 夕日に照らされる仔馬と、希望という名前に込められた意味
- 庭先取引をめぐる激しい攻防: 1億円という金額の裏にある、日高の誇りと覚悟
- 林田牧場の廃業と日高の現実: 高齢化と後継者不足に苦しむ、個人牧場の厳しい実情
- ノーザンテースト血統の設定: 制作陣の競馬愛が詰まった、細部へのこだわり
「ザ・ロイヤルファミリー」第3話は、競馬の華やかな部分だけでなく、生産者たちの苦悩と夢を丁寧に描いた、非常に見応えのあるエピソードでした。視聴率10.3%という数字が示すように、多くの視聴者の心を掴んでいます。次回はついにロイヤルホープのデビュー戦、そして目黒蓮演じる謎の人物の正体が明かされます。日高の小さな牧場から始まった大きな夢が、どのように花開いていくのか。第4話以降も目が離せません!




