テレビ朝日系で毎週火曜夜9時に放送中のドラマ『ちょっとだけエスパー』。11月4日放送の第3話「世界を救う私たち」では、桜介(ディーン・フジオカ)の衝撃的な過去と息子・紫苑との関係が明かされ、視聴者から涙の声が続出しました。さらに、神社の縁日を舞台にした爆発ミッションでは、文太(大泉洋)、桜介、半蔵(宇野祥平)の3人が「ちょっとだけ」の力で人々を守る姿が描かれ、ヒーローの本質を問いかける展開に。そして最後には、四季(宮崎あおい)がEカプセルを誤飲してしまうという衝撃の引きで終了。次回への期待が一気に高まる神回となりました。
ちょっとだけエスパー 第3話 あらすじ
文太はエスパー能力を維持するため、桜介とともに兆(岡田将生)からEカプセルを受け取りに「ノナマーレ」へ。その後、桜介が働いている花屋で桜介に息子・紫苑がいることを知ります。半蔵や円寂(高畑淳子)も、それぞれ語られざる過去を抱えていました。一方、夫を事故で亡くした四季は文太を本当の夫だと思い込んだまま、2人の生活にも慣れが見え始めます。そんな中、新たなミッションが届きます。「爆発で人が死ぬのを止める」という物騒な内容で、場所は祭りでにぎわう神社。果たしてエスパーたちは、ちょっとだけの力で人々を救えるのか。そして、熱を出した四季が誤って飲んでしまった薬の正体は——。
『ちょっとだけエスパー』第3話の見どころ|エスパーたちの過去が明かされる重要回
第3話「世界を救う私たち」は、これまでコメディ要素が強かった本作が一気にシリアスな展開を見せた重要な回でした。タイトルが示す通り、エスパーたちが本当に「世界を救う」ヒーローとして歩み始める物語の転換点となっています。
四季との同居生活に慣れ始める文太
冒頭、文太と四季の朝食シーンから始まります。四季が厚焼き卵を切り、文太がご飯をよそう。一見すると微笑ましい夫婦の朝の風景ですが、文太は相変わらずベッドから落ちているという笑える状況。
「3日に一ぺん落ちているんで慣れました」
という文太のセリフに、四季が
「慣れてどうするの?」
と返すやり取りは、2人の関係性の変化を感じさせます。
しかし、四季は時折リアルな夢を見ているようです。
「死なないでって、声に出てた」
四季が見る夢は、目の前で旦那さんを亡くした事故の記憶。その旦那さんを文太に重ねているという複雑な心理状態が描かれます。台所で洗い物をする文太にぴったりとくっつく四季。四季の心の声が聞こえてしまいます。
「どうしてあんな夢見るんだろう…幸せなのに」
という四季の心の声、そして思い詰めた顔をしています。エスパー能力があるがゆえに知ってしまう相手の本音。
兆が語る2つのルール「能力のことは誰にも知られてはならない」「人を愛してはならない」
翌日、文太と桜介は兆からEカプセルを受け取りに「ノナマーレ」へ向かいます。ここで兆は改めてエスパーとしての重要なルールを告げます。
「能力のことは誰にも知られてはならない」
「人を愛してはならない」
特に2つ目のルールについて、兆は厳しい表情でこう語ります。
「あなたたちには、ミッションを達成するという使命がある。使命よりも大切な存在があってはならないです。愛はいつだって人を惑わせ、判断を鈍らせます。ヒーローの恋は、アイドルの恋以上にあってはならないです」
このセリフは、今後の展開への重要な伏線となっています。文太の脳裏には、四季の姿が浮かんでいました。そして兆は桜介にもこう釘を刺します。
「大助さんの場合、事情が事情です。近づくのはよくないんじゃないですか?息子さんのためにも」
ここで桜介に息子がいることが明かされ、物語は一気に深みを増していきます。
半蔵と桜介の衝撃の過去|「殺人犯の中ではいいお父さん」の意味とは
第3話の最大の見どころは、これまで謎に包まれていたエスパーたちの過去が次々と明かされていく展開です。特に桜介の過去は、視聴者に大きな衝撃を与えました。
元警察犬係の半蔵が懲戒免職になった理由
文太が庭で半蔵と草むしりをしているシーン。ここで半蔵の過去が語られます。半蔵は元警察官で、警察犬係を務めていました。相棒はSasukeという名前のシェパードです。
「犬をいじめたやつを殴っちゃったんだよな」
桜介がさらりと語ります。半蔵が懲戒免職になった理由は、悪質な動物繁殖業者への暴行事件でした。
「狭い部屋で、50頭以上閉じ込めて繁殖させている業者で、保健所にも通報して、上司にも進言したけど、動けないって言われて」
半蔵の正義感と動物への愛情が、彼を犯罪に走らせたのです。
「あんまりひどかったんで、その部屋に侵入して、みんな逃がそうとしたんです。だけど、途中で見つかって争いになって、動物たちは助かったけど、実刑を食らって懲戒免職です」
「天職だと思ってたんですけどね」
半蔵の静かな後悔が胸に刺さります。そして彼の能力——動物の心の声が聞こえる——は、こう語られます。
「昔から思ってました。こいつらの気持ちが分かったらいいのにって」
桜介の息子・紫苑との切ない関係「俺のこと知らなくていいんだよ」
そして、最も衝撃的だったのが桜介の過去です。高校のグラウンド越しに、桜介が一人の男子生徒を見つめています。
「いくつ?」
文太が尋ねると、桜介は答えます。
「17歳。名前は紫苑(しおん)」
「花の名前。桜みたいに花を入れようと思って」
桜介には息子がいたのです。回想シーンでは、若き日の桜介が赤ちゃんを抱いている姿が映ります。
「天才じゃん、紫苑。お前は天才だ!」
幸せそうに赤ちゃんをあやす桜介。しかし、その後の人生は暗転します。桜介は漁港で働いていましたが、そこに人相の悪い男・陣内が現れます。犯罪組織への勧誘でした。
「仕切るやつがおらんのじゃ。お前ならよう分かっとるし、悪い事は言わんけな」
「嫁さんと子供とはみんな面倒見てるけ?名前は紫苑じゃな」
陣内は桜介の家族を人質に取るような言い方で脅します。そして決定的な瞬間——桜介は角材で陣内を殴り、殺害してしまうのです。
「俺が殴った。クソ野郎は助かったりしなかった。半蔵と違って殺すと決めて殺したからな」
留置場の面会室で、妻の水木に桜介はこう告げます。
「逃げたってよかった」
水木が言いますが、桜介は首を振ります。
「死刑でも、殺人犯の子供にしたんだよ」
そして特別養子縁組により、紫苑は水木の再婚相手の養子となり、桜介の人生から「きれいさっぱり消された」のです。
しかし、桜介はミッションで偶然近くに来た際、紫苑を遠くから見守り続けています。
「だから、俺のこと知らなくていいんだよ。でも、俺は俺の方は父親って思ってるから」
このセリフに、文太は静かにこう返します。
「いいお父さんだ」
すると桜介が自嘲気味に言います。
「だけど、殺人犯だぞ」
そして文太の返答が、視聴者の涙を誘いました。
「殺人犯の中ではいいお父さんだよ」
意味が分からないようでいて、確かに桜介の本質を捉えた言葉。このシーンはSNSでも大きな話題となり、「泣いた」「ディーン・フジオカの演技がすごい」といった感想が溢れました。
エスパー能力は本人の願望と関係している?
半蔵と桜介の過去が明かされたことで、エスパー能力のルールについても新たな仮説が浮上します。
「eカプセルって、本人の特性によって能力が変わるっていうけど、その人の願望があるんじゃないかな?」
文太がこう考えます。半蔵は「動物の気持ちが分かったらいいのに」と願い、動物の心の声が聞こえる能力を得ました。桜介は息子・紫苑の成長を願い、花を咲かせる能力を得ました。
そして文太自身——
「心当たり。子どもの頃、もし親父の心の声が聞こえたらって思ってたこと」
文太の能力の原点が、ここで明かされます。不器用な父親との関係。父の本音が知りたかった幼い文太の願いが、今のエスパー能力につながっているのです。
神社の爆発ミッション|わちゃわちゃしながらも人々を守ったヒーローたち
浴衣姿で向かった縁日、しかし爆発まで30分を切る緊迫の展開
文太と四季は、近所の神社の祭りに浴衣で出かける約束をします。四季は藤色の帯の浴衣姿で、文太も浴衣を着ています。
「文ちゃんかっこいい」
四季のセリフに照れる文太。これから楽しい縁日デートが始まる——はずでした。
しかし、4人のスマホに着信が入ります。新たなミッション77。
「爆発で人が死ぬのを止める」
そして場所は、これから向かう神社。時間は16時24分、つまりあと30分を切っているという緊迫の展開です。
「これからって時に」
桜介がぼやきますが、円寂は冷静に言います。
「そういうこともあんのよ」
「りんご飴界のリンゴスター」小ネタに笑いつつも真剣な3人
これから行く神社だが、四季を危険な目に合わせるわけにはいかないと踏んだ、円寂が起点を利かし仮病を使い倒れ始める。それを心配した四季が円寂に近づくと、
「救急車、文ちゃん電話!」
「いいのいいの、ちょっと休めば治るから、だけどリンゴ飴が」
「縁日にその界隈のカリスマのお店が出てるから、今すぐ買わないと、食べ損ねちゃう」
「りんご飴ね!りんご界のリンゴスターを知らんのかね?君は」
緊迫した状況の中での、このコミカルなやり取り。シリアスとコメディのバランスが絶妙で、視聴者からも「笑った」という声が多数上がりました。
神社に着いた3人は、それぞれ爆発物を探し始めます。残された文太、桜介、半蔵の3人で、爆発を止めなければなりません。参道には制服姿の紫苑と友人たちの姿も。桜介の表情が険しくなります。
桜介が息子・紫苑を守った瞬間、そして文太が救った男の子
3人は必死に爆発物を探します。文太は屋台の裏で小型発電機のプラグから火花が散っているのを発見し、電源を切ります。半蔵とSasukeは、ガスボンベからホースが外れている屋台を見つけます。
そして決定的な瞬間——店主が戻ってきて、外していたプラグを差し込もうとします。その瞬間、火花が散り、ガスに引火。
半蔵がSasukeを、桜介が焼きそばの鉄板を盾にして紫苑を、文太が男の子をかばいます。
爆発が起こり、3人は吹き飛ばされますが、人々は無事でした。
後に警察が男の子に聞き取りをするシーン。
「知らないお兄さんが」
「顔は見てないですか?」
証言する紫苑たち。
「鉄板くわっともって、その人がいなかったら怪我してました」
顔を見られることなく、誰にも知られることなく、それでも確かに人々を守ったヒーローたち。この「令和のヒーロー」の姿が、視聴者の心を打ちました。
そして、救急車の向こうから、すすだらけになった3人が笑いながら歩いてくる姿。四季が駆け寄ります。
「みんな」
「小さいのもありまして、はい、大丈夫。はい」
「大したことないです」
傷を負いながらも笑い合う3人の姿は、まさにヒーローの帰還でした。
文太の過去と四季との距離が縮まる縁側のシーン
「親父の心の声が聞こえたら」文太の能力の原点が明らかに
夕日が差し込む中、文太と四季は縁側で話をします。このシーンが、今回屈指の名シーンでした。
文太は、桜介の背中を見て、自分の父親を思い出していました。
「俺の親父、せっかちな人でね。子供と大人では、歩くときの歩幅が違うじゃないですか。それがわかんないような人で」
幼い頃、父親と縁日に行った時のこと。父親はどんどん先に行ってしまい、文太ははぐれてしまいました。
「子どもの頃、もし親父の心の声が聞こえたらって思ってたこと」
そして回想シーン。実家の和室で、父親の背中を見つめる幼い文太。
「おやじは冷たく見えるけど、本当は不器用なだけで、僕のことを大切に思ってくれているんじゃないか?心の声が聞こえたら、それが分かるのに」
文太のエスパー能力の原点。それは、不器用な父親の本音を知りたいという、純粋な願いだったのです。
「結局最後まで、変わらないおやじのまま」
病院のベッドで息を引き取った父親。文太の心には、ずっと引っかかっていたものがあったのでしょう。
四季が文太に寄り添い、肩に頭を預けます。そして、四季の心の声が聞こえます。
「子どもの文ちゃん、よしよししてあげたい」
四季の優しさに触れる文太「躊躇なく人を愛する」
縁日の後、文太と四季は縁側で線香花火をします。線香花火を見つめながら、四季が語ります。
「文ちゃんに縁日で好きなもの買ってあげたかったな」
「好きなもの。欲しいもの、全部。子供の頃の文ちゃんの分まで」
四季の優しさに、文太はこう返します。
「あなたは本当に——漬物の石が軽石くらいになりませんかね」
「あなたはきっとご両親から、しっかりと中身の詰まった愛情をもらったんでしょうね。だから、躊躇なく人を愛する」
文太の言葉に、四季も見つめ返します。
「漬物石みたい。私に愛されてるのに」
ちょっと寂しそうな四季。しかし文太は続けます。
「今日。あったんです。子供の頃の自分に会えた。助けられてよかった」
縁日で助けた男の子は、かつての自分。過去の自分を救うことで、文太は少しだけ前に進めたのかもしれません。
四季が笑みをこぼし、文太が語ります。
「人間は自分自身を救うことが、一番難しいのかもしれません」
このセリフが、第3話のテーマを象徴しています。半蔵も、桜介も、文太も、それぞれ過去の自分を救えなかった。でも、誰かを救うことはできる。それが「ちょっとだけヒーロー」たちの姿なのです。
衝撃のラスト|四季がEカプセルを誤飲、次回への布石となる重要シーン
謎の大学生・市松(北村匠海)の正体とは
爆発事故の後、野次馬の中に白狐のお面をつけた人物がいました。お面を外すと、現れたのは男子学生・市松(北村匠海)。人並みに逆らって悠々と立ち去る姿が映ります。
この市松は、爆発を仕掛けた張本人なのでしょうか?それとも別の目的があるのか?
兆が危惧する「未確認意思」の存在
社長室で、兆がパソコンに向かって独り言を言います。
「正体不明のファクター、未確認意思があるようだ。それが何かはまだ分からない」
「そのせいで、発令がギリギリになってしまった」
兆が危惧する「未確認意思」とは何なのか。市松と関係があるのでしょうか。
そして、衝撃のラストシーン。
翌日、文太が仕事に行こうとすると、四季が熱を出して寝込んでいます。テーブルの上には、水の入ったコップと、Eカプセルの四連シート。1つがなくなっています。
文太がシートを突き出すと、四季は寝ぼけた様子で答えます。
「これ、これ、四季さん、これ、飲んだ?」
「風邪薬…」
「じゃない、飲んだの?え…」
Eカプセルをまじまじと見つめる文太。そして四季の寝顔に視線を向けます。
四季がEカプセルを誤飲してしまったことが明らかになり、次回への大きな布石となりました。四季にはどんな能力が目覚めるのか?文太との関係はどうなるのか?
SNSでは「四季ちゃんの能力が気になる」「心を読む能力?」「花が咲く能力?」「動物と話せる?」など、様々な予想が飛び交っています。
6. まとめ
今回の見どころと伏線
- 桜介の衝撃の過去:息子・紫苑を守るため殺人を犯し服役。今も遠くから見守り続ける切ない父性が涙を誘う
- 「殺人犯の中ではいいお父さん」:文太の名言が示すエスパーたちの複雑な人間性。過去があっても、今は誰かを守るヒーロー
- エスパー能力と願望の関係:半蔵は動物の気持ちを知りたいと願い、桜介は息子の成長を願った。文太は父の本音を知りたかった
- 爆発ミッション成功の裏側:顔を見られず、感謝もされないけれど、確かに人々を救った「令和のヒーロー」の姿
- 「人間は自分自身を救うことが一番難しい」:四季の名言が示す今回のテーマ。過去の自分は救えなくても、誰かは救える
- 四季のEカプセル誤飲:次回への最大の布石。四季にどんな能力が目覚めるのか?市松(北村匠海)の正体とともに要注目
『ちょっとだけエスパー』第3話は、コメディとシリアスのバランスが絶妙な神回でした。桜介の過去に涙し、爆発ミッションでハラハラし、縁側のシーンで心が温かくなり、ラストで次回への期待が高まる——感情のジェットコースターのような1時間でした。
次回、第4話では四季の能力覚醒と、市松の本格的な登場が予想されます。果たして文太と四季の関係はどうなるのか?「人を愛してはならない」というルールを破った時、何が起こるのか?


