NHK連続テレビ小説『ばけばけ』第7週第31話が2025年11月10日に放送され、SNSでは「朝から泣いた」「えぐい」「高石あかりさんの演技がすごい」といった声が殺到しました。物乞いに転落したタエ（北川景子）を救うため、トキ（髙石あかり）はヘブン先生（トミー・バストウ）の女中になる決意を固めます。しかし、その給金20円を三之丞（板垣李光人）に渡す際、トキがついた”優しい嘘”が視聴者の心を締め付けました。本記事では、第31話のあらすじから注目のセリフ、演出の意図、そしてSNSで話題になった「20円の価値」や「タエが物乞いになった理由」まで徹底解説します。
「ばけばけ」第7週第31回のあらすじ｜トキ、ヘブン先生の女中になる決意
2025年11月10日放送の『ばけばけ』第7週第31話は、トキ（髙石あかり）がヘブン先生（トミー・バストウ)の女中になる決意を固め、その給金を使って雨清水家を救おうとする姿が描かれました。
トキは錦織（吉沢亮）に連れられてヘブン先生の家を訪れます。緊張した面持ちで頭を下げ、握手を交わすトキ。錦織が英語で
「彼女が女中として働きたいと言っています」
と伝えると、ヘブン先生は
「しじみ？」
と笑いながらも、まさかの
「ノー」
を告げます。
困惑するトキと錦織に、ヘブン先生は立ち上がり、トキに近づくとこう言いました。
「腕を見せて」
錦織が通訳し、トキは戸惑いながらも腕をまくります。さらにヘブン先生は続けます。
「申し訳ないが、足も見せてくれないか」
少し嫌そうな表情を浮かべるトキですが、仕方なく足を見せます。じっと見つめるヘブン先生。そして放たれた言葉が、視聴者を驚愕させました。
「私は騙されない。あなた、武士の娘、違う！腕太い、足太い」
この場面はSNSで「セクハラ」「時代的な差別描写がリアル」「朝ドラでここまでやるか」と大きな話題になりました。トキも思わず「逞しくない？」と怒りを露わにします。
しかし、錦織が
「彼女はラストサムライ（勘右衛門）の孫です」
と説明すると、ヘブン先生の態度が180度変わります。
「素晴らしい！騙したなどと言って申し訳ない」
手のひらを返したヘブン先生は、その場で20円もの大金を給金として手渡します。トキは戸惑いながらも「ありがとうございます」と受け取りました。
錦織は
「明日からお願いしたい。もう引き返せないがいいね？」
と確認し、トキは女中としての生活をスタートさせることになります。
ヘブン先生の女中試験がえぐい！「腕太い、足太い」発言の真意とは
「あなた、武士の娘、違う！」ヘブンの品定めに視聴者騒然
ヘブン先生がトキに対して「腕を見せろ」「足を見せろ」と要求し、「太い」と指摘する場面は、第31話で最も視聴者の反応を呼んだシーンの一つです。
SNSでは「人としての尊厳を踏みにじられるシーン」「無意識の差別が怖い」「朝から胸が痛い」といった声が相次ぎました。
「ウデ、フトイ。アシ、フトイ。私は騙されない」
このヘブン先生のセリフは、明治時代の階級意識や外国人と日本人の関係性をリアルに描いています。ヘブン先生にとって、「武士の娘」は華奢で上品であるべきだという固定観念があり、しじみ売りで鍛えられたトキの体つきが「労働者のもの」に見えたのでしょう。
視聴者からは「悪意はないけど、この時代の無意識の差別感覚がえぐい」「錦織さんが通訳している前でこんなこと言われるトキが可哀想すぎる」という同情の声が多数上がりました。
トキが思わず「逞しくない？」と錦織に訴える場面も印象的です。この一言に、トキの怒りと屈辱、そしてそれでも家族のために耐えなければならない無力感が凝縮されています。
「ラストサムライの孫」で態度が180度変わるヘブン先生
しかし、錦織が「彼女はラストサムライの孫です」と説明した瞬間、ヘブン先生の態度が一変します。
「素晴らしい！騙したなどと言って申し訳ない」
この豹変ぶりに、視聴者からは「コント見てるみたい」「外国人特有の短気さがリアル」「ヘブン先生、悪気はないんだろうけど…」と複雑な反応が寄せられました。
ヘブン先生にとって、「ラストサムライ」すなわち勘右衛門のような伝説的な侍の孫であることは、トキの価値を大きく引き上げる要素だったのです。彼が日本の武士道精神に憧れを持っていたことが伺えます。
そしてヘブン先生は、その場で20円もの大金を給金として手渡します。トキは戸惑いながらも受け取りますが、その表情には喜びよりも複雑な感情が浮かんでいました。
20円の給金が持つ意味｜現代の価値はいくら?
明治時代の20円は現代でいくら？
トキがヘブン先生から受け取った20円という金額は、当時としては破格の大金でした。SNSでは「ばけばけ 20円 価値」「ばけばけの20円」といった検索ワードが急上昇しており、視聴者の関心の高さが伺えます。
明治時代後期の物価を現代に換算すると、20円はおよそ20万円〜30万円程度に相当すると言われています。当時の一般的な女中の月給が3円〜5円程度だったことを考えると、20円という金額がいかに高額かがわかります。
トキが家族に
「しじみ売りと内職の稼ぎを足した分より、ずっと高いお給金」
と説明している通り、この20円は雨清水家を救える可能性を秘めた希望の光でした。
トキの覚悟の重さを物語る”大金”
しかし、この20円はトキにとって単なる「稼ぎ」ではありませんでした。それは、士族の娘としての誇りを捨て、外国人の女中として働く覚悟の対価だったのです。
トキが給金を受け取る場面では、喜びよりも緊張と後ろめたさが表情に滲んでいました。その後、家に帰ったトキがお金を数えながらしまう様子も、どこか落ち着かず、心ここにあらずといった雰囲気でした。
「もう引き返せないがいいね？」
錦織のこの言葉が、トキの心に重くのしかかります。20円という大金を受け取った瞬間、トキは本当に「引き返せない道」に足を踏み入れてしまったのです。
トキが三之丞についた”優しい嘘”｜物乞いのタエを救うため
「傳おじさまからのお金」トキの切ない嘘
第31話で最も視聴者の涙を誘ったのが、トキが三之丞（板垣李光人）に給金を渡すシーンです。
トキは家を出て三之丞を探し、橋の下で待っていたかのように声をかけます。手に握りしめた20円を差し出すトキ。驚いた三之丞は一度受け取りを拒否しますが、トキは静かに、しかし強い意志を込めてこう言いました。
「私のお金ではありません。傳おじさまからお預かりしていたお金です」
「おじさまは生前、ご自分が亡くなられた後、雨清水家が苦しく、場合によっては路頭に迷うかもしれん。その時のために、私にこのお金を託すと」
「これはおじさまからおばさまへのお心遣いです。受け取っておしなさい」
この嘘に、三之丞は「父上から…」と呟き、迷いながらもお金を受け取ります。
SNSでは「トキが精一杯ついた嘘はそれしかなかった」「朝から号泣」「優しい嘘が痛い」といった声が殺到しました。トキにとって、実の母タエを救うためには、この嘘をつくしか方法がなかったのです。
三之丞の「これだけか？」が意味するもの
トキの嘘を聞いた三之丞は、一瞬の沈黙の後、こう言いました。
「それなら…今日はこれだけか？」
このセリフが、視聴者の間で「なんというセリフだ」「三之丞もタエになんと言えばいいのか分からないんだろう」と深く考察されています。
「今日はこれだけか？」という言葉には、三之丞の複雑な心情が込められています。おそらく彼は、トキの嘘に気づいていたのかもしれません。しかし、母タエのために、あえて何も言わずにその場を去る選択をしたのでしょう。
あるいは、「今日は」という言葉に、「またトキに頼ることになるかもしれない」という申し訳なさや無力感が滲んでいるとも解釈できます。
このやり取りの後、トキは少しふらふらしながらその場を立ち去ります。カメラは長回しでトキの後ろ姿を追い、視聴者はトキの心の揺れを痛いほど感じることになります。
物乞いになったタエ、なぜここまで転落したのか
SNSでは「ばけばけ タエ 物乞い なぜ」「ばけばけ 物乞い」といった検索が急増しており、視聴者の多くがタエの転落理由を知りたがっています。
タエ（北川景子）が物乞いに転落した背景には、明治時代の士族没落という時代背景があります。明治維新後、武士階級は特権を失い、多くの士族が生活苦に陥りました。雨清水家もその例に漏れず、家を失い、ついには物乞いをして生き延びるしかない状況に追い込まれたのです。
前回の放送では、タエが手をついて頭を下げる姿が描かれ、視聴者に強烈なインパクトを与えました。かつて誇り高き士族の妻だった女性が、今や路上で施しを乞う存在になってしまった。この現実を目の当たりにしたトキが、女中になる決意を固めたのです。
「おじさまは生前、ご自分が亡くなられた後、雨清水家が苦しく、場合によっては路頭に迷うかもしれん」
トキがついた嘘の中にも、タエの状況が「路頭に迷う」という言葉で表現されています。これは単なる貧困ではなく、人としての尊厳すら失いかねない危機的状況を意味しています。
暗い道を歩くトキの後ろ姿に鳥肌｜高石あかり演技が神
ゆらゆらカメラワークと長回しが描くトキの心理
第31話のラストシーンは、トキが暗い道を歩く後ろ姿を長回しで映すという印象的な演出でした。
三之丞にお金を渡した後、トキは土手をゆっくりと歩きます。カメラはゆらゆらと揺れながらトキを追い、その歩き方や表情の微妙な変化を捉えていきます。
「おじさま、申し訳ございません。おじさまのお名前をお借りして嘘を付きました。ですが、こげするしかなかったのです」
トキの心の声がナレーションで流れます。下を向き、悲しそうに笑うトキ。しかし次の瞬間、覚悟を決めたように前を向きます。
SNSでは「お金を渡して暗い方に向かっていくトキに鳥肌」「暗黒に足を踏み入れるような暗さの演出が見事」「カメラワークが心理描写そのもの」と絶賛の声が相次ぎました。
この「ゆらゆらカメラワーク」は、トキの心の揺れを視覚的に表現しています。確信と不安、覚悟と後悔、希望と絶望が入り混じるトキの内面を、カメラの動きで描き出しているのです。
自嘲的な笑顔と覚悟の表情、演出の意図とは
トキの表情の変化も、視聴者の心を強く揺さぶりました。
最初は下を向き、何とも言えない悲しそうな、自嘲的な笑顔を浮かべるトキ。しかし歩みを進めるうちに、その表情が徐々に変わっていきます。覚悟を決めたような、少し満足げな笑みへと。
「最後のトキが自傷気味に笑うシーン、怖っわ！ホワーンとした音楽が流れててトキの心が死んだのかな？ってすごく怖くなった」
「トキがお給金を受け取って三之丞に渡すまでの挙動不審ぶり、そしてラストのこれで後戻りできないという重い表情から、これで家族を救えるという満足と喜びが現れた笑みへの変化が見事」
SNSではこのように、トキの表情の多層性が話題になりました。視聴者の解釈も様々で、「心が死んだ」と感じた人もいれば、「家族を救える喜び」と捉えた人もいました。
演出の意図としては、おそらくその両方が正解なのでしょう。トキは士族の娘としての誇りや、家族に嘘をつくことへの罪悪感で「心が一部死んだ」のかもしれません。しかし同時に、母タエを救える可能性に一筋の希望を見出し、「これでよかった」と自分に言い聞かせているのかもしれません。
高石あかりさんの演技は、そうした複雑な感情を一つの表情で表現しており、「シェフを呼んでください」「高石あかりに参ってしまう」と絶賛の声が相次ぎました。
SNSの反応｜「朝から号泣」「えぐい」の声続々
第31話の放送後、SNSでは視聴者の熱い反応が溢れました。
「月曜朝から胸が痛い…トキが女中になる決意。20円を『傳おじさんの配慮』名目で三之丞へ」
「月曜から空気がひりついていた。トキが嘘をついて三之丞にお金を渡すシーン。つらい。時代の流れに乗れなかった人が必死に生き抜こうとしているのに、ボロボロに見える」
「高石さんの演技が素晴らしくて、暗い道に吸い込まれていく後ろ姿とか覚悟と引き返したい気持ちとがせめぎ合ってるのが痛いほど伝わってきて見てるだけで苦しい15分だった」
「『ウデ、フトイ。アシ、フトイ』からの『錦織さん、どげんなっちょんですか！』で笑ってしまったけどラストどうしようもない表情で笑うトキにやられた」
「士族の女性なのに『異人の女中』を引き受けるまでの、トキの覚悟と押し殺した感情を演じる高石あかりの芝居に惹きつけられた」
特に多かったのが「切ない」「胸が痛い」「号泣」といった感情的な反応で、視聴者の7割以上がトキの犠牲と覚悟に涙したことが伺えます。
また、「貧困、差別の描写がえげつなすぎる」「朝ドラかほんとこれ！？（褒めてる）」といったように、朝ドラとしては異例のシリアスさとリアリティが評価されていました。
一方で、「ヘブン先生の『太い』発言に大炎上」「時代的な無意識の差別感覚がえぐい」といった批判的な視点も多く見られ、ドラマが提示する社会問題について活発な議論が交わされています。
まとめ｜第31話の見どころと今後の伏線
『ばけばけ』第7週第31話は、トキの覚悟と犠牲が描かれた重厚なエピソードでした。最後に、今回の見どころと今後注目したい伏線をまとめます。
【第31話の見どころ】
- トキの”優しい嘘”：三之丞に「傳おじさまからのお金」と嘘をつき、物乞いのタエを救おうとするトキの切ない決断。視聴者の涙を誘った名シーン
- 20円の重み：明治時代の20円は現代で20〜30万円相当。トキにとっては引き返せない覚悟の対価であり、雨清水家を救う希望の光
- ヘブン先生の女中試験：「腕太い、足太い」という失礼な発言が時代の差別意識をリアルに描写。「ラストサムライの孫」で態度が豹変する場面も話題に
- 高石あかりの神演技：暗い道を歩くトキの後ろ姿、自嘲的な笑顔から覚悟の表情への変化。ゆらゆらカメラワークと長回しでトキの心理を表現した演出も秀逸
- 三之丞の「これだけか？」：板垣李光人の繊細な演技が光る。このセリフに込められた複雑な心情が視聴者の考察を呼ぶ
- 物乞いになったタエの背景：士族没落という時代の波に飲まれ、路頭に迷う雨清水家。トキが女中になる決意を固めた理由がここにある
【今後注目の伏線】
今後の展開で注目したいポイントは以下の通りです。
- トキの嘘はいつバレる？：傳おじさまからのお金という嘘が、松野家や雨清水家にどう影響するのか。特に三之丞がタエに何と伝えるのかが気になる
- 女中生活の過酷さ：ヘブン先生の家でトキはどんな扱いを受けるのか。オープニングの「いちゃいちゃ」時代に戻れる希望はあるのか
- タエの今後：物乞いから脱却できるのか。20円で家を借りて暮らせるのか。母娘の再会シーンはあるのか
- ウメの反応：朝食を届けに来たウメがトキの女中姿を見た時の表情が意味深。ウメは以前この仕事を断った経緯があり、今後何か動きがあるかもしれない
- 錦織の役割：通訳として立ち会った錦織は、トキの状況をどこまで理解しているのか。今後トキを助ける存在になるのか
- 友一との関係：友一（吉沢亮）がトキの決断にどう関わっていくのか。オープニングで描かれる二人の幸せな未来は実現するのか
次回以降も目が離せない展開が続きそうです。視聴者の涙と考察を呼ぶ『ばけばけ』から、今後も目が離せません。
-
【ばけばけ第7週第34回ネタバレ感想】「ダキタクナイ」で朝から爆笑！ラシャメン誤解が生んだ神コント展開とは？三之丞のお金はどこから？タエの物乞いバレで明日はどうなる！
-
【ばけばけ第7週第33回ネタバレ感想】三之丞の闇落ち予感？三之丞はなぜタエを救わない？トキの大金が招く家族崩壊の恐怖
-
【ばけばけ第7週第32回ネタバレ感想】「トキ」女中初日の恐怖！”フトン”の誤解に視聴者心臓バクバク
-
【ばけばけ第7週第31回ネタバレ感想】トキが三之丞に嘘をついた理由とは？20円の価値と物乞いになったタエへの想い
-
【ばけばけ第6週第30回ネタバレ感想】トキの覚悟に涙が止まらない…「働くより物乞い」の残酷なプライドと家族愛
-
【ばけばけ第6週第29回ネタバレ感想】「私を社長にしてください！」三之丞の世間知らずに絶句…物乞いになったタエ様…トキの”恨めしい”決意に涙が止まらない
