連続テレビ小説「ばけばけ」第7週第33話が11月12日に放送され、視聴者の間に不安と恐怖が広がっています。ヘブン宅での初日を終えたトキは、言葉の壁から「遊女にされるのでは」という誤解を抱き、夜の遊郭を息を切らして走る姿が印象的でした。帰宅すると借金取りの森山が押しかけ、トキは家族の前で大金を支払います。その一方で、三之丞はトキから受け取った10円を母・タエに渡さず、タエは物乞いを続ける姿が映し出されます。司之介による不器用な尾行や、フミが新聞記事でヘブンの転居を知るシーンなど、家族の疑念が深まる展開に視聴者は「ハラハラが止まらない」「怪談のような怖さ」と反応しています。
「ばけばけ」第7週第33回のあらすじ
ヘブン宅での初日を終えたトキは、「行きましょう」という言葉を誤解し、遊女にされる恐怖を感じながら帰宅する。家では借金取りの森山が待ち構えており、トキは家族の前で大金を支払う。さらに外に出て森山に追加のお金を渡し、家族は驚きを隠せない。一方、寺で握り飯を恵まれたタエは一粒ずつ丁寧に食べるが、三之丞はその握り飯を犬に与えてしまう。翌日、司之介はトキを尾行し、彼女が花田旅館ではなくヘブン宅で働いていることを確認する。買い物に出たトキは、物乞いを続けるタエの姿を目撃し絶望する。その頃、フミは新聞記事でヘブンの転居情報を発見してしまう。
「行きましょう」の誤解が生んだ恐怖|トキの初日が怪談に
言葉の壁が招いた遊女への恐れ
ヘブン宅での初日を終えたトキ。辞書を見ながら「行きましょう」と告げるヘブンの言葉に、トキは一瞬固まります。
「今日終わり。終わり」
と続けるヘブンですが、トキにとってこの
「行きましょう」
という言葉がどこへ向かう意味なのか、理解するまでにかなりの時間を要しました。
視聴者の多くが「言葉の怪談」と表現したこのシーン。SNSでは「ヘブンが『行きましょう』と言い、松野トキが『帰っていいってことか』と理解するまで、かなり間がありました」という投稿が話題になりました。トキの表情には、一瞬「遊女にされるのではないか」という恐怖が浮かんでいたように見えます。
「ご苦労様」
とヘブンは続けますが、日本語を学び始めたばかりのヘブンの言葉は、トキにとって暗号のよう。この異文化コミュニケーションの難しさが、視聴者に不安感を与える演出となっています。
「あの帰ってえんですか?」
と戸惑いながらも、ようやく帰宅できることを理解したトキの安堵の表情が印象的でした。
遊郭の格子越しに見た生々しさ
帰路、トキは賑わう遊郭の道を歩きます。格子越しに見える遊女たち、男女の金銭のやり取り。自分も「あちら側」の人間になる覚悟で来たはずが、そうならずに済んだ。しかしその境目は紙一重だったのだと、トキは改めて実感します。
息が荒くなり、その場から逃げ出すように走るトキ。視聴者は
「格子越しの遊女達、金銭のやり取りをする男女。自分も『あちら側』の人間になる覚悟で来た、でもそうならずに済んだ。その境目はほんの紙一重なのだ」
と、この演出の意味を深く読み取っています。
家に帰り着いたトキは
「生きちょる」
と一言。勘右衛門、フミ、司之介が笑顔で迎える中、この短い言葉には「今日も無事に生き延びた」という重みが込められています。フミの
「頑張ったね」
という優しい声かけが、トキの緊張を解きほぐします。
しじみ汁を飲み、ご飯を噛みしめるトキの表情からは、食事ができることの幸せと、まだ見ぬ明日への不安が入り混じっていました。この静かな食卓のシーンが、次の展開への不穏な前触れとなります。
借金取りの森山登場|トキの大金が家族の疑念を呼ぶ
「こげの大金、どこから?」家族の前での支払い
食事の時間も束の間、借金取りの森山がやってきます。
「返してもらうけん」
「借金に朝も夜もない。これが親父の教え、森山家の家訓」
と、まくし立てる森山。勘右衛門は
「無礼者」
と物を投げつけますが、借金という現実の前では無力です。
その時、トキが立ち上がります。懐からお金を取り出し、
「ヘブン先生のおかげで、旅館はもうかっちゅう言ったでしょう」
と説明しながら、森山にお金を差し出します。フミ、勘右衛門、司之介は驚きを隠せません。
森山も
「こげの大金」
と目を見開きます。トキが一日二日働いただけで得られる金額ではないことは明白です。
「親父が生きてるうちに、返さんか」
と満足気な森山は、
「また来るけ」
と言い残して家を出ていきます。
視聴者からは
「一生かかっても返せない借金を抱えていても、娘が出どころのわからない大金を持っていたら却って不安になってしまう。借金取りでさえ何か異常を感じてしまう」
という投稿があり、この不自然な大金が逆に疑念を深める皮肉が描かれています。
さらなる追い銭…トキの覚悟と家族の動揺
家族が唖然とする中、トキは少し外へ出ます。三人は目配せをし合い、不安そうな表情を浮かべます。トキは森山を追いかけ、「これも」とさらにお金を手渡します。
森山は
「なしてこげに?」
と驚きの声を上げます。借金取りでさえ困惑するほどの大金。トキの
「お父上様には申し訳ございました。これからは毎月きちんと返しますけん」
という言葉には、家族を守るための必死さと、何か隠し事をしている後ろめたさが混在しています。
「必死に働いて」
と続けるトキに、森山は複雑な表情を見せます。このシーンについて視聴者は
「改めて考えると実に人間的だなと思う。このドラマでは世界の前提として、都合よくお金は湧いてこない」
と、リアリティのある描写を評価しています。
家族はトキの行動に疑念を抱き始めます。花田旅館でそこまで稼げるのか?何か別の仕事をしているのではないか?SNSでは「このせいで花田旅館で働いてないとバレた」「トキの『覚悟の退路断ち』が家族の疑念を呼び、ハラハラ感が強い」という声が多数上がりました。
三之丞の謎の行動|なぜ10円はタエに届かないのか
握り飯を犬に与える無造作な動作
場面は変わり、寺の境内。タエが腕を拭いています。近くには三之丞が座っており、お坊さんが
「よろしければ召し上がってください」
と、お恵みの握り飯を差し出します。
タエは
「連日連日、ありがとう。ごちそうさま」
と感謝を述べ、ご飯粒を一粒一粒、丁寧に食べます。その姿は、食べ物への感謝と、明日の食事も保証されない生活の厳しさを物語っています。
しかし、三之丞の行動に視聴者は衝撃を受けます。三之丞は恵まれた握り飯を、無造作に野良犬に与えてしまうのです。台詞はなく、視線と表情だけで描かれるこのシーン。母が一粒一粒大切に食べる横で、息子は食べ物を犬に与える。この対比的な演出が、三之丞の内面的葛藤を表現しています。
SNSでは
「三之丞が供え物の握り飯を食べそうになるシーンの意味をずっと考えてたけど、今日彼の状況が変わったことを表すキーアイテムとして握り飯が再登場するなんて。握り飯を食べなかったとき泣きそうだったから、復讐とかではなく、単純に生きる意味を失って早く死にたいと思ってるように見えた」
という深い考察が投稿されています。
「誇り高い母」への言い出せない葛藤?
タエは「いつものところ」へ物乞いに向かいます。三之丞はトキから受け取った10円のことを、タエに言えずにいるのです。もらったご飯を犬に手渡す三之丞の行動は、視聴者に様々な憶測を呼んでいます。
「三之丞が母にトキから貰ったお金の事を話してもいなさそう。誇り高い母にどう話したら受け取ってくれて新しく生活できるか悩んでるのか?受け取ってもらえないならいっその事『この金持って消えてしまおうか』なのか?その狭間で揺れてるのか…?」
という投稿が示すように、三之丞の心理は複雑です。
別の視聴者は
「よく考えたら三之丞、何かを貰ってもきちんとお礼を言うことをしないよね。先日のトキにも、今日のお坊さんにも。世間知らずというか、『そういう躾を一切受けて来なかった』、人を使うことはあってもそれに礼を言う暮らしをずっとして来なかったことの象徴なんだろうな」
と分析しています。
裕福な家に生まれ、使用人に囲まれて育った三之丞。両親からの愛情を受けられず、生きる術も教わらなかった末っ子。同情の余地はあるものの、母が物乞いを続ける現状を放置する姿に、視聴者の苛立ちも募ります。「今のところ史実のだめんず要素にちゃんと理由がつけられてて同情の余地がある感じにはなってますけれども」という声と、「今は受け取った金を懐に入れて自分だけ腹いっぱい食ってるロクデナシを見てる気分」という厳しい声が二極化しています。
司之介の不器用な尾行劇|家族の疑念が深まる朝
バレバレの尾行とツヨの気遣い
翌朝、トキが家を出ます。
「行ってまいります」
と声をかけるトキに、フミが
「今日も旅館の皆さんにくれぐれもね」
と見送ります。しかし、この言葉の裏には疑念が隠されています。
司之介が出てきて、トキの後を追います。トキが歩くと、後ろから司之介がついてくる。不器用な尾行に、トキは気配を感じて振り返ります。司之介は慌てて隠れますが、その姿は視聴者に微笑みを誘います。
花田旅館に着くと、平太が
「おときちゃん、ちょっとこっち手伝ってくれんかな」
と声をかけます。司之介はトキが本当に旅館で働いていることを確認し、
「本当に働いちょるがね」
と安堵の声を漏らします。
しかし、ツヨが同じことを何度も司之介に話しかけます。
「ホントにって何かね?昨日も見たでしょう」
と不思議がるツヨ。彼女は司之介の気を引いている間に、トキが別のところへ向かうことを可能にします。この何気ない会話の裏に、トキの機転が光ります。
「本当に働いちょるがね」父の安堵と新たな不安
司之介の確認によって、トキが花田旅館で働いているという事実は一応証明されました。しかし、あの大金の出どころは依然として謎のまま。
トキは無事にヘブン宅へ到着します。
「ヘブン先生おはようございます」
と挨拶するトキ。うめとヘブンを見送り、笑い合う二人の姿は、前日の緊張から解放された瞬間を表しています。
ツヨも
「それにしてもときちゃんよ、働いてくれるけど、助かる」
「ヘブン先生を一目見ようって、人がひっきりなしに来られるけど」
と、トキの働きぶりを評価します。
「こんなことならもっと早いことをお願いするんだったら」
という言葉を繰り返し伝え、司之介から気をそらします。
しかし、視聴者は知っています。トキは花田旅館とヘブン宅の二つの仕事を掛け持ちしていること。そして、その秘密がいつバレるのか。SNSでは「あとやっぱりあっさりバレましたね女中の件」「今週いっぱいで話纏めるつもりかしら」と、次の展開への期待が高まっています。
絶望のラスト|タエの物乞い姿とヘブン転居の記事
トキが目撃した変わらぬ現実
うめが
「ならおトキさん、今から買い物をお願いしてもいいですかね?」
と声をかけます。
「はい、もちろん」
と答えるトキ。
「お茶っ葉と先生のおたばこ」
を買いに出かけます。
道中、トキは物乞いのタエを見つけてしまいます。再び頭を下げ、物乞いをするタエの姿。
「なして…」
と驚くトキ。三之丞にあれだけの大金を渡したはずなのに、なぜタエは物乞いを続けているのか。
トキの表情から希望が消え、絶望が広がります。自分が必死に働いて稼いだお金は、タエを救うために三之丞に渡したはず。しかし現実は何も変わっていない。いや、もしかしたら三之丞は…。
視聴者は「三之丞ーーー!!!(そんなこったろうと思ってた)」と悲鳴に近い反応を示しています。「三之丞の肩を思わず揺すってやりたいくらい」という怒りと、「母に言えぬ理由ありそう」という同情が入り混じった複雑な感情が渦巻いています。
フミが発見した新聞記事の意味
一方、家ではフミがしじみを洗う際に使っていた新聞紙に、ある記事を発見します。それはヘブン先生が転居しているという内容。フミの視線が鋭くなります。
トキは花田旅館で働いていると言っていたはず。しかしあの大金。そしてヘブンの転居。点と点が線で繋がり始めます。フミの表情が物語るのは、娘への心配と、真実を知ることへの恐れ。
視聴者は
「更に母上に気づかれたことをおトキはまだ知らないのであった。明日もこえーよ」
とコメント。トキの秘密が家族にバレる日は、もう目前に迫っています。
この回のラストは、トキが絶望した様子で道を歩く姿で締めくくられます。タエを救えなかった無力感、家族に嘘をついている罪悪感、そして明日への不安。すべてが重くのしかかる、まさに「怪談のような怖さ」を感じさせる終わり方でした。
まとめ|第33話の見どころと次回への伏線
第33話は、トキの初日から始まる怒涛の展開でした。今回の見どころと次回への伏線を整理します。
今回の見どころ・伏線
- 言葉の壁が生む恐怖: ヘブンの「行きましょう」をトキが誤解し、遊女にされる恐れを感じる心理描写。異文化コミュニケーションの難しさを「怪談」のように演出
- トキの大金支払いで家族に疑念: 借金取りの森山に大金を支払い、家族が不審に思う展開。花田旅館での収入では説明がつかない金額
- 三之丞の謎の行動: トキから受け取った10円をタエに渡さず、握り飯を犬に与える姿。「誇り高い母」への葛藤か、単なるネコババか、視聴者の意見が二極化
- 司之介の不器用な尾行: 父親らしい心配から娘を尾行するも、バレバレの行動が微笑ましい。トキの機転でヘブン宅への移動はバレず
- タエの変わらぬ物乞い姿: トキが目撃したタエの物乞い継続。三之丞への10円は一体どこへ消えたのか
- フミが発見した新聞記事: ヘブンの転居情報から、トキの嘘がバレる予兆。次回以降の家族対立の火種に
視聴者からは
「このドラマの描写そのもの、脚本や映像(カメラアングルや照明全て)、音響…怪談になっているんですね。なんとも言えない不安感、心理的な怖さ」
「必要以上に言葉で語らず視線や表情なんかで話を進めていくのがすごく良い」
と、演出の緻密さを評価する声が多数上がっています。
次回以降、トキの秘密が家族にどう明かされるのか、三之丞はタエをどう救うのか(または救わないのか)、そしてヘブンとトキの関係はどう発展するのか。目が離せない展開が続きます。
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