「ちょっとだけエスパー」第5話が放送され、物語は一気に加速しました。四季が吹っ飛ばし系エスパーとして覚醒し、「Bit Five」が誕生。しかし、兆が告げた特別ミッションには「1万人の命」がかかっているという衝撃の事実が明らかに。そして、ダイバーシティでのヴィランとの対決、白い男の謎の介入、最後に訪れた四季の表情変化…。コメディからサスペンスへと一瞬で空気が変わるラストシーンに、SNSでは「心臓止まった」「震えた」と悲鳴が続出。今回は、第5話のネタバレあらすじから四季の正体、兆の真の目的まで徹底考察します。
ちょっとだけエスパー 第5話 あらすじ
文太のEカプセルを飲んでしまった四季にエスパーが発現。息を吹くだけで文太を吹っ飛ばす「吹っ飛ばし系エスパー」として覚醒し、5人のエスパー「Bit Five」が誕生します。しかし兆から告げられた特別ミッションには人の命がかかっていると判明。ダイバーシティで青いアタッシュケースを奪取する任務中、謎の大学生・市松たち「Young3」が立ちはだかります。エスパー同士の地味なバトルが繰り広げられる中、白い男が現れケースの中身は空っぽに。市松の「どうして1000万人が死ぬんだ、あんたのせいで」という言葉と、兆の「1万人を救う」という使命が交錯します。そして四季の記憶に兆の姿が浮かび、不穏な表情で第5話は幕を閉じました。
四季のエスパー発現!「Bit Five」誕生の記念すべき瞬間
第5話は、四季の誕生日祝いから始まりました。文太のEカプセルを飲んでしまった四季に、ついにエスパーが発現。ケーキの蝋燭を吹き消そうとした瞬間、
「フッ」
四季の息で文太は縁側まで吹っ飛ばされてしまいます。この瞬間、視聴者も「えっ!」と驚いたのではないでしょうか。
その後、たこっぴでは新しく生まれた「吹っ飛ばし系エスパー・四季」を迎え入れ、豪華なたこ焼きパーティーが開催されます。メンバー全員が自己紹介し直すシーンは、改めてそれぞれの能力のユニークさを際立たせました。
円寂は
「レンチン系エスパー。電磁波系」
とリモコンで水を39度に温め、桜介は
「撫で回すと花が咲く花咲系エスパー」
と花束を四季へプレゼント。半蔵は
「アニマルお願いエスパー!」
と青と黄色の蝶を呼び寄せ、文太は
「心が読めるエスパー」
と自己紹介。そして四季が前に出て、
「私には吹き飛ばすことしかできませんが、みんなちょっとよ」
と微笑みます。この謙虚さが四季らしくて愛おしいですよね。
そして半蔵が提案します。
「わたしたちこそ、四季ちゃんがいなかったらね、そんなふうに集まってませんよね」
半蔵も
「お前も超感じ悪かったしな」
と茶化され、和やかな雰囲気の中、カメラのセルフタイマーで記念撮影。
「Bit Five!ちょっとだけど、5人」
5人のエスパーと佐助がポーズを決めるシーンは、まさに「チーム結成」の記念すべき瞬間でした。SNSでも「Bit Five可愛い」「地味な能力だけど団結力がすごい」と好評でした。
しかし、この和やかなムードは長くは続きません。文太が切り出します。
「ちょっといいですか?四季さんのこと、ボスに話さないわけにはいかないんじゃない?」
四季のことを兆に報告すべきか、メンバーたちが話し合っていると、突然全員のスマホに兆からメッセージが届きます。「ボスの機嫌がいい時」を見計らおうとしていた矢先のタイミング。このミッション召集が、物語を大きく動かすことになるのです。
兆が告げた衝撃のミッション「1万人の命がかかっている」
ノナマーレ社長室。眉間に深いしわを刻んだ兆が、メンバーに告げます。
「最近、皆さんの周りで、変わったことはありませんか?」
この問いかけに、文太の脳裏には四季との日々が次々とフラッシュバック。薬を飲み、吹っ飛ばされ、手をつなぎ、お揃いのアクセサリーを買い、抱き締め、「愛してるよ」と言い、キスしそうになった自分…。視線が集中する中、文太は答えます。
「何にもありません」
嘘をつく文太の表情が切ないですよね。四季のことを隠し通す決意が見えました。
そして兆が本題を切り出します。
「来てもらったのは、特別なミッションの話です。気を引き締め、皆さんにある荷物を運んでもらう。中身はまだ言えませんが、そのミッションには、人の命がかかっています」
4人が目を見開きます。今までのミッションとは明らかに違う、重大なトーンでした。
文太だけが残されると、兆はさらに衝撃的な事実を告げます。まず、「未確認因子」の件について、文太が雇用される前の7月に問題が生じていたため、文太は無関係だと説明。そして、巨大な光る木「ディシジョンツリー」を見せます。
「世界を表すビッグデータ。ある場所で起こった出来事が、他の出来事に結び付き、複雑に絡み合って伸びていく。過去から現在、そして未来を形づくる」
兆はこの木を指さしながら、自分が「この2025年よりも」先から来たことを示唆します(セリフは途中で切れていますが、「未来から来た」ことを匂わせています)。
そして、今までのミッションが文太たちの近所の小さな範囲に集中していた理由を明かします。
「影響範囲を小さくするためです。間接的に少しずつ変化を積み重ねて、新たなジャンクションから…新たな、それを、未確認因子が邪魔している」
「ヒーローの敵、ヴィラン」
という言葉が初めて登場します。このヴィランのせいで予定が遅れており、小さな変化では間に合わない。大きな変化を起こさなければならないと兆は語ります。
そして、夜のビル前で文太が一人になった時、兆の言葉が文太の心に重くのしかかります。
「今から10年後、1万人が死ぬ。私はそれを止めたい」
文太は驚きます。
「1万人が死ぬ。はい、それはちょっとではないですね」
しかし兆は冷静に返します。
「ちょっとです。しかし、我々はちょっとだけエスパーであって、使命がちょっとだけとは言っていません。未来の1万人の命が、あなたの…1万人を、ちょっとだけ」
文太が反論します。
「ちょっとだけのはずでしょう」
この「ちょっとだけ」というドラマタイトルの言葉の意味が、ここで大きく揺らぎます。能力はちょっとだけでも、使命はちょっとどころではない。1万人の命という重さに、文太も視聴者も圧倒されました。
寝室で四季と並んで横になった文太は、天井を見つめながら呟きます。
「今日、とんでもない話があった。ご当地イベントだと思ってたのが、世界を股にかけた…」
四季は文太を励まします。
「何事も初めては経験がないってことで」
「ポジティブ」
そして四季が文太の腕に抱きつき、心の声で語ります。
「大型案件が失敗して、クビになったとしても、私が養ってあげる。だから安心して眠りたまえ」
この健気さに、文太は「はい」と答えますが、四季の寝顔を見やる表情は耐え忍ぶような苦しさに満ちています。愛する四季との関係が「偽りの夫婦」であることの罪悪感、そして1万人の命という重圧。文太の深いため息が、すべてを物語っていました。
円寂の壮絶な過去と「第三の人生」
特別ミッション前、円寂のアパートで四季と円寂が五平餅を焼きながら話すシーンがあります。ここで円寂の過去が明かされるのですが、このエピソードが非常に重要です。
四季が父親に文太の話をしたところ、「誰の話してるんだ」と言われたと告白します。出張で文太がいない間、円寂が四季の側にいたことに対し、父親は「四季を置いていくとはけしからん」と怒っていた、と。
「お父さんには言わない方がいい。やめましょう。文太さんも望んでないと思うの」
円寂がきっぱりと言います。
「今の生活、文太さんと私たち、こうして楽しいじゃない。お父さん、離れて暮らしてるんだし、四季ちゃんには四季ちゃんの生活があるんだから」
円寂が
「最近はどう?あの夢は?」
と四季に尋ねると、四季は思い出します。
「そういえば、見てない」
…頭から血を流し横たわる文太の回想が流れます。
「変な夢だよね」
円寂が答えます。
「そうよ、忘れちゃいましょう」
この「夢」が、実は四季の封印された記憶の断片である可能性が高いです。そして四季が円寂に尋ねます。
「四季ちゃんのエスパー、いずれボスに話すとして、ボスは四季ちゃんのお父さんには言うのかしら?」
「なんで、お父さん?だって、ボスってのなまーれの社長さんだよね」
円寂が慌てます。視線をさまよわせ、
「あっ、あ、いいの。私の勘違い。はい」
明らかに何かを隠しています。そして円寂の過去が語られます。
別のシーンで、兆と円寂が話します。円寂が確認します。
「Eカプセルを取りに来た。ボスと四季ちゃんのお父さんが、お知り合いで、お世話を頼まれたって記憶してたんですけど、違いましたっけ?」
兆は答えます。
「私は事情があって、ある人から面倒を見るよう頼まれました」
円寂が謝ります。
「ごめんなさい。じゃあ、もう勘違いして。」
「もし四季さんの相手が負担であれば、他の人に頼みますよ」
「そんなこと。四季ちゃん、とってもかわいくて、私の方がいつもお世話してもらってます」
そして円寂の過去が明かされます。夜、並んだ段ボールハウスの中に、円寂の住まい。兆が訪ねてきます。
「初めまして。ノナマーレの兆と申します」
円寂は警戒します。
「支援施設の人?世話にはならないよ」
「いえ、スカウトです。うちで働きませんか?」
円寂が寒さに震えながら外に出ると、橋の下に兆がいます。少し離れた場所に腰掛けて兆が語ります。
「あなたはかつて有能な秘書だった。しかし、業務上横領に手を染めた。詐欺罪に公文書偽造で10年の服役」
円寂が驚きます。
「あんた、結城の部下…よく顔を出したもんだね」
そして10年前の回想。スーツ姿の円寂と、男性(結城)が抱き合います。
「どうして私が出頭するの?」
「君がやったことじゃない!」
男性が答えます。
「あなたに頼まれたからでしょう。一緒に豪華な暮らしができて、喜んでたろう。あれは、あなたからのプレゼントでしょう。」
「奥さんとは別れられない、寂しい思いをさせる代わりにって、あなたが…」
「分かってる。分かってるよ」
結城が円寂を抱きしめます。
「帰ってきたら、今度こそ幸せになろう」
しかし橋の下に戻った兆が告げます。
「帰ってこないで…すみません、結城とは関係がないんです。しかし、すべての罪をかぶって服役したあなたに、彼は一度も面会に来なかった」
円寂が泣きそうになりますが、こらえます。
「私がバカで愚かだった。だからここで第二の人生を過ごしてる。あとは死ぬだけ」
兆が告げます。
「第三の人生を」
円寂の段ボールハウスを指さし、
「あの中に、カプセルがあります。あなたの未来がここから始まります」
そしてタコッピの縁側で、円寂が文太に告白します。スイカを食べながら、円寂が言います。
「私ね、殺したい!」
文太が驚きます。
「25で出会って、60歳まで35年間、35年間あいつに尽くした。骨の髄まで屈辱というものを味わった。塀の中、どうしたら、そればっかり。あいつを殺す。ここを出たら、あいつを殺した、私も死ぬ」
文太が手を重ね、首を横に振ります。
「そしたら35年どころじゃない。一生あいつに捧げることになる」
円寂が手を離します。
「バカバカしいわ」
文太が言います。
「俺たち、いいチームだよ」
顔を見合わせる二人。文太が続けます。
「円寂さんが思いとどまってくれてよかった。特別ミッション、頑張りましょう」
円寂が笑顔で首を縦に振ります。
このエピソードは、円寂がいかに壮絶な過去を持ち、兆に救われて「第三の人生」を得たかを示しています。SNSでは「円寂さんの過去が切ない」「高畑淳子さんの演技がすごい」と話題になりました。そして、兆がメンバーたちを救ってきた「救世主」のような存在であることも示唆されています。だからこそ、兆の「1万人を救う」という使命も、彼らは信じて従うのです。
Bit Five vs Young3!地味すぎるエスパーバトルの行方
いよいよ特別ミッション当日。お台場のダイバーシティモールで、青いアタッシュケースを奪取する作戦が始まります。
兆からの指示は明確でした。
「お台場のダイバーモールである組織が受け渡しを行う、青いアタッシュケースです。それを奪ってください。そのまま近くの海へ行き、ケースを海中に沈める。奪っても警察沙汰にはなりません。向こうは警察に届けることができないからです」
そして一同のスマホにメッセージが届きます。
「SPミッション。特別感あるわね。青いケースを奪い、ウイルステロを止めろ!ウイルステロを止めろ!この中に殺人…」
円寂が口を押さえます。
「制限時間20分。時間が来たら、ケースがボーン」
文太たちはダイバーシティで青いケースを持った男を発見。しかし、入れ替わりで2人の男(デニムにスニーカー姿)が現れ、ケースを手に取ります。
作戦会議が始まります。
円寂が男たちに近寄り、手には紙コップを二つを持ち、
「19度でこっちが36度、ほんのり違うんですけど、どっちがいいですか?」
お湯を浴びせ、その隙に桜介がケースを奪う」
「奪ったら追ってくるよね。追ってきたらタコ殴り?」
「通報されちゃうわよ」
「奪って走って海まで逃げ切れるか?」
「持久力ならない」
「じゃあ、3人でリレーしたら」
結局、リレー作戦で行くことに。しかし、走る半蔵が突然耳を押さえ、めまいに襲われます。リレーを受けた文太も、鼻水と涙が止まらなくなります。
「何だこれ…泣きながら走る」
リレーを受けた桜介も力が抜け、ひざをつきます。明らかに何者かの妨害です。
一方、タクシーで移動していた円寂と半蔵がウォーターフロントに到着。腕時計を見た桜介が「よし」とケースを持ち直すと、そこに現れたのが紫苑でした。
「なんでここに?」
紫苑が手を差し出します。
「そのケースちょうだい」
桜介が驚いて動けないでいると、文太たちが到着します。
「ありがとうございます」
と紫苑。そして青い車に市松と九条が待機しています。
紫苑が問いただします。
「縁日の爆発、俺、自作自演だったなんてがっかりで。早くそのケースくれよ」
桜介が答えます。
「これは危ない。何が…中に殺人ウイルスが」
紫苑が反論します。
「だから危ないのは、お前ら。ヴィラン」
紫苑が手をかざすと静電気が走り、桜介が倒れます。紫苑がケースを取り、青い車へ。文太がドアを開けてケースを引っ張り合うと、紫苑の静電気で文太が後ろにひっくり返ります。
市松がケースを奪い、車で逃げようとしますが、円寂がリモコンで車の電子サイドブレーキをかけます。九条が解除スイッチを押すが、
「だめ、動かない」
市松がケースを持って倉庫へ逃げ込み、追い詰められた3人が振り向きます。
「やつはたこ焼きオタクでもエスパーオタクでもない。俺たちの敵」
文太が言います。
「もしかすると、ですが…」
市松たちが首にかけたヘッドホンを耳へ。
「敵の方がかっこよくない?」
「俺もちょっと思ってる」
ヤングスリー、風格のある3人。ここから「Bit Five vs Young3」のエスパーバトルが始まります。
文太が叫びます。
「おい、若造、そのケースをよこせ」
文太が答えます。
「この中に殺人ウイルスと…」
市松が反論します。
「ウイルスと、ぼけるな!お前たちは、謎の組織の一味で、ウイルステロを起こそうとしてるんだろう」
市松たちが顔を見合わせます。
「そうはさせない。組織なんて入ってし、うちらはあんたらを止めたいだけ」
「お前らこそ、悪の組織じゃあ…」
円寂が反論します。
「私たちはむしろ世界を救う」
「そうだ。じゃあ、何でこのウイルスを海に沈めるんだよ」
文太がメンバーに尋ねます。
「なんで…」
九条が推測します。
「バイオテロか。海水で増殖する殺人ウイルスを作ったのかも。例えば、最近のビブリオ・バルニフィカスの遺伝子を使って…腸炎ビブリオが細菌、感染すると、猛烈な痛み、皮膚の腫れ、手足ない、し、口から入って敗血症になったら、致死率最悪80%」
円寂が震えます。
「怖…意味わかん」
「制限時間残り3分。危ないもんは一刻も早く海にぶち込む」
「おいやろう」
すると半蔵が叫びます。
「半蔵さんに…」
紫苑に忍び寄るフナムシたちがズボンをはい上がっていき、首元で「こんにちは」。
「な…」
紫苑がケースを落とします。すかさず九条が息を吸い、口を大きく開けます。耳を塞ぎ、崩れ落ちる桜介と半蔵。
「どうした…」
市松がケースを拾います。
文太がつかみかかります。
「年寄りにもスケートも聞こえないって」
「誰が年寄りこの野郎…」
文太は市松のモスキート音の影響で涙と鼻水が止まらず、
「お前が…この野郎!」
ヘッドホンをむしり取る文太。両手で耳を塞ぐ市松。文太が落ちたケースをつかむと、紫苑が奪います。
逃げる紫苑が、突然吹っ飛びます。振り向くと四季がいます。
「四季?」
九条も風で吹っ飛びます。市松が「こっち」と言うと、四季が息を吹きかけ、ケースが市松の頭上を飛びます。
キャッチした文太が海へ走ろうとしますが、市松が叫びます。
「どうして殺すんだよ?どうして…」
市松をつかんだ文太が一瞬動きを止めます。その隙にケースを奪い取る市松。横から桜介が殴り飛ばします。
転がったケースに桜介が近づくと、立ち塞がる人物。白い服の老齢の男(麿赤兒)が口を開きます。
「ジャンクションを、戻しに来た」
白い男が文太を見る、四季を見る、人差し指を九条へ向ける、紫苑へ、市松へ、一点を指さす。
すると雪が降ってきます。呆然と見上げる文太と四季。晴れた空から雪が静かに舞い降ります。白い男が指を鳴らすと、ハッとする一同。ポツンと残るケース。男も市松も九条も紫苑もいません。
桜介が紫苑のいた場所へ駆け寄ります。
「何が起きて…」
四季がケースに近づくと、文太が気づきます。
「危ない、四季、来て」
息をのむ文太たち。バックルが壊れていて開きます。ぼうぜんとする一同。
「何にも入ってない」
「何なんだ一体…」
このバトルシーンは、SNSで「地味すぎて笑った」「でもエグい能力もある」と話題になりました。市松の「脱水」能力で下半身を狙われるのはかなりヤバいですし、九条のモスキート音も効果的。紫苑の静電気も地味に強力です。一方、Bit Fiveの能力も連携すれば強い。特に四季の吹っ飛ばしはかなり戦闘向きですよね。
そして、白い男の登場と謎の雪。市松たちが消え去り、ケースの中身が空っぽだったという展開。ここから物語は一気にサスペンス色を強めていきます。
「1000万人が死ぬ、あんたのせいで」市松の言葉と兆の使命
ケースが空だったことに呆然とする文太たちですが、ここで市松の心の声が文太に響きます。
「どうして殺すんだよ。どうして…」
「1000万人が死ぬ、あんたのせいで」
そして兆の言葉が交錯します。
「1万人を…」
文太が空を見上げます。
この「1万人 vs 1000万人」という対立構造が、物語の核心です。兆は10年後に1万人が死ぬのを止めたい。しかし、市松は「1000万人が死ぬ、あんたのせいで」と言っている。
つまり、兆が1万人を救おうとする行為が、結果的に1000万人を死なせることになる、という「命の天秤」問題が浮上しているのです。
これは典型的なトロッコ問題であり、正義の相対性を問うテーマです。野木亜紀子脚本らしい、重厚な倫理的ジレンマが描かれています。
SNSでは「1万人と1000万人、どっちを救うべきなのか」「兆はヒーローなのかヴィランなのか」「市松たちの方が正義では?」と議論が白熱しています。
そして、追っていた男2人が文太たちをスマホで隠し撮りします。ノナマーレのステッカーが貼ってあります。
社長室でパソコンにメールが届きます。画面を見る兆。市松たちの写真が表示され、「未確認因子の現物を確認」というメッセージ。文太たちの写真も届きます。
そして兆の眼鏡の奥の瞳が、1枚の写真に吸い寄せられます。思わずディシジョンツリーを見る兆。広がるオレンジゾーン、きらめく光の枝。
ウォーターフロント、四季が空を見上げています。空から落ちてくる雪。やがて雪は灰に変わります。
そして映像が切り替わり、路上に降り注ぐ灰、立ち込める白煙、ゆがんだ電柱、電線が火花を散らしています。地面に投げ出された足。アスファルトに影が横たわります。
頭から血を流しているのは兆です。
兆が目を開けます。これは未来のビジョンなのか、過去の記憶なのか。
ここで第5話は終わります。次回予告では、「木崎さんに会ったことありますか?」という言葉が流れ、四季の記憶が戻る可能性が示唆されています。
四季の記憶に兆の姿が…?不穏すぎるラストシーン【考察】
第5話で最も話題になったのが、ラストシーンの四季の表情変化です。
寝室で、文太と四季が並んで横になっています。文太が言います。
「今日、とんでもない話があった。ご当地イベントだと思ってたのが、世界を股にかけた…」
四季が励まします。
「何事も初めては経験がないってことで、ポジティブ」
文太が答えます。
「四季ちゃんが漬物石ぐらい重いなら、自分はエクサバイト」
四季が聞きます。
「すごいってこと?」
「な…この四季ちゃんにも嫌われる」
四季が微笑みます。
「お互い、重いなら嫌われるとか考えなくていいし、ポジティブに」
「あったね、約束したね」
四季が文太の腕に抱きつきます。心の声で語ります。
「大型案件が失敗して、クビになったとしても、私が養ってあげる。だから安心して眠りたまえ」
文太が「はい」と答え、目を閉じる四季。距離が近いベッドで、文太は四季の寝顔を見やりますが、耐え忍ぶような表情で顔を戻します。
ここまでは温かく、少し切ないシーンでした。しかし、四季の表情が突然変わります。
四季の記憶がフラッシュバックします。見ている映像では明示されていませんが、おそらく四季の脳裏に「本当の夫」の顔が浮かんだのでしょう。そしてその夫の顔が、文太ではなく、兆に変わったのです。
四季の表情が一瞬で不穏なものに変わります。笑顔が消え、何かに気づいたような、恐怖とも困惑ともつかない表情。
SNSでは、
「四季のラスト一瞬で空気変わった。笑ってたのに心臓掴まれた感覚。兆の影がどんどん濃くなってる…」
「四季ちゃんの視線ひとつで空気変わる。笑いから一瞬で不穏…引きずる怖さ。先が気になりすぎるやつ」
「四季の悪夢の顔ほんと無理。急に空気変わるの心臓止まる。兆の不穏さレベル上がってた」
と、視聴者の悲鳴が続出しました。
宮崎あおいさんの演技が素晴らしく、一瞬の表情変化でコメディからサスペンスへと空気を変えてしまう技術に脱帽です。
【考察:兆は四季の本当の夫なのか?】
視聴者の間で最も支持されている説が「兆=四季の本当の夫」説です。根拠は以下の通りです。
- 兆の「愛してはいけない」というルールの意味 兆がエスパーたちに課した「愛してはいけない」というルールは、自分自身への戒めだった可能性があります。つまり、兆自身が四季を愛しているが、使命のために愛を封印しなければならない、と。
- 四季の記憶喪失と夫の不在 四季は記憶を失っており、「本当の夫」のことを覚えていません。しかし、記憶の奥底には夫の存在が刻まれており、それが兆の顔として浮かび上がった。
- 兆が未来人である可能性 兆は「この2025年よりも」と言いかけており、未来から来たことを示唆しています。未来の兆が、過去に戻って四季を救おうとしている、というSF的展開が考えられます。
- 1万人の中に四季がいる? 兆が救いたい「1万人」の中に、四季が含まれている可能性があります。つまり、兆は妻・四季を救うために過去に戻り、ディシジョンツリーを変えようとしている。
- 「愛してはいけない」理由 もし兆が四季の夫だとすれば、今の四季は記憶を失っており、兆のことを覚えていません。兆が四季に近づけば、彼女の混乱を招き、計画が狂う可能性があります。だからこそ、兆は「愛してはいけない」と自らに課し、文太に四季を託したのかもしれません。
この説が正しければ、兆の行動すべてに説明がつきます。そして、四季の記憶が戻った時、文太と四季の関係はどうなるのか。切ない三角関係が待ち受けていそうです。
SNSでは「兆と四季の関係が切ない」「岡田将生の不穏な演技がヤバい」「これは泣ける展開になりそう」と、次回への期待が高まっています。
桜介と紫苑の関係、そして大助の葛藤
もう一つ見逃せないのが、桜介と紫苑の関係性です。
花屋の前で、文太と桜介が話します。桜介が水やりをしながら、文太が言います。
「四季ちゃんがさ、心から力いっぱい旦那のことを思ってる。この俺を」
桜介が答えます。
「のろけかよ」
文太が悩みを打ち明けます。
「旦那のふりして、旦那への愛をもらい続けていいのかな?」
桜介がきっぱりと言います。
「つまんないこと言ってんな。バレなきゃいいんだよ。」
「桜介君、その犯罪思考辞めたほうが良いよ…」
「四季ちゃんは、お前がいた方が幸せなんだから、それでいいだろ。騙せばいいんだよ。必死で隠し通せよ」
そこに紫苑が登場します。
「おはよう」
「おはようございます」
「行ってらっしゃい」
紫苑が会釈して去ります。桜介が文太に言います。
「父親だっていうわけだろ。俺は花屋のおじさん。俺は必死で隠し通す。死ぬまで花屋のおじさんでいる。あいつをだまし通す。だからお前も頑張れよ」
文太は眉をハの字にします。
桜介もまた、紫苑という息子の存在を隠し、「花屋のおじさん」として生きている。その葛藤と覚悟が、文太の悩みと重なります。
そして、ウォーターフロントのバトルで、紫苑が消えた時、桜介が駆け寄るシーンは印象的でした。息子を失ったかもしれないという恐怖と、それでも「花屋のおじさん」を演じ続けなければならない桜介の苦悩。ディーン・フジオカさんの演技が光りました。
桜介と紫苑の関係も、今後大きく動きそうです。紫苑がYoung3のメンバーであることを知った時、桜介はどう反応するのでしょうか。
まとめ
「ちょっとだけエスパー」第5話は、物語が一気に加速した回でした。見どころと今後の注目ポイントをまとめます。
- 四季が吹っ飛ばし系エスパーに覚醒し、「Bit Five」が結成。5人のちょっとだけエスパーたちのチーム感が最高でした。
- 兆が告げた「10年後に1万人が死ぬ」という使命。ちょっとどころではない重大なミッションの全貌が明らかになりつつあります。
- Bit Five vs Young3のエスパーバトル。地味な能力同士の戦いがコミカルでありながら、それぞれの能力の使い方が工夫されていて面白かったです。
- 「1万人 vs 1000万人」の命の天秤問題。兆が1万人を救おうとすることで1000万人が死ぬ可能性が示唆され、正義の相対性というテーマが浮上。
- 四季の記憶に兆の姿が浮かぶ不穏なラストシーン。兆が四季の本当の夫である可能性が高まり、今後の三角関係の行方が気になります。
- 円寂の壮絶な過去と「第三の人生」。高畑淳子さんの演技が素晴らしく、兆がメンバーたちをどう救ってきたかが明らかになりました。
次回第6話では、四季の記憶が戻る可能性が示唆されており、「不自然死」というキーワードも登場。野木亜紀子脚本らしい伏線回収に期待が高まります。兆の正体、四季の本当の過去、そして1万人と1000万人の運命。すべてが交錯する展開から目が離せません!





