【じゃあつく第8話】化石母が来ちょん!マザコン自覚の勝男と親世代の呪縛に涙

2025年11月25日放送の「じゃあ、あんたが作ってみろよ」第8話「化石母が、来ちょん!」は、勝男(竹内涼真)の母・陽子(池津祥子)が突然家出してくるという衝撃展開。母の「心の中に部屋がある」という切ない告白に視聴者が号泣し、SNSでは「アラフィフオバサンには沁みた」「やりきれなさを感じる」と共感の声が殺到しました。一方、鮎美(夏帆)はメキシカンフェスの料理担当となり、椿(中条あやみ)から勝男の想いを聞かされて戸惑う展開に。勝男の「俺マザコンなのかも」という自覚と、鰹節を削りながら親子で向き合うシーンが「親世代の家父長制的な呪縛」を丁寧に描き出した神回となりました。

目次

「じゃあ、あんたが作ってみろよ」第8話 あらすじ

勝男のもとを訪ねてきた母・陽子は、父・勝(菅原大吉)との間で何かあった様子で家出してきました。良かれと思って勝手にスーツをクリーニングに出したり、古い調理器具を新調したりと、陽子の過干渉に勝男はイラつきます。なかなか帰らない陽子に対策を考えた勝男は、椿(中条あゆみ)に彼女のフリを頼むことに。一方の鮎美は、渚(サーヤ)からメキシコ料理の制作を依頼され、太平(楽駆)のバーで偶然椿と出会います。そこで椿から勝男が今でも鮎美を思っていると聞かされ、「想いが戻ったりはしないのか」と問われて戸惑ってしまいます。

勝男母・陽子の突然の家出に困惑する息子

第8話は、勝男の玄関前で意を決してドアノブに手を置くシーンから始まります。

「今日こそ、今日こそ言わねば」

と自分に言い聞かせる勝男ですが、家に入ると母・陽子が作った料理が並んでいて、結局何も言い出せません。

「母さん、ちょっと話があるんだけど」

と切り出そうとするものの、

「ほら、筑前煮。カツオが好きやけん作ったんよ」

という陽子の言葉に遮られ、言葉を飲み込んでしまいます。食卓に両肘をつき考え込む勝男の姿が、多くの視聴者の共感を呼びました。

良かれと思っての過干渉がストレスに

勝男が困惑するのは、陽子の過干渉ぶり。ある日、綺麗に畳まれた洗濯物を見て

「ありがとう」

と言うと、

「それとクローゼットに入っちゃったしわっぽいスーツクリーニングに出したけん」

と告げられます。

さらにキッチンには新品のまな板と包丁が。

「古くなっちゃったけん買ってきたと」

という陽子の言葉に、勝男は複雑な表情を浮かべます。母の好意は理解できるものの、

「季節ごとに、ちゃんとクリーニング出さんと、やっぱりこういうことは、女の人がおらんと、なかなか気づけんよな。早くお嫁さんが見つかるといいんやけど」

という発言に、価値観の違いを感じずにはいられません。

「いつまでいるんだろう」本音を言えない勝男

夜、1人でいる勝男は締まった寝室の方を見て、

「いつまでいるんだろう」

とつぶやきます。職場では白崎(前原瑞樹)に

「帰ってくれって、口が裂けても言えない」

という勝男。

上司の髙田の

「母さんの手料理が食べられるなんて羨ましいよ。俺はもうずっと…」

という言葉に、勝男は自分の状況を客観視し始めます。髙田が

「嫁が俺の実家から嫌がってさ。だから、母さんの手料理を長いこと食べられてない」

と明かすと、

「マザコンや」

「マザコンじゃない」

という会話が展開。この何気ないやり取りが、後の勝男の自己認識へと繋がっていきます。

「心の中に部屋がある」母の切ない告白に号泣

第8話で最も話題となったのが、陽子の

「実はね、秘密で1人用の部屋を借りちゃってんの。心の中に」

という告白シーンです。このセリフに続けて

狭いけど、海が見えてね。その部屋をもっちゃんと私は我慢できる

と語る陽子の姿に、多くの視聴者が涙しました。

我慢してきた親世代のリアル

陽子は鮎美との会話の中で、自身の結婚生活について赤裸々に語ります。

「夫はね、王子様やったんよね。結婚したばっかりの時ね」

と振り返りながら、

「付き合い始めの頃は、手紙もいっぱいくれて」

「素敵ですね」

「お姫様になるんだって。はしゃいじゃった」

と当時を懐かしみます。

しかし現実は厳しいものでした。

「でも、子育てって想像以上に大変でね。おばあちゃんの介護も重なって、お父さんの心ない言葉に、傷つくことも多かった」

と吐露する陽子。

「私の人生本当にこれでいいん?幸せな瞬間もたくさんあったけど、今はっち。やり切れん気持ちになるんよ」

という言葉には、親世代が抱える複雑な感情が込められていました。

義母からの

「孫はまだかとか一姫二太郎にしろとか言われて嫌やったんに」

というプレッシャーを受けていたにもかかわらず、

「私にばか無理なんだよ。押しつけて」

と自分も同じことを椿にしてしまったことへの後悔も滲みます。

「米の研ぎ方から配膳まで、いちいち口出してきたし、お父さんが飲み歩いてたら、ごはんがおいしくないけん、うちに帰って来んのじゃろ?私はあんなふうにはなりたくなかった」

という告白は、家父長制の呪縛を象徴する重要なセリフとなりました。

SNSで「アラフィフに沁みた」と共感の嵐

このシーンに対してSNSでは、

「お母さんが『秘密で1人用の部屋を借りてるの、心の中に』って言うシーンで号泣した。狭いけど海が見えて…って想像して語る姿が本当に泣ける。そうやって気を紛らわせて我慢して頑張ってきたんだなって。アラフィフオバサンには沁みた」

という投稿が大きな反響を呼びました。

また

「『じゃあ、あんたが作ってみろよ』第8話。息子の目線から、親世代の家父長制的な呪縛を『料理』で解放させる挑戦的な物語でした。ただ、お母さんの『私は心の中に部屋があるから大丈夫』旨の発言にはやりきれなさも感じる」

というように、感動と同時に親世代が強いられてきた我慢への怒りを示す声も目立ちました。

ヴァージニア・ウルフの『女性とお金と部屋』を想起させるこの展開は、ジェンダー考察を好む視聴者層の心を強く掴み、ドラマの社会的なメッセージ性を際立たせる結果となりました。

メキシカン春巻きと鮎美の無意識の嫉妬

勝男の家族問題と並行して描かれたのが、鮎美のメキシコ料理チャレンジと、揺れ動く心情です。

渚からの依頼で料理に挑戦

鮎美は渚から

「フェスで出すメキシコ料理作ってくれない?」

と頼まれます。最初は

「友達に振る舞うぐらいだったらいいけど、そんなお金取れるレベルじゃないよ」

と躊躇する鮎美でしたが、渚の

「アユメロのタコス食べたい」

という言葉に心が動きます。

「でもでもできるかどうか置いといて、やりたいかやりたくないかで言うと、やりたいんじゃない?」

と問いかける渚に素直な気持ちを口にする鮎美。

「やりたい!」

と言い、

「お願いします」

と頭を下げる渚の姿に、鮎美は料理への情熱を再確認します。

自宅で作り方を見ながら綿棒で生地を伸ばす鮎美。レシピの綺麗な円形の生地と見比べて

「何で北海道になるの?」

とつぶやく姿は、リアルな苦労を表現していました。隣部屋から猫の騒ぎごえが聞こえると、スマホのマイプレイリストから「猫専用落ち着き音楽」を再生して気持ちを落ち着かせる演出も細かく、視聴者から「可愛い」と好評でした。

試作を重ね、太平のバーで椿に試食してもらった鮎美は

「でも作ってみてさ、ちょっとこれ1枚1枚焼いてたら大変すぎるかも」

と悩みます。太平が

「生地は買うっていうのは?」

と提案しますが、鮎美は

「それだと作った感がなさすぎる」

と却下。最終的に春巻きの皮を使った「メキシカン春巻き」という斬新なアイデアに辿り着きます。

椿との出会いで揺れる鮎美の心

バーで偶然椿と出会った鮎美は、驚きの事実を知らされます。椿が

「カツオは鮎美さんと別れた後も、ずっと一途で…」

「いやいや、そんなことは」

と鮎美は動揺を隠せません。

鮎美は

「あゆみさんは、どんなことがあっても、自分の手でなんとかする。そんな鮎美さんだから。僕は好きだったんです」

と勝男が顔合わせで語ったことを思い出します。そして渚が

「元彼はより戻したいと思ってるわけだ」

と呟くと、椿が

「あゆみさんは思いが戻ったりしないんですか?」

と核心を突く質問を投げかけます。

「いやいや、いやいや。もう終わったことだし」

と否定する鮎美でしたが、

「そっか。今のカツオ結構いいと思うんだけどな」

という椿の言葉に、何かを感じている様子。

その後、バーの階段を下りていく勝男の背中を見つめる鮎美の表情が印象的でした。立ち止まり、ゆっくりと振り返って勝男の背中を見る鮎美。この演出に視聴者は「無意識の嫉妬」を感じ取り、SNSでは「あゆめろ…こっちに気持ち向いてるのか」「良くないなぁ…今更そんなこと言うんだね」といった恋愛考察が盛り上がりました。

実家から野菜が送られてきた鮎美が、勝男の家を訪れて

「この前迷惑かけちゃったから、カツオさんにと思って」

と野菜を渡すシーンでは、椿が去ったばかりの状況。鮎美の笑みが一瞬消えていく表情に、多くの視聴者が「復縁フラグ」を予感しました。

椿を偽彼女に!勝男の苦肉の策が裏目に

なかなか帰らない母に困り果てた勝男は、ある作戦を思いつきます。

椿の協力で彼女のフリ作戦

職場で白崎に相談した勝男は

「いいこと思いついた。南川に彼女のふりをしてもらう」

と提案されます。

「なんで私が」

と拒否する南川に対し、白崎は

「だって彼女ができたら帰ってくれるんですよね」

と必死に食い下がります。

「それいいじゃん、いいないいな、それでいい」

と賛同する勝男でしたが、髙田は

「南川さんは彼女だとお母さん、もっと心配するって可能性ない?」

と冷静に指摘。

「どういう意味ですか?それ」

と憤慨する南川に、勝男は思わず

「頼む」

と頭を下げます。

しかし南川は

「絶対嫌です」

と拒否。

「なんでなんでじゃあ俺どうすればいいの?」

とパニックになる勝男に、

「知りません。自分で考えて」

と突き放します。そこで

「やってあげなよ」

という話になり、勝男は

「彼女のフリしてくれる人なんていないよ」

と途方に暮れます。

結局、椿が協力してくれることになり、陽子の前に

「初めまして椿です」

と現れます。

「うわ!背が高くてきれい」

と感激する陽子に、椿は

「すっごいレアな限定感」

のお土産を渡して好印象を与えます。

母の「高齢出産は大変」発言に気まずさ全開

椿が料理を手伝う中、陽子は

「こういうのは、女の子の方がセンスあるけんね」

と言いながら、

「普段、イタリアンばかりで…和食はちょっとわからなくて」

という椿に対して、

「でも、和食が一番体に良いけん。結婚するなら作れるようにならんとね」

とアドバイスします。

さらに

「それでカツオとはいつ結婚する?」

と直球で聞いてきて、

「まだ付き合い始めたばかりで」

と答える椿に、陽子は

「田舎者やけん息子が独り身なんがずっと心配なんよ」

「でも早い方がいい。高齢出産は大変やけん。2人とももういい年齢やろ。あんまりだらだらお付き合いしちゃっててね」

と畳みかけます。

この発言に、椿と勝男は気まずい表情。

「母さん」

と止めようとする勝男でしたが、陽子の価値観の押し付けは続きます。この一連のシーンについて、後に椿が

「愛されるのも大変だね」

とコメントする場面が印象的でした。

陽子は後で

「ごめんね。おせっかいなこと言っちゃったよね」

と反省し、

「でも、出産とか年齢のこととかはちょっと」

「私ね、姑に散々、孫はまだかとか一姫二太郎にしろとか言われて嫌やったんに」

と自分も同じことを言われた経験を吐露。

「一姫二太郎にしろって無理でしょう。遺伝子操作しろって感じですね」

という椿の冷静なツッコミが、このシーンのユーモアを生み出しました。

「俺マザコンなのかも」勝男の自己認識と成長

偽彼女作戦が功を奏さず、勝男はついに母と正面から向き合うことを決意します。

鰹節を削りながら見つめる親子関係

椿を送った後、野菜を持ってきた鮎美とすれ違った勝男。家に戻ると、陽子が

「本当は椿ちゃんと付き合っちゃらんのやろ?」

と見抜いていました。

「何で?」

と聞く勝男に、陽子は

「見ちゃったらわかるわ。そのくらい」

と答えます。

勝男は意を決して本音を伝えます。

「家事をしてくれることはありがたいんだけど、今は全部1人でやりたい。女の人がいる方が安心できると思うかもしれないけど。1人で大丈夫になりたい」

と告げる勝男。

しかし言葉が足りず、陽子は傷ついた表情で洗い物を続けます。

「ごめん…」

という陽子に勝男は

「謝ってほしいとかそういうことじゃない!」

と焦ります。陽子は

「カツオは本当のこと言えんかったやん。知らんうちにプレッシャーかけちゃったんやな」

と自分の行動を反省します。

翌朝、陽子は置き手紙を残して実家に帰ろうとします。しかし鮎美が偶然見かけて

「お母さん」

と声をかけ、一緒にショッピングへ。鮎美は陽子の話を優しく聞き、

「でも、何歳でも何かを変えるのは大変か。あゆみちゃんもカツオと別れる時、勇気いったんやない?」

と聞かれて、

「言ってもどうせ伝わらないって、最初から諦めちゃってて、でも今思うとちゃんと話をしてたら、違う選択肢もあったのかなって」

と過去を振り返ります。

陽子も

「2人の暮らしは2人で決めるもんやもんな。親がそうやけんとか、世間一般がどうとかじゃなく、料理だって、人のやり方が正解とは限らんも」

と気づきを得ます。

一方、家では勝男が鰹節削り器を取り出し、不器用ながらも鰹節を削り始めます。最初は

「何でこれ」

「粉っぽく削れ難しい」

と苦戦しますが、朝早く起きてきた陽子が

「かつお節から作ろうとしおんの?貸してみ?」

と手を添えてくれます。

「おばあちゃんに教え込まれたんよ。私やって」

という陽子に、勝男は

「いや」

と自分で続けようとします。

「私たちは親子だけど大人同士でもある」

ふんわりと削れた鰹節で味噌汁を作り、朝食の準備をする勝男と陽子。

「おいしい。削りがつおからのみそ汁なんていつぶりやろ」

と感動する陽子に、勝男は

「この前、俺が実家へ飲んだおみそ汁って…」

と聞くと、陽子は

「あれはだしからとっちょに」

と確認します。

陽子は笑いながら

「でも、ふだんお父さんにはインスタント」

と告白。

「偉そうに文句つけるくせに気づいちゃらんの?心の中でバカにするのが私のささやかな復讐なんよ」

という言葉に、母のしたたかさと我慢が垣間見えました。

勝男は椿との会話を思い出しながら

「いや、俺さ、ちょっとマザコン気味なのかも。この前、椿が困った顔してたの分かっててさ。何も言い出せなかったんだよね。何か母さんが自分を犠牲にして、俺たちのことを育ててくれたんだなって思うと」

と正直に打ち明けます。

陽子は優しく

「ねえ、何も気にせんでいいんよ。好きで育てたんやけん」

と答えますが、勝男は

「そうなんだけど。でもさ」

と言葉を続けます。

そして陽子が重要な言葉を口にします。

「私たち親子やけど、大人同士でもある。私ももう、その世話を焼きすぎん!カツオも私に困ったらちゃんと言う」

この発言に対し、SNSでは

「勝男の弱さと優しさ、相手を思いやる気持ち。変わった所と変わらない所が沢山描かれていた家族回。母親を否定せず、変わりたい気持ちを言葉にする勝男がとても良い」

と高評価が相次ぎました。

この会話の流れで、陽子が

「実はね、秘密で1人用の部屋を借りちゃんの。心の中に。狭いけど、海が見えてね。その部屋をもっちゃんと私は我慢できる」

と打ち明けるシーンに繋がり、視聴者の涙を誘いました。

父・勝の不器用な愛情表現

勝男と陽子の関係が少しずつ変化する中、父・勝も動き出します。

充電の仕方を聞きに東京まで

陽子が鮎美とショッピングを楽しんでいる頃、勝男の家に突然現れたのは父・勝でした。

「父さん、何で?」

と驚く勝男に、勝は

「おう、入るぞ」

とだけ言います。

実は勝は、鷹広から陽子の居場所を聞いていました。

「母さんがここにいるって知っててきたの?」

という勝男の問いに、

「おお!鷹広から聞いた」

と答える勝。

「じゃあ、母さん、迎えに来たってことね」

と期待する勝男でしたが、

「そんなわけあるかって」

と否定。

「じゃあ何しに来たの?」

と聞くと、勝はカバンを手に取り、

「いつもお母さんがしおるけ、やり方わからんのや?」

と告白します。

なんと勝は、受話器の充電の仕方を教えてもらいに、わざわざ大分から東京まで来たのです。

「わざわざこのために来たの?」

と呆れる勝男でしたが、この不器用な愛情表現に視聴者は「可愛い」「素直になれない父親のリアル」とSNSで盛り上がりました。

フリーズドライ味噌汁の伏線回収

勝が家で1人になった時、キッチンの布をめくると、そこにはフリーズドライの味噌汁がありました。この発見が、後の展開への重要な伏線となります。

勝が来たことで、勝男は父に味噌汁を出します。陽子が作ったものではなく、勝男が鰹節から削って作った味噌汁です。

「男はどっしり座っとけじゃないの?」

という陽子の言葉を思い出しながら、勝は

「お前が作ったんやけ?最後まで責任持て」

と言いますが、これも不器用な愛情表現。

味噌汁を飲んだ勝の

「悪くない」

という一言に、勝男は少しだけ嬉しそうな表情を見せます。そして勝がおかわりをしようとした時、今までなら陽子がすぐに注いでいたところを、

「お前が作ったんやけ?最後まで責任持て。おかわり」

と勝男に言います。

この小さな変化に、勝男と陽子は目を合わせます。勝は罰が悪そうに陽子をチラリと見ますが、これが父の「変わる一歩」でした。SNSでは

「失言連発のあとに反省する母も、小さな一歩だが態度を改める父も、そのスピード感は、かつての勝男の重なり、変わる未来を想像させる似た親子だよな」

という考察が注目を集めました。

陽子の帰宅と家族の小さな変化

鮎美と過ごした時間で気づきを得た陽子が帰宅すると、そこには勝もいました。

「自分の食べたいもんだけ作る」宣言

「ただいま、ごめんね。心配かけて」

と帰ってきた陽子を、勝男は温かく迎えます。そこに勝がいることに

「もう信じられん。充電のしかたはわからんくて、東京まで来たっち」

と呆れる陽子でしたが、その表情は柔らかいものでした。

陽子は決意を固めて宣言します。

「これからは家事もせん。お父さんのご飯も作らんし、自分の食べたいもんだけ作って食べる」

この発言に、勝男は

「父さんは母さんに帰ってきてほしいんだよ。素直になれないだけっていうか。だって、鷹広兄さんに母さんの居場所を聞いてたからね」

とフォローします。

陽子は鮎美から聞いた話を思い出し、

「私の時代は結婚しない女は不幸、男は結婚して1人前みたいに思われちゃった。でも、炊き込みごはん冷凍して食べるっち言いよった椿さんは、寂しそうやなかったし、あゆみちゃんもあなたと一緒の時より何か」

と言いかけて視線をそらします。

そして勝男が綺麗に畳んで置いてある洗濯物に気付いた陽子は、

カツオも、1人で1人前になろうとしよるんやね

と息子の成長を認めました。

父が「おかわり」を勝男に言う一歩

その夜、勝男は勝と久しぶりに2人で布団を並べて寝ることに。

「お前と寝るのは初めてやねぇよ。お前が小さい頃、毎日俺が、寝かしつけちゃった。2歳までな」

と昔を振り返る勝。

「そのころは、じいさん倒れて会社継ぐことになって、朝から晩、働きつめになったんやけ?」

という勝の言葉に、

「当たり前や家族に何不自由なく生活させることが、俺の責任の」

という価値観が表れます。寝室で聞いている陽子の表情が、複雑な心境を物語っていました。

翌朝の食卓では、勝男が作った冷奴に大根おろしと鰹節をのせた料理が並びます。

「これ、全部カツオが作ったんよ」

という陽子の言葉に、勝男は

「うまいかわかんないけど」

と言います。勝は味噌汁を飲み、勝男に

「どう?」

と聞かれて

「悪くない」

と答えました。

白米を食べ終えた勝が茶碗を陽子に差し出そうとして、やめます。そして勝男に向かって

おかわり

と言います。この小さな一歩に、勝男と陽子の視線が注がれます。

メキシカンフェス当日と新たな展開

物語は勝男の両親の変化だけでなく、鮎美のメキシコ料理への挑戦と、恋愛関係の微妙な変化も描きます。

メキシカン春巻きが大好評

メキシカンフェス当日、オンボロのバーではホットプレートでメキシカン春巻きを焼く鮎美の姿が。春巻きの皮にタコスの具を入れた斬新なアイデアは大好評で、

「これ、焼きたてだから気をつけて」

と配る鮎美は充実した表情を見せています。

勝男が食べて

「これはもうあれだね、冷たいと熱いのダブル攻撃だね」

とコメントし、渚も

「なんか一周回って、あの2人スタートラインに立った感じしない?」

と勝男と鮎美の関係に言及します。

復縁の予感?勝男への新たな視線

次回、鮎美が勝男に

「カツオさん、戦略不器用でも今の方がいい」

と言います。そして

「もう一度思いを伝えてみたら」

というセリフ。

この言葉が示唆するのは、勝男の成長を周囲が認めているということ。親との関係を見直し、1人で料理を作れるようになり、素直に自分の気持ちを言えるようになった勝男は、確実に変化しています。

SNSでは「まじで竹内涼真当たり役じゃない??(8回目)」という投稿が示す通り、勝男というキャラクターと竹内涼真の相性の良さが改めて評価されました。また

「勝男がまともになってきたので爆笑することは減ったけど勝男がメロい。南川が『試しに裂いてみましょうか』って言った時に『じゃあ頼む』って顔出した時も彼女のフリを『頼む』って言ってきた時も南川乙女の顔してた!」

という細かい演技への評価も見られました。

6. まとめ:第8話の見どころと伏線

第8話「化石母が、来ちょん!」は、親世代の価値観と現代の価値観が交錯する重厚な家族回となりました。主な見どころと今後の伏線をまとめます。

今回の見どころと伏線

  • 陽子の「心の中に部屋がある」告白
    親世代の我慢と家父長制の呪縛を象徴するセリフ。ヴァージニア・ウルフを想起させる展開で、ジェンダー考察が活発化。視聴者の共感と涙を誘った第8話最大の名シーン。
  • 勝男の「俺マザコンなのかも」自覚
    親子関係を客観視し、大人同士として向き合おうとする勝男の成長。椿との会話を振り返りながら母に本音を伝える姿に、「昭和の男ではない」「素直でいい男」と高評価が集中。
  • 鰹節を削る演出の象徴性
    不器用ながらも自分で鰹節を削り、母に教わりながら朝食を作る勝男。この一連の行動が「変わる一歩」「親子再生」を象徴する重要な演出となった。
  • 父・勝のフリーズドライ味噌汁と「おかわり」の変化
    母に頼らず受話器の充電を聞きに来る不器用さと、勝男におかわりをいう小さな一歩。親世代も「変われる」というメッセージが込められた展開。
  • 鮎美の無意識の嫉妬とメキシカン春巻き
    椿から勝男の想いを聞かされ、勝男の背中を見つめる鮎美。料理を通じた成長と、恋愛感情の揺らぎが同時に描かれ、復縁フラグが点灯。メキシカン春巻きという斬新なアイデアも話題に。
  • 椿の「愛されるのも大変」発言
    偽彼女作戦の中で感じた陽子の過干渉と愛情。現代の独身女性の価値観を代表する椿のキャラクターが、物語に新しい視点を提供。

次回第9話は拡大スペシャルで「忍耐女の夢が動き出す」展開が予告されています。鮎美の新章と、クセ強なおともだちの登場で、恋愛関係がさらに複雑化しそうです。親世代の「料理を通じた解放」というテーマが最終的にどう決着するのか、そして勝男と鮎美の関係がどう変化するのか、今後の展開から目が離せません。

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