12月3日放送の連続テレビ小説『ばけばけ』第48話は、大寒波に襲われた松江を舞台に、風邪で倒れたヘブン先生(トミー・バストウ)の病床を巡る切ないドラマが展開されました。必死に看病するトキ(髙石あかり)のもとへ小谷春夫(下川恭平)がお見舞いに訪れ、怪談デートに誘うというキュンとする展開も。一方でヘブン先生の「私は通りすがりの異人です」という言葉がトキの胸に突き刺さり、視聴者の涙腺を崩壊させました。さらに錦織友一(吉沢亮)の冷めた表情や、松野家で勝手に盛り上がる縁談話など、見どころ満載の回となりました。
「ばけばけ」第10週第48話のあらすじ
大寒波に見舞われた松江で、ヘブン先生が風邪を引いて寝込んでしまいます。トキは必死に看病しますが、亡くなった傳様のことを思い出し不安を募らせます。そこへ小谷春夫がお見舞いに駆けつけ、ヘブン先生を元気づけようとしますが、小谷が来てからずっと部屋にいた錦織に冷たく突っ込まれる場面も。小谷はトキに「ヘブン先生が元気になったら、怪談の舞台地巡りに一緒に行きませんか」とデートに誘います。一方、ヘブン先生は弱気になりながらも「私は通りすがりの異人です」とトキに告げ、その言葉の意味にトキは複雑な表情を見せます。松野家ではサワから小谷がトキに好意を持っていることが伝わり、勝手に縁談話が進んでいくのでした。
ヘブン先生の「通りすがりの異人」発言に視聴者号泣
ブードゥ人形を握りしめて唱える祈り
第48話の冒頭から、視聴者の心を掴む演出が炸裂しました。大寒波に襲われた松江で風邪を引いてしまったヘブン先生は、布団の中でブードゥ人形を握りしめながら英語で呪文のように唱えます。
「Get better. Get warmer. You are not cold. You are on a beach in Mart- In Martinique. You can hear the waves. Get better.」
マルティニークの温かいビーチを想像することで、寒さを紛らわせようとするヘブン先生。一方、別の場所でトキもブードゥ人形を手に
「早いことよくなりますよ。よくなりますよ。松江が温かくなりますよ。温かくなりますよ」
と必死に祈る姿が映し出されます。
この対比の演出が秀逸で、二人が同じように回復を願っているという想いが伝わってきます。ブードゥ人形という小道具が、遠く離れた異国の地で一人孤独に病と闘うヘブン先生の心情を物語っており、視聴者からは「この演出泣ける」「二人の絆を感じる」という声がSNSで多数上がりました。
そこへお見舞いにやってきたのが小谷春夫。
「ヘブン先生の授業の方がずっとずっと面白く。なので、early come back please!1日でも早く戻ってきてほしいと、みんな」
と元気づけようとしますが、実は部屋にずっといた錦織に
「悪いな、つまらん授業で」
と冷静に突っ込まれる場面も。この空気感が何とも言えないユーモアを生んでいました。
「たとえ死んでも悲しまないで」の真意
そして第48話最大の見どころが、ヘブン先生の弱気な発言です。トキが看病する中、ヘブン先生は不安そうに
「わたし、死ぬ?」
と尋ねます。トキと小谷が慌てて
「No, no no, no! No death, Heaven sensei!」
「You’re not going to die, sensei.」
と励ますものの、ヘブン先生は静かに語り始めます。
「If I die, don’t be sad. I was just a foreigner passing through.」
小谷が通訳した内容は
「たとえ死んでも悲しまないでください。私はただの通りすがりのただの異人です」
というもの。この「通りすがり」という言葉に、トキは目を見開いて「通りすがりのただの異人?」と複雑な表情を浮かべます。
実はトキは看病しながら、以前亡くなった傳様のことを思い出していました。
「もう何年も前の話ですが。親戚の叔父の看病をしちょったことがあって。看病をしちょると、叔父のことを思い出してしまって。私の看病が足らんかったのか、亡くなってしまいました」
というトキの告白に、ヘブン先生への不安が滲み出ています。
SNSでは「ヘブン先生はたった一人で海を渡ったんだなあと言うのが今日のばけばけでの感想」「故郷って誰かがいるから故郷なんじゃないか」「これからおトキちゃんとどう寄り添っていくのか、日本が故郷になっていくのか楽しみ」という考察が多数投稿されました。ヘブンの孤独と、トキとの関係性の深まりを予感させる名シーンとなりました。
小谷春夫の怪談デート作戦とヘブン先生の「シャラップ」
サワから聞いた怪談好き情報を活用
錦織が帰った後も、小谷はトキのそばに残り続けます。そしてトキが読んでいた怪談の本を見て話しかけます。
「面白いですか?」
「あー。今開いたばかりで。本当にお好きなんですね、怪談」
するとトキは不思議そうに
「ほ、ほんと、本当に?ほんとにとは?あれ、私、怪談、小谷さんに」
と戸惑います。実は小谷は事前にサワから「トキが怪談好き」という情報を仕入れていたのです。
「あ、実は、あの、おサワさんに伺いまして」
「ああ。学校でお会いしたか何かで?」
「あー、はい。学校で。あの、同じ敷地なので、たまたま」
このやり取りから、小谷がトキのことをリサーチして作戦を練っていたことが分かります。SNSでは「小谷さんは怪談を上手く利用してデートに誘うことに成功」「ランデブー作戦が上手い」と話題になりました。
そして満を持して小谷が切り出します。
「あの、おときさん。あの。ヘブン先生がまた学校へ戻られるぐらい達者になりましたら。どこか怪談の舞台にご一緒しませんか?」
これは明らかにデートの誘い!トキは
「えっ、かい、怪談、小谷さんお好きなんですか?」
と驚きますが、小谷は
「ああ、いや。あの、私は好きというか。ま、まだ、これから。」
と少し焦りながらも誘いを続けます。
「これから。え、あ、あ、あ、これから?」
とトキも戸惑いますが、
「ええ、あの、これから好きになれたらと」
という小谷の言葉に、トキは嬉しそうに
「あー、それですか。そうけですね。でしたら、はい」
と承諾します。
「本当ですか?」
「あの、なかなか休みがない件、お待たせするかもしれないけど」
「ありがとうございます!よし、行きましょう。行きましょう」
小谷の喜びようが微笑ましく、視聴者からは「キュン死にした」「怪談ランデブー可愛すぎる」という声が続出しました。
「わたし、やまい。あなた、みまい」で一喝
しかし、この和やかな雰囲気を一刀両断したのがヘブン先生です。隣の部屋から襖を開けて登場し、英語で叫びます。
「Shut up! わたし、病。あなた、見舞い。Don’t you think it’s a little strange to be chatting so casually? Don’t you think?」
「わたし、やまい。あなた、みまい」という韻を踏んだ日本語が絶妙で、視聴者は爆笑。SNSでは「また韻踏んでるのに笑った」「ヘブン先生のシャラップ最高」という反応が殺到しました。
さらにヘブン先生は
「Abayo!Abayo!」
と小谷を追い返します。この「Abayo(さよなら)」の連呼が、まるで嫉妬しているかのようで、視聴者からは「やきもち入ってるのかな」「ヘブン先生可愛い」という声が上がりました。
小谷は慌てて
「あ、すいません。あ。では、失礼いたします」
と退散。最後にヘブン先生に
「あの、お大事に」
トキが、
「あの、雪ですけん、お気をつけて」
と見送ります。この一連の流れが、コミカルでありながらも三角関係の予感を漂わせる絶妙な演出でした。
錦織友一の存在感!「ずっといたよ」に爆笑
国宝なのにオーラゼロの演出
第48話でひっそりと存在感を放っていたのが錦織友一です。小谷がヘブン先生を元気づけようと「ヘブン先生の授業の方がずっとずっと面白く」と褒めちぎった直後、「いや、え、いつから?」という小谷の声に、錦織が冷静に答えます。
「ずっといたよ」
この一言が衝撃的で、実は錦織は最初から部屋にいたのです。小谷が気づかなかっただけ。錦織は
「小谷さんがいらした時はお手洗いに」
と説明し、さらに自虐的に
「でも、あの、悪くなかったですよ、久々の錦織先生の授業」
とフォローします。
しかし錦織は
「悪くなかった?」
と反応を見せ、小谷は
「あ、すいません」
と謝罪。このやり取りに視聴者は大爆笑で、SNSでは「錦織『ずっといたよ』再び『国宝もオーラなし』ネット爆笑!」というニュース記事も登場するほど話題になりました。
吉沢亮演じる錦織友一は、劇中で「大盤石」という異名を持つ松江随一の秀才という設定ですが、この「ずっといたのに気づかれない」という演出が、彼のキャラクターの面白さを際立たせています。
つまらない授業を自虐する友一
さらに錦織は小谷に冷たく言い放ちます。
「そもそもなんでお前が来るんだ?私が報告に来ることぐらい察しがつくだろう」
この言葉には、「小谷がヘブン宅に来る理由は、ヘブン先生の見舞いではなくトキに会いに来たのではないか」という鋭い洞察が含まれています。実際、その後の展開で小谷がトキに怪談デートを持ちかけることから、錦織の推察は当たっていたことになります。
錦織は
「Better than yesterday. 」
と英語でヘブン先生の様子を確認し、
「You look better than yesterday. I’m relieved」
と声をかけます。そして小谷に
「お前、帰らんのか?」
と促しますが、小谷は
「あ、私はもう少し。もちろん、すぐに行きますので。どうぞお先に」
と居座ります。
錦織は「病なんだ。あまり長居するなよ」と釘を刺して帰っていきますが、この一連のやり取りから、錦織が小谷の行動を冷静に観察していることが分かります。演じる吉沢亮の抑えた演技が、キャラクターの知性と冷静さを見事に表現していました。
松野家で勝手に進む縁談話
サワが語る小谷の好意
ヘブン宅でのドタバタの一方、松野家では全く別の展開が進んでいました。サワ(円井わん)が勘右衛門(小日向文世)、司之介(岡部たかし)、フミ(池脇千鶴)に小谷のことを報告します。
「あのペリーの子分はお嬢、惚れられちょることは知っておかん、おトキは」
「あー、おそらくは知らんのだないかと」
「そげか」
「なら、まだまだこれからね」
「生徒ならのう」
この会話から、小谷がトキに好意を持っていることを松野家の面々が知っていることが判明します。しかしトキ本人は全く気づいていないという状況です。
勘右衛門はサワに尋ねます。
「おサワちゃんから見て、あのペリーの子分は」
サワは冷静に分析します。
「うーん、私の印象では真面目そうですし、松江中の生徒ですけん、賢くて将来有望なことは間違いありませんし、申し分ないでないかと」
この評価を聞いて、勘右衛門は大喜び。
「なら、あとは相手の格次第じゃが、いよいよ松野家に跡取りができいかもしれんのう」
ところがフミが冷静に突っ込みます。
「いよいよといいますか、再びといいますか」
これは以前、松野家に婿入りした銀二郎のことを指しています。視聴者からは「おいおい銀二郎さんは!?」と思った所でちゃんと「ふたたび」とツッコミが入ったので良かった」という安堵の声がSNSで上がりました。
「口が軽い」と笑われるサワ
勝手に盛り上がる松野家に対し、サワは慌てて釘を刺します。
「ダメです、ダメです!あれ、時には内緒にしておいてごしなさい」
「内緒?」
「はい。おトキは何も知りませんし、これでおかしなことになったら、春男くんにも申し訳ありませんけん」
しかし司之介は不思議そうに聞きます。
「え、じゃが、じゃったら、おさわちゃんは内緒にしとかんの?」
勘右衛門が答えます。
「全くじゃ。全てわしらに話しちょる」
するとフミが笑いながら言います。
「おサワちゃんって意外とお口が軽いのね」
サワは恐縮して
「面目ございません」
と謝罪。この一連のやり取りが、松野家の温かくユーモラスな家族関係を象徴していました。SNSでは「サワちゃん可愛い」「松野家のこういうやり取り好き」という声が多数上がりました。
一方で、視聴者からは
「春夫はまだ学生。もしこのまま行くと姉さん女房。トキはいいかもしれないけど、春夫の心変わりが気になります。それより怪談話で盛り上がれる友達がいいような気がしますね」
という冷静な意見も。確かに小谷はまだ松江中学の生徒であり、年齢差を考えると今後の展開が気になるところです。
大寒波の松江とヘブンの孤独
「雪、嫌い」に込められた想い
小谷が帰った後、トキとヘブン先生の静かな時間が訪れます。トキが窓の外を見ながら呟きます。
「やみませんねえ、雪が」
するとヘブン先生は布団の中から弱々しく答えます。
「雪。嫌い」
この短い言葉に、ヘブン先生の故郷への想いが込められています。トキは「え?」と驚きますが、ヘブン先生はさらに英語で尋ねます。
「Is winter in Matsue always this cold?」
トキは
「あ、ごめんなさい。あー、Matsue、冬、寒い」
と日本語混じりで答えます。
「毎年…寒い」
「この冬、特別。この冬、大寒波」
「大寒波」
ヘブン先生は
「What’s 大寒波」
と意味を尋ねますが、トキは説明に困り
「えーと、あー。この冬、特別寒い」
と繰り返すしかありません。
するとヘブン先生は英語で呟きます。
「Just my luck.(ついてない)」
この場面が、放送当日のリアルな寒波とリンクしたことで、視聴者の共感を呼びました。SNSでは
「今週のばけばけは松江が大寒波に襲われてるのだけど、リアルでも明日から今シーズン初めての寒波に覆われようとしているのよねえ。サムイ、ジゴク」
という投稿が話題に。
また「湯たんぽ入れたって〜〜〜〜(ばけばけ観た)」という共感コメントや、「ばけばけ、部屋を練炭自殺か?ぐらいあっためればあったまるだろうに、何故やらない?」という疑問の声も上がりました。明治時代の暖房事情の厳しさが、現代の視聴者にリアルに伝わった瞬間でした。
「少しは縮まっちょると思ったけど」の意味
そして第48話のラストで、チェアに向かってトキは意味深な言葉を口にします。
「先生、大変な時に通りすがりましたね。少しは縮まちょる思っちょったけど。あんたとの距離のは近いかもしれんね」
この「距離」という言葉が、物理的な距離なのか、心の距離なのか、視聴者に様々な解釈を生みました。ヘブン先生が「通りすがりの異人」と自分を卑下したことに対し、トキは複雑な感情を抱いているようです。
一方で「少しは縮まっちょると思っちょったけど」という言葉からは、トキがヘブン先生との距離が近づいていると感じていたことが分かります。しかし「大変な時に通りすがりましたね」という少し意地悪な言い方には、ヘブン先生を心配するあまりの複雑な心情が滲み出ています。
SNSでは「トキはヘブン先生に情が移ってきたのかな」「これからおトキちゃんとどう寄り添っていくのか、日本が故郷になっていくのか楽しみ」という考察が多数投稿されました。
また、トキがチェアの世話をするシーンも映し出され、日常の細やかな描写が二人の関係性の深まりを静かに表現していました。第48話は、大寒波という厳しい自然環境の中で、人と人との心の距離をじっくりと描いた名回となりました。
6. まとめ:今回の見どころと伏線
今回の見どころ・伏線
- ヘブン先生の「通りすがりの異人」発言:ヘブンの孤独と、トキとの関係性の今後を予感させる重要な伏線。日本がヘブンにとって新しい故郷になるのかが今後の焦点に。
- 小谷春夫の怪談デート作戦成功:サワから情報を仕入れてトキを誘った小谷。しかしトキは純粋に「怪談スポット巡り」と受け取っており、恋愛感情には気づいていない様子。今後の展開が気になる。
- ヘブン先生の「シャラップ」とやきもち疑惑:小谷とトキが楽しそうに話すのを遮ったヘブン先生。これが単なる体調不良からのイライラなのか、それとも嫉妬なのか。視聴者の考察が盛り上がっている。
- 錦織友一の冷静な観察眼:「ずっといたよ」「そもそもなんでお前が来るんだ?」という発言から、錦織が小谷の行動を見抜いていることが判明。今後、錦織がどう動くのかも注目ポイント。
- 松野家で勝手に進む縁談話:サワが小谷の好意を松野家に伝えたことで、勝手に盛り上がる勘右衛門たち。しかしトキ本人は全く気づいておらず、今後の展開次第では大きな誤解やすれ違いが生まれる可能性も。
- 大寒波とヘブンの「雪、嫌い」:故郷の温かい気候を恋しく思うヘブンの心情が滲み出た場面。「Just my luck(ついてない)」という呟きに、異国の地での孤独と苦労が凝縮されている。
第48話は、大寒波という厳しい環境の中で、登場人物たちの心の距離感が微妙に揺れ動く様子を丁寧に描いた回でした。コミカルなシーンと切ないシーンのバランスが絶妙で、視聴者を最後まで釘付けにする演出が光りました。次回以降、ヘブン先生の体調は回復するのか、小谷とトキの関係はどうなるのか、そして錦織はどう動くのか。今後の展開から目が離せません!
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