ばけばけ第10週第49話は、ヘブン先生の回復を喜ぶ一方で、トキと小谷のランデブーの約束が明らかになり、微妙な空気が流れる展開でした。リヨが持参した湯たんぽに「テンゴク!」と大喜びするヘブンの可愛らしさと、松野家総出で小谷を面談する圧の強さに笑いつつ、トキとヘブンの言葉にできない気持ちの揺れに心がざわつく15分間。鎌を生け花代わりに飾るトキの無意識の行動や、「貝殻が閉じとる感じ」という切ない例えに、恋の予感を感じずにはいられません。
「ばけばけ」第10週第49話のあらすじ
リヨがヘブンのお見舞いに訪れ、湯たんぽをプレゼント。ヘブンは「ユタンポ、アタタカイ、テンゴク!」と大喜びします。一方、小谷はサワを訪ねてトキの好きなものを調査。そこにフミも現れ、気づけば松野家総出の婿候補面談会に。勘右衛門や司之介の質問攻めにも耐え、小谷は松野家公認の婿候補として応援されることになります。しかしトキの好物がしじみ汁と判明し、小谷が苦手だと明かして一同爆笑。数日後、大寒波が去りヘブンは完全回復。トキと小谷のランデブーの約束をヘブンが知り、「OK」とそっけなく返すものの、トキはその反応に複雑な表情を見せます。
ヘブンとトキの微妙な心の距離〜「通りすがり」発言の真意〜
今回の第49話で最も視聴者の心をざわつかせたのが、トキとヘブンの微妙な距離感でした。冒頭、お茶を入れるトキの横で聞こえてくるヘブンとリヨの笑い声。床の間には、なんと鎌が飾られています。
おトキが気を使って生け花をどかしてくれたようですが、この鎌の演出が実に意味深。SNSでは「鎌って、雷を避けるとか病を断ち切るとか様々な願掛けにも使われるお呪いの道具」「無意識の宣戦布告?」といった考察が飛び交いました。トキ自身も気づいていない、心の奥底にある複雑な感情が、この鎌一本に表れているようです。
そしてリヨがトキに語りかける場面。
「はあ、あったまる、って言いたいところだけど」
「冷めちょりますね。すぐに入れ直します」
「あ、いいのいいの、大丈夫?寒さですぐ冷めちゃうんだろ」
お茶が冷めていたことに気づくリヨ。トキは疲れを否定しますが、リヨは優しく言います。
「ううん、当たり前です。ずっと看病されてるんですもの。ご苦労さま」
「いや、本当に疲れては」
「あ、そう?」
「はい。あの、ただ…ヘブン先生は、通りすがりだそうで」
「通りすがり?」
この「通りすがり」という言葉が、今回のキーワードです。トキがヘブンに以前伝えた「通りすがりの異人」という表現が、ここで静かに波紋を広げます。リヨにとっても、ヘブンは「通りすがり」の存在なのか。トキの心の中で、ヘブンの立ち位置がまだ定まっていない様子が、この短いやり取りから伝わってきます。
そして物語のラスト、回復したヘブンがトキに尋ねるシーン。
「何、小谷、話しました?」
「はい。はい、えっと、先生が復帰されたら、お出かけしませんか?と誘われまして」
「He invited her to go somewhere once he recovered. なるほど。OK!」
ヘブンのあまりにもあっさりした「OK」に、トキは拍子抜けします。期待していた反応ではなかったのか、口を曲げるような表情を見せるトキ。視聴者もこの微妙な空気に「もやもや」「じれったい」と反応し、SNSでは
「通りすがりというたった一言が言った方の気持ちも言われた方の気持ちもざわつかせる」
「もう言葉の壁の問題なんて2人には無くて、今は気持ちの壁の問題になってる」
といった声が相次ぎました。
リヨの湯たんぽ作戦!「テンゴク」連発のヘブン先生
第49話のもう一つの見どころは、リヨが持参した湯たんぽをめぐるコミカルなシーンです。寒がりのヘブンにとって、松江の冬は厳しいもの。そんなヘブンを気遣い、リヨがお見舞いに持ってきたのが湯たんぽでした。
「あの、私の風呂敷包みと、あとお湯を持ってきてくださらない?」
「風呂敷包みと、お湯?かしこまりました」
トキが風呂敷とお湯を持ってくると、リヨが湯たんぽを取り出します。
「これは、湯たんぽです」
「湯たんぽ?」
「I’ve never seen one before」
ヘブンは初めて見る日本の道具に興味津々。リヨが英語で説明し、トキがお湯を注ぎます。
「Lie down and touch it with your feet」
「Oh、It’s warm。あたたかい!」
「すばらしい。あたたかい。すばらしい。さすがおリヨさん。ありがとうございます」
「日本人ですので」
「天国」
ヘブンの「テンゴク」発言に、トキも思わず笑顔になります。この湯たんぽ、実は当時まだ一般的ではなかった陶製の高級品。SNSでは
「さすがおリヨさま、いいとこのお嬢様というスペックを存分に活かした高価な品で攻めるのスバラシイ」
と話題になりました。リヨの「虎視眈々」とした攻略姿勢が、ユーモラスに描かれています。
「日本人ですので」
と涼しい顔で返すリヨと、純粋に喜ぶヘブンの対比も絶妙。リヨの
「はあ、あったまる、って言いたいところだけど」
というセリフには、もしかしたら恋心の「冷め」も重ねられているのかもしれません。
「でも、よかった。湯たんぽ、喜んでいただけて」
「はい。ぬくくして眠れれば、すぐに達者になられるかと」
「そうすれば、またご一緒にランデブーできるわね」
リヨの「ランデブー」発言に、さりげなく自分の立ち位置をアピールする計算高さも光ります。一方のトキは、ただ看病に徹する立場。この温度差が、後のモヤモヤに繋がっていくのです。
松野家の婿候補面談会〜小谷を待ち受けた底なし沼〜
場面は変わって、小谷がサワの元を訪れるシーン。トキのことをもっと知りたい小谷は、真剣に調査を始めます。
「怪談の他に何かお好きなものはありませんか?」
「怪談の他?なして?」
「いやー、なんていうかまあ、他にもないかなって」
サワが答えるトキの好きなものは、やはり怪談、金縛り、呪い、生まれ変わり…。
「どーれも同じ感じですね」
「え?」
「どれも似たような」
思わず漏れる小谷の本音に、サワも苦笑い。するとそこへフミが登場します。
「私が聞かせたからよ」
「おばさんが?」
フミの一言で、トキの怪談好きのルーツが明らかに。そしてなぜか、気づけば松野家の居間で、勘右衛門と司之介を前に小谷が座っているという展開に。サワも玄関で様子を伺っています。
「私のですか?」
「他にないじゃろう。小谷家は士族じゃよな」
「はい。父は元小吏奉行で、家力は百石でございました」
「小吏奉行の小谷?小谷彦左衛門殿か」
「まさしく」
「おお!」
勘右衛門の「おお!」が示すように、小谷家と松野家は同格。そこから勘右衛門のテンションが一気に上がります。
「あははははは。すまんな、いきなり。でもこれは、家と家とのことだけん、どうしても避けて通れん話だけん」
突然の「家と家」発言に戸惑う小谷。フミが慌ててフォローします。
「まあまあ、縁談だないんですから、そげな堅苦しい話からせんでもね」
「まあ、それは・・・あー、例えば、小谷さん、うちは一人娘だけん、婿入りになるけどええですか?」
「え?」
いきなり「婿入り」を聞かれて固まる小谷。勘右衛門も
「おい、お前の方が堅くしてやないか!」
とフミにツッコミを入れます。
「冗談ですよ。そげな話する気はございません。安心して」
「なんじゃええ問いじゃったのに」
フミの冗談に安堵する小谷ですが、勘右衛門の「ええ問いじゃった」発言で、本気度が伝わってきます。そして小谷が本題を。
「えー、おトキさんのお好きなものを伺いたく」
フミが思い出したように言います。
「あ!あれを忘れちょりました、あれを」
「しじみです。しじみ汁」
「おお」
「忘れちょった。しじみ汁が好きだわ、おトキは」
ここで小谷が衝撃の告白。
「実は私、ちょっと、ちっ、し、しじみ汁が苦手で」
「ええ!」
一同驚愕。勘右衛門の名言が飛び出します。
「言っとくが、しじみ汁は松江人の血液じゃぞ」
SNSでは「逃げろ小谷」「松野家の底無し沼のような恐ろしさ」と爆笑の渦。しかし勘右衛門は前向きです。
「大切なのは家じゃ。婿が、しじみが苦手なならば、わしが鍛える。それで問題はない」
もう完全に婿候補として扱われる小谷。この松野家の圧の強さと温かさが、視聴者の笑いと共感を呼びました。
回復したヘブンとトキの複雑な感情〜閉じた貝殻の意味〜
数日後、大寒波が松江を去り、ヘブンは完全に回復しました。花田旅館で、平太が朝食をたっぷり作ります。
「これくらいいけそうかね」
「いえ、もっと」
「もっと?」
「すんません。朝からハングリー、ハングリー言っちょって。ハングリーとは何の栗かと尋ねたら、栗ではなく、腹ペコのことだと」
「ハングリー」を栗の種類だと思っていた平太のボケに、視聴者も笑顔に。ツルも安心した様子です。
「食欲が出てきたけん、もう安心だね。」
そこへ司之介が訪れます。遅刻の言い訳が「牛がぐちゃぐちゃで」という、いかにも司之介らしい理由。そして回復したヘブンとの再会シーンへ。
「How are you feeling today?」
「言う通り、生き返りました」
錦織が大喜びで登場します。
「おめでとうございます。よくぞ戻られて。おめでとうございます!」
「いや、申し訳ない。すいません。錦織さん、ありがとうございます。錦織さんのおかげで」
感極まって握手とハグを交わす錦織。そしてトキに感謝の言葉を述べます。
「おときくん、君のおかげだ。学校を代表して、そして一人の人間として、心から礼を言う。ありがとう」
「いえいえ、めっそうもないことでございます」
和やかな空気の中、ヘブンがトキを呼び止めます。
「シジミさん」
「はい」
「何、小谷、話しました?」
トキが答えます。
「はい。はい、えっと、先生が復帰されたら、お出かけしませんか?と誘われまして」
錦織が英語で説明を加えます。
「He invited her to go somewhere once he recovered. なるほど。OK!」
ヘブンのあまりにもあっさりした「OK」。トキは拍子抜けした表情で部屋を出ようとします。錦織がお代わりを頼まれ、トキが気になって尋ねます。
「あの、今の話。先生なんか、怒るとか喜ぶとか、何か言っちょりましたか?」
「先生がか?」
「はい」
「いや、特に」
「そげですか」
そしてトキの切ない独白が続きます。
「あ、いや、なんか先生がようわからんというか。しじみで言ったら、貝殻が閉じとる感じがして。まあ、私はただの女中ですし、そげなのかもしれませんが」
この「貝殻が閉じとる感じ」という例えが、視聴者の心を鷲掴みにしました。SNSでは「シジミでいうたら貝殻が閉じた感じ、ただの女中ですし、そげなのかもしれませんが」という切ない言葉に共感の声が殺到。トキ自身もまだ、自分の気持ちに気づいていないのかもしれません。ただヘブンの心が読めない、その距離感にもどかしさを感じているだけ。
「通りすがり」という言葉が、二人の間に微妙な壁を作り、言葉の壁を超えたはずの二人が、今度は「気持ちの壁」に直面している。この繊細な心理描写が、ばけばけの真骨頂です。
6. まとめ
今回の見どころ・伏線・考察ポイント
- 「通りすがり」発言が引き起こすすれ違い:トキがヘブンを「通りすがりの異人」と表現したことが、二人の距離感に微妙な影響を。リヨにとってもヘブンは「通りすがり」なのか、トキ自身の立ち位置への不安が見え隠れ
- 鎌を生けるトキの無意識の嫉妬:生け花の代わりに鎌を飾る演出が意味深。SNSでは「病を断ち切る」お呪いの道具として、またトキの無意識の「宣戦布告」として考察が広がる
- 湯たんぽとリヨの戦略的アプローチ:当時の高級品を持参するリヨの計算高さと、純粋に喜ぶヘブンの対比。「テンゴク」連発の可愛さの裏で、恋のライバル関係が静かに激化
- 松野家の婿候補面談と小谷の試練:しじみ汁苦手が判明するも、勘右衛門の「わしが鍛える」発言で公認の婿候補に。家より娘を大事にする松野家の温かさと圧の強さが同居
- 「貝殻が閉じとる感じ」の切なさ:ヘブンの「OK」に拍子抜けするトキの複雑な感情。「ただの女中ですし」という言葉に、自分の立ち位置への諦めと切なさが滲む。しじみの例えが秀逸
- 小谷とのランデブーが迫る中での心の揺れ:次回、いよいよ小谷とのランデブーが実現。その前に明らかになったトキとヘブンの微妙な距離感が、今後どう展開するのか目が離せない
第49話は、日常のさりげない会話や仕草の中に、登場人物たちの複雑な感情を丁寧に織り込んだ回でした。SNSでは「ただの日常を描いている。これが物語の力か」「小説読んでる気分」といった声が相次ぎ、脚本の繊細さが改めて評価されています。次回、小谷とのランデブーでトキの心はどう動くのか、そしてヘブンは本当に「OK」なのか。三角関係の行方から目が離せません。
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