今週の「豊臣兄弟!」第10話「信長上洛」は、まさに新章開幕を高らかに告げる一時間でした。美濃平定を終えた信長の矢先はついに畿内へ。そしてこの回で最も心を揺さぶられたのは——政略婚という名の戦に赴く、一人の女の凛々しすぎる覚悟でした。お市の方(宮﨑あおい)が放った「この婚礼は私の初陣じゃ」という言葉は、今週SNS上でも大きな話題となっており、視聴後しばらく頭から離れませんでした。さらに今回は、浅井長政(中島歩)との出会い、そして明智光秀(要潤)という大物の初登場と見どころが凝縮。天下布武の先にある「天下一統」という信長の本音まで飛び出した、濃密すぎる一話をじっくり振り返ります。
豊臣兄弟!第10話 あらすじ
永禄10年、美濃を平定した信長(小栗旬)は岐阜城を拠点に「天下布武」を掲げます。そこへ足利義昭(尾上右近)の使者として現れたのが、明智光秀(要潤)。半兵衛(菅田将暉)の鋭い観察眼により、従者に変装していた義昭本人が早々に見破られます。上洛には浅井との同盟が必須と判断した信長は、妹・お市(宮﨑あおい)を浅井長政(中島歩)のもとへ嫁がせることを決断。「この婚礼は私の初陣じゃ」と凛々しく覚悟を述べるお市に涙が止まりません。出立前には小一郎(仲野太賀)との温かいやりとりも。その後、信長連合軍は上洛を果たし、義昭が第15代将軍に就任。信長は副将軍就任を断り、「天下布武などつまらぬ。ただの通り道じゃ」と天下一統への野望を胸に刻む、スケール満点の一話となりました。
お市の方「この婚礼は私の初陣じゃ」——戦国の女が放った、史上最高の覚悟
今回の第10話で、個人的に最も心を震わせたシーンがここでした。
上洛の障壁となる浅井との同盟を結ぶため、信長はお市を浅井長政のもとへ嫁がせることを決意します。お市はその申し出に迷うことなく応じます。
「市は嬉しいのです。やっと兄上のお役に立つことができまする。この時が来るのを待ち望んでおりました。兄上の信じる道をお進みください。」
政略婚とわかっていてなお、これほど清々しく笑える人がいるでしょうか。宮﨑あおいさんの演技が、台詞の言葉以上の重みを乗せていて、思わず息をのみました。
しかし、お市の真骨頂はここからでした。嫁入り前夜、小一郎(仲野太賀)との二人きりのシーンで、彼女の本音がこぼれ落ちます。
「私も男に生まれたかった。さすればそなたのように兄と共に戦うことができたであろう。周りの男どもが元服し、初陣を飾る度、いつも羨ましく思ってきた。この婚礼は私の初陣じゃ。これほどめでたきことはない。」
「初陣」——この一語に、戦国の女として生まれた悔しさと、それでも前を向く誇りの両方が詰め込まれています。政略婚を「これほどめでたきことはない」と言い切れる強さ。SNSでも「シスコン信長の兄妹愛が泣ける」「お市様かっこよすぎる」と絶賛の声が溢れていましたが、まさにそれに尽きます。
信長が市の嫁入りを決めた際に言った一言も印象的でした。
「知れば、迷うてしまうやもしれぬ。これも織田家のためじゃ。」
浅井長政がどんな人物かを敢えて調べなかった信長。知ってしまうと自分が揺らぐと知っているからこそ、あえて目を背けた——シスコン全開のこの台詞が、笑えて切なくて、小栗旬さんの表情と相まって絶妙でした。
小一郎との”代筆”シーン——嘘から出た励ましの温かさ
お市が小一郎を呼び出した理由は、「浅井殿に文をしたためようと思うてな。筆を取ってみたものの、うまく書けぬのじゃ。そなたが書いてくれ」という頼み事でした。
嫁入り前の姫から「代筆してほしい」と言われた小一郎は当然困惑。断りながらも、お市を励まそうとこんな嘘をつきます。
「聞いた話では浅井長政殿は秀麗なお顔立ちにて、気性もお優しく、物静かで穏やかな、誰からも慕われるお人とのこと。お市様はきっとお幸せになれまする。」
お市の反応は素直でした。
「兄上とは似ても似つかぬ。私の好みではないな。」
…と言いかけたところで、小一郎がすぐ白状します。
「というのは全て作り話にございます。お市様を励まそうと思い、つい。」
叱られるかと思いきや、お市はそこで「この婚礼は私の初陣じゃ」という言葉を打ち明ける。小一郎の「嘘」がお市の本音を引き出したのです。そして別れ際、小一郎はただ一言——
「ならばお市様、どうかご武運を。」
余計な言葉を足さない小一郎の誠実さに、胸が熱くなりました。後にお市が「嘘から出た真じゃ」と言い残すのも、このシーンを踏まえた上でこそ響きます。第10話の中で最も「豊臣兄弟!らしい」温かみのある場面でした。
柴田勝家(山口馬木也)を翻弄する戯れ言——史実ファンも萌えた名シーン
浅井家へ嫁いだお市と、護衛役の柴田勝家(山口馬木也)が別れを告げるシーン。史実では後に夫婦となる二人の、ある種の「フラグ立て」シーンとして大いに盛り上がりました。
お市は見送りに来た勝家に、まず小一郎への戯れ言を伝えます。
「嘘から出た真じゃと小一郎に。そなたのせいで私は不幸になったと伝えよ。」
戯れ言だとすぐに撤回しながらも、今度は勝家本人に向けてとんでもない一言を放ちます。
「でも長政殿より私に合うてりゃもしれぬ。いっそお前と一緒になる方がマシであったな。」
受け取った勝家の反応がまた最高で——
「そ、そ、そ、そ、そのようなこと、と、と、突然言われましても。も、もし殿がお耳にで。」
あの無骨な柴田勝家がどもりまくる光景に、画面の前で笑いと涙が同時に溢れました。「相変わらず無骨な奴じゃな」とお市に笑われながら「気をつけて帰れよ」と送り出される勝家。史実ファンには「これが後の夫婦か……」と感慨もひとしおのシーンです。宮﨑あおいさんと山口馬木也さんのコミカルかつ切ない掛け合いが絶妙で、SNSでも「柴田勝家ラブコメ最高すぎる」と大絶賛されていました。
明智光秀(要潤)ついに初登場!「腹の底が見えない」男の静かな衝撃
今回の第10話でもう一つの目玉が、明智光秀(要潤)の初登場です。足利義昭の使者として岐阜を訪れた光秀の第一声は、自己紹介のみ。
「明智十兵衛尉光秀と申す。」
たったこれだけなのに、要潤さんの低く静かな声と立ち姿だけで、視聴者の心を掴みました。「それっぽい」「威厳がある」とSNSで即座に反響が広がったのも納得です。
半兵衛が義昭の変装を見破ったトリック
今回の知的興奮ポイントがここ。光秀が”従者”として連れてきた男の正体を、半兵衛(菅田将暉)はあっさり見破ります。どうやって気づいたかが秀逸でした。
「最初に気になったのは、明智殿が我らと仰ったので。」
光秀が「我ら」と言った瞬間、義昭が同行していることを匂わせてしまっていた。その後の「座らない」「団子を従者に先に食べさせる」といった細かな振る舞いも全て観察済みだったとは——。半兵衛の頭脳がひとつひとつ論理的に解き明かされる展開に、思わず唸りました。信長も見破り、変装が露見した義昭は苦笑いしながら語ります。
「将軍の血を引いたばかりに、わしは今命を狙われておる。だからこの目で見たもの以外は信用できんのじゃ。これまで頼ろうとした武将たちにも皆同じことをしたが、気が付かれたのはこたびが初めてじゃ。」
義昭の孤独と必死さが滲み出る名台詞でした。
「また他を頼るまでのこと」——本能寺への伏線が早くも完成形?
光秀が信長に上洛を持ちかける際の交渉場面も見応え十分でした。信長が「ただの順番だろう」と核心を突くと、光秀はひるまず言い切ります。
「その通りでございまする。朝倉は口ばかりで一向に動かず、上杉も武田も北条も皆他国の出方を窺い、領内の揉め事に手を焼き、動くに動けぬ様子。よって次は織田殿に頼ることにしたのです。織田殿も動かぬのであれば、また他を頼るまでのこと。」
「また他を頼るまでのこと」——この言葉が意味深すぎます。信長に対して一歩も引かない光秀の態度は、単なる使者の域を超えています。視聴者の間では早くも「これが本能寺への伏線なのでは」という考察が飛び交っており、第10話だけで光秀という人物の複雑さが丁寧に立ち上げられていました。
上洛後、信長は光秀に義昭の人物評を求めます。光秀の答えは——
「腹の底が見えません。」
信長の返しも鋭い。
「そういう奴が一番厄介なのじゃ。ほどほどにしてねばなるまい。」
「腹の底が見えない」のは義昭だけの話ではなく、この場面にいる光秀自身のことでもあるように感じました。要潤さんの抑制された演技が、セリフの裏にある深みを際立たせています。
信長上洛達成!副将軍を断った信長の真意と天下一統の野望
上洛戦は圧巻でした。織田・徳川・浅井の連合軍は六角氏をわずか数日で撃破し、三好三人衆も退けて、ついに京の都へ。義昭が第15代将軍に就任した直後、義昭は信長に副将軍の座を申し出ます。
「ようやってくれた。織田殿。そなたのことは我が心の父と思うておる。そなたこそ天下武勇第一じゃ。」
信長の反応は「ありがたき幸せ」と笑顔で受け取りつつ——
「が、謹んでお断り申し上げまする。そのような大役、私には身に過ぎたことでござります。これまで通り、織田弾正忠信長としてお支えしてまいります。」
この断り方の真意を半兵衛が鋭く指摘します。
「副将軍になるということは、義昭公の下につくということに。信長様はそれが気に入らなかったのでしょう。」
控えめどころか、むしろ逆。義昭の「下」に入ることを拒んだ信長の矜持——「天下布武はあくまでも手段にすぎない」という本音が、その後のシーンで爆発します。
「天下布武などつまらぬ。ただの通り道じゃ」——信長の野望の全貌
そして今回の第10話で最もスケールが大きかった台詞がこれです。
「天下布武などつまらぬ。ただの通り道じゃ。わしはこの日の本を一つにする。天下一統じゃ。」
五畿内平定ではなく、日本全国統一。ナレーションで「天下とは五畿内のことを指す」と説明されていた冒頭を踏まえると、信長が口にした「天下一統」の重みが際立ちます。小栗旬さんが静かに、しかし揺るぎない眼差しでこの言葉を放つシーンは、鳥肌ものでした。
銭撒きで民心を掴む秀吉兄弟——”チーム豊臣”の絆が熱い!
義昭の将軍就任を祝う形で、秀吉(池松壮亮)と小一郎が京の民たちへ銭を撒くシーンも印象的でした。歓迎されない武士たちに向け、秀吉は豪快に叫びます。
「銭は使うべき時に使ってこその銭じゃ。これで皆の暮らしが良くなるなら、やつるもんじゃ。」
小一郎(仲野太賀)も「銭じゃ。銭じゃ」と民衆に向けて撒き続ける。戦に明け暮れた京の民が少しずつ笑顔になっていく様子が、じんわりと心に響きました。この兄弟のコンビネーション——秀吉の豪快さと小一郎の誠実さが揃うと、何をやっても「チームとして強い」と感じさせてくれます。
今回、小一郎の出番は少なめでしたが、お市との代筆シーン、銭撒き、そして事務方としての的確な判断など、縁の下の力持ちとしての存在感は十分に発揮されていました。
浅井長政(中島歩)登場——お市の方との運命的な出会い
お市が浅井家へ嫁いだ後の場面も、短いながら丁寧に描かれていました。中島歩さんが演じる浅井長政は、まず嫁いできたお市に静かに語りかけます。
「疲れてはおりませぬか。」
「寒くはござらぬか。」
たった二言ですが、この気遣いのシンプルさが長政の人柄を全て物語っています。小一郎が「嘘から出た真」として語った「気性もお優しく、物静かで穏やかな」という人物像が、まさにそのまま画面に現れていた。SNSでは「中島歩の浅井長政がやさしすぎる」「どのドラマでも浅井長政はいい人」という声が続出しており、私もこのシーンで思わず「お市様、本当に幸せになってほしい…」と祈らずにはいられませんでした。史実を知っているからこそ、この幸せな始まりが切ない。
第11話予告:本圀寺の変——義昭襲撃で次回も目が離せない
第10話のラスト、予告映像が流れた瞬間に視聴者のテンションが急上昇しました。なんと次回は「本圀寺の変」——三好三人衆が義昭のいる本圀寺を襲撃するという史実の大事件が描かれます。
「公方様は討たれまする。」(光秀)
「どう切り抜ける。」(信長)
この短い予告のやり取りだけで、次週が待ちきれなくなりました。信長が不在のタイミングを狙う三好三人衆の陰謀、堺の商人・今井宗久らへの矢銭交渉を命じられる兄弟の商才試し——スリルとコメディが混在しそうな展開に期待大です。「次回またオリジナルの脚本演出でもりもりのやつ来そう」というSNSの声もうなずけます。
まとめ:第10話の見どころ・伏線まとめ
- お市の方「この婚礼は私の初陣じゃ」——政略婚を自ら”戦”と捉えた覚悟の名言。宮﨑あおいの演技が圧巻で号泣必至。
- 明智光秀(要潤)の初登場——寡黙な佇まいながら「また他を頼るまでのこと」「腹の底が見えません」と早くも本能寺への伏線が炸裂。
- 半兵衛の義昭変装見破りトリック——「我ら」という一言から推理を重ねた知謀シーンが秀逸。
- 柴田勝家とお市の戯れ言別れシーン——史実では夫婦になる二人の「フラグ」がコミカルかつ切なく描かれ、萌えと涙が共存。
- 信長「天下布武などつまらぬ。ただの通り道じゃ」——副将軍辞退と合わせて、信長の真の野望「天下一統」が明かされた衝撃の宣言。
- 浅井長政(中島歩)のやさしすぎる登場——わずか二言の気遣いでお市の幸せを祈らずにいられなくなる、切ない名シーン。
登場人物(第10話関連)
| 役名 | 俳優名 | 役どころ |
|---|---|---|
| 小一郎(豊臣秀長) | 仲野太賀 | 主人公。秀吉の弟。事務・人心掌握に優れた名補佐役 |
| 藤吉郎(豊臣秀吉) | 池松壮亮 | 秀長の兄。天下統一を目指す戦国武将 |
| 織田信長 | 小栗旬 | 秀吉・秀長の主君。天下一統を掲げる |
| お市 | 宮﨑あおい | 信長の妹。浅井長政のもとへ嫁ぐ |
| 浅井長政 | 中島歩 | 市の夫。物静かで誰からも慕われる大名 |
| 明智光秀 | 要潤 | 今回初登場。足利義昭の使者として岐阜へ |
| 足利義昭 | 尾上右近 | 将軍候補。従者に変装して信長に謁見 |
| 竹中半兵衛 | 菅田将暉 | 義昭の変装を見破った天才軍師 |
| 柴田勝家 | 山口馬木也 | お市の護衛役。戯れ言に翻弄されどもりまくる |
| 寧々 | 浜辺美波 | 秀吉の正妻 |
| 蜂須賀昌勝 | — | 半兵衛の屋敷の大きさに不満を持つ川並衆の頭 |










