【朝ドラ『あんぱん』第4週第17話 感想・考察】“川を渡った兄弟の絆”と“家族の葛藤”──千尋と崇、激突の果てに見えた想い【ネタバレあり】


朝ドラあんぱん相関図
引用元:NHK

第17話は、幼いころの兄弟の思い出と、現在の家族の軋轢が交差する緊迫の回。医学部への進学を巡って揺れる千尋と崇の間には、積年の誤解と嫉妬、そして“母の帰還”によって再び揺さぶられる家族関係が描かれた。冒頭では、兄弟で川を泳いで渡った誇らしい記憶が語られ、物語後半ではぶつかり合う言葉の応酬が心を打つ。

目次

あの川を越えた日──兄弟の絆の原点

今回の冒頭に描かれた川の回想シーンは、過去の純粋な兄弟の絆の強さを丁寧に描いていました。後半の衝突と対比されることで、物語全体のテーマに深みを与えていました。

朝ドラ『あんぱん』第4週第17話



「兄貴と川を泳いで渡ったときは、世界で一番大きな川に思えた」

幼いころ、千尋と崇が川を一緒に渡ったエピソード。あのときの一体感と誇りが、今なお千尋の心に残っていることが描かれた。

「2人で太平洋を横断した気持ちだった」

兄弟で力を合わせて何かを成し遂げた記憶──それは、現在のすれ違いとは対照的に、希望に満ちた時間だった。


すれ違い始めた想い──千尋と崇のすき間

ここでは、兄弟の誇りと劣等感が真正面から衝突しました。家庭内の微妙な空気が言葉となってあふれ出し、関係の修復にはまだ時間が必要だと感じさせられます。

朝ドラ『あんぱん』第4週第17話



「優等生ぶりやがって」「お前といると勉強がはかどらない」

千尋の進路を巡る家族内の空気と、兄・崇との微妙な関係がついに爆発。

「私は兄貴に譲ったりしません」 「私は私の行きたい道を行く」

視聴者からも「ついに本音をぶつけ合った」「兄弟のリアルな軋轢に泣いた」と共感の声が相次いだ。


のぶの存在が生んだ変化

崇と千尋のぶつかり合いの中で、のぶが口を挟んだ場面は、単なる気遣いではなく、千尋の言葉にできない本音を代弁するような力強さがありました。兄弟間の緊張を一瞬やわらげたのは、のぶの優しさと的確な観察力があったからこそです。

朝ドラ『あんぱん』第4週第17話

「のぶちゃんを前に勉強を教わりに来たんだよ」

この言葉が場の空気を変え、千尋も少しだけ素直になれたような瞬間でした。のぶの存在がこの家族の中で癒しと支えの役割を果たしていることが、改めて浮き彫りになった印象的なシーンでした。千尋が少しだけ素直になれたような場面。のぶがこの家族にとって癒やしと調整役になっている様子が見て取れる。


母の影──「戻ってきた」登美子への怒りと不信

この場面では、長年封じ込めていた“母への想い”が千尋から一気に噴き出す印象的な構成でした。過去の記憶と現実が交錯し、家族の再構築が一筋縄ではいかないことを強く感じさせます。

朝ドラ『あんぱん』第4週第17話

「ずいぶん前に捨てたと思ったら、急にまた戻ってきた」

「息子を利用して居場所を作ろうとしてるだけやろ」

母・登美子の帰還は、家族に新たな波紋を投げかける。

千尋が抱える母への不信感と、家族に対する強い防衛本能が爆発した一幕。


シーソーのような兄弟関係──変化する立場と感情

兄弟の関係が静かに反転している描写が心に残ります。かつては守られる側だった千尋が、今は“引っ張る側”になっているという事実に、その切なさと家族のリアルが胸に迫ってきました。

朝ドラ『あんぱん』第4週第17話

「シーソーみたいに、片方が上がったら片方が下がる」

昔は千尋を守っていた崇が、今では千尋に引っ張られる存在に。立場の変化が兄弟の心の距離を生んでしまった。

「お前は兄弟でも月とスッポン」

視聴者からは「家族だからこそ難しい」「ずっと我慢してきたのが伝わった」といった反応が見られた。


SNSの声

  • 「“川を渡った兄弟”の回想で涙腺崩壊」
  • 「のぶが仲介役として素敵すぎる」
  • 「家族って難しい、でも逃げたくないって気持ちもすごくわかる」
  • 「千尋の叫びに自分を重ねてしまった」

家族を“やり直す”ということ

再会と再構築。

兄弟が本音でぶつかり合い、母への感情が爆発する中、のぶの存在が一筋の光を差し込んだ。

第17話は、“家族をやり直す”ことの難しさと可能性を静かに、力強く描いた回だった。

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