【朝ドラ『あんぱん』第14週第68話 感想・考察・ネタバレ】「絶望の隣は希望や」夕刊廃止の絶望を乗り越える姿が話題

朝ドラ『あんぱん』第14週第68話

朝ドラあんぱん相関図①

朝ドラあんぱん相関図②
引用元:NHK

朝ドラ「あんぱん」第14週第68話「幸福よ、どこにいる」が2025年7月2日に放送され、のぶ(今田美桜)の「絶望の隣は希望や」という名言が大きな話題となっています。夕刊の発刊中止という絶望的な状況でも希望を見失わないのぶの姿勢に、視聴者から感動の声が続々と寄せられています。

目次

朝ドラ『あんぱん』第14週第68話 あらすじ

第68話では、のぶがGHQからチョコレートをもらった孤児たちに取材を行い、「暖かい布団で寝たい」「お父さんを返してほしい」という子どもたちの切実な願いを記事にまとめます。岩清水が「のぶさんは優しいですね」と評価し、東海林も記事を褒めますが、突然「夕刊の発刊が中止になった」という衝撃的な知らせが。土佐新報だけが夕刊を発刊することになり、のぶたちは遊軍記者に戻ることになってしまいます。

絶望的な状況の中、琴子とのぶは昼からやけ雑炊を頬張り、琴子は「みんな結婚してる」と愚痴をこぼします。一方、健太郎は嵩の誕生日を覚えており、万年筆をプレゼント。嵩は自分の誕生日を忘れていましたが、健太郎の心遣いに感動します。

そんな中、のぶは「ある人が教えてくれました。絶望の隣は希望や」と前向きな言葉を口にし、記者としての情熱を失わない姿勢を見せます。また、メイコが蘭子にお金を借りて東京に行きたいと相談。その理由は「ラジオののど自慢に出たい」というものでした。

のぶの「絶望の隣は希望や」名言に視聴者感動の嵐

朝ドラ「あんぱん」第14週第68話「幸福よ、どこにいる」は、主人公のぶ(今田美桜)の不屈の精神が光る感動的な回となりました。物語は、のぶがGHQからチョコレートをもらった孤児たちに取材を行うシーンから始まります。

GHQからチョコレートをもらった孤児たちへの取材シーン

冒頭のシーンで、のぶは戦災孤児たちにインタビューを行います。子どもたちが口にする言葉は切実で、

「暖かい布団で寝たい」

「お父さんを返してほしい」

という素直な願いが胸を打ちます。このシーンでのぶの優しさと記者としての使命感が際立って描かれ、岩清水(倉悠貴)が「のぶさんは優しいですね」と評価する場面が印象的でした。

のぶが

「子供らの声や顔を忘れない内に書こうと思って」

と語る場面があり、のぶの人柄の温かさが伝わってきます。戦後復興期の厳しい現実の中でも、子どもたちに寄り添う姿勢は、やなせたかし夫妻をモデルにしたこの物語のテーマ「人への優しさ」を体現しています。

夕刊廃止の衝撃と遊軍記者への降格

物語の中盤、東海林(津田健次郎)がのぶの記事を褒めた直後に衝撃的な知らせが届きます。

「夕刊の発行が中止になった」

という言葉が、希望に満ちていた編集部の空気を一変させました。

東海林の

「土佐シンポだけが発刊することに決まった」

「また遊軍記者に戻れやと」

という説明は、戦後復興期の新聞業界の厳しい現実を物語っています。GHQの政策により、より多くの新聞社からの発刊が奨励されるとはいえ、結局は大手新聞社が優先される現実が描かれています。

この場面での東海林と岩清水の表情の変化、特に何かを言えないでいる二人の様子は、視聴者に状況の深刻さを伝える効果的な演出でした。コーヒーを淹れに出たのぶが戻ってきた時の、周囲の微妙な空気感も丁寧に描写されています。

「絶望の隣は希望や」の名言が生まれた背景

最も印象的だったのは、のぶが発した

「ある人が教えてくれました。絶望の隣は希望や」

という言葉です。この名言は、夕刊廃止という絶望的な状況を前にしても、希望を見失わないのぶの強い意志を表現しています。

のぶが

「絶望のうちに入りませんけ元気出しましょう」

と続けている場面があり、のぶの前向きさが際立っています。この言葉を聞いた東海林が

「絶望の隣は希望か」

と反復する場面も、印象的な演出でした。

健太郎から嵩への誕生日プレゼント「万年筆」が話題

第68話のもう一つの見どころは、健太郎(高橋文哉)が嵩(北村匠海)に万年筆をプレゼントするシーンでした。この場面は、二人の友情の深さを感じさせる温かいエピソードとして話題になっています。

忘れられていた誕生日と健太郎の心遣い

雑貨を売る健太郎のもとに東海林が立ち寄り、すれ違いざまに嵩もやってくるという偶然の出会いから、この心温まるシーンが始まります。健太郎が嵩にプレゼントを渡す際、「誕生日だな」と言われて嵩が「本当だ。誕生日だ」と自分の誕生日を忘れていたことに気づく場面は、戦後の混乱期で日々を生きることに精一杯だった時代背景を反映しています。

嵩が

「誕生日だなおめでとう。ありがとう」

と感謝の気持ちを示す場面が確認でき、二人の関係性の良さが伝わってきます。健太郎の細やかな気遣いは、友情を超えた深い絆を感じさせます。

万年筆に込められた意味と視聴者の考察

プレゼントされた万年筆は、単なる文房具以上の意味を持っています。作家を目指す嵩にとって、万年筆は創作活動の象徴的なアイテムです。健太郎がこの贈り物を選んだことは、嵩の夢を理解し、応援する気持ちの表れといえるでしょう。

また、「HOPE」というテーマが物語全体を貫く中で、この万年筆が希望を書き記すペンとしての役割を果たすことも考えられます。やなせたかしが後に「アンパンマン」を生み出すペンとなる可能性も含めて、視聴者の間では様々な考察が生まれています。

嵩と健太郎の関係性の深まり

この誕生日プレゼントのエピソードは、嵩と健太郎の関係性がより深いものになっていることを示しています。戦後の混乱期という厳しい時代の中で、互いを支え合う友情は貴重なものです。

また、のぶと嵩の関係との対比として、健太郎との友情が描かれることで、物語により深みが加わっています。視聴者からは「健太郎がいることで嵩が成長している」「三人の関係性が面白い」といった声も聞かれます。

琴子の「やけ雑炎」シーンと恋愛事情

第68話では、琴子(鳴海唯)の魅力的な一面も描かれました。特に「やけ雑炎」を食べるシーンは、視聴者の印象に強く残る場面となっています。

昼からのやけ雑炎が似合う琴子の魅力

夕刊廃止のショックを受けて、琴子とのぶが昼からやけ雑炎を頬張るシーンは、二人の友情と琴子のサバサバとした性格を表現する効果的な演出でした。は「昼からお酒は行き過ぎやけど」という言葉があり、琴子の飲みっぷりの良さがうかがえます。

「やけ雑炎」という表現は、当時の言葉遣いを反映しており、戦後復興期の雰囲気を演出しています。

「みんな結婚してる」愚痴と岩清水への本音

琴子の愚痴

「みんな結婚してる」

は、戦後復興期の女性の置かれた状況を反映しています。新聞社で働く女性として、結婚と仕事の両立に悩む琴子の心境が表現されています。

特に岩清水について

「あの人は好みやない人やけど」

と本音を漏らす場面は、琴子の率直な性格を表すとともに、職場での微妙な人間関係を描いています。

「岩清水さん、あの人は好みやない人やけど、なんか好みではない」

という発言があり、琴子の複雑な心境がうかがえます。この発言は、視聴者の間で「岩清水フラグ」として話題になっており、今後の恋愛展開への期待が高まっています。

社内での恋愛模様と視聴者の反応

琴子の恋愛観は、戦後復興期の女性の価値観を反映しています。

「新聞社入ったが間違った。新聞社から嫁を探し記者がいっぱいあると思ったんだよ」

という発言は、当時の女性が結婚相手を見つける場として職場を意識していたことを示しています。

しかし、現実は「みんな結婚しちゃう」状況で、琴子の理想と現実のギャップが描かれています。このような描写は、現代の女性視聴者にも共感を呼び、琴子への親近感を増す要因となっています。

メイコの東京行き「のど自慢」への挑戦

第68話の終盤では、メイコの新たな夢が明かされ、物語に新しい展開をもたらしています。

蘭子への借金相談と東京への憧れ

メイコが蘭子に「お金貸してくれ」と頼むシーンから、この新展開が始まります。

「東京行きたいんだよ」

というメイコの願いが明確に表現されており、地方から東京への憧れという、戦後復興期の典型的な心境が描かれています。

蘭子の

「何で東京に行きたいかと言いなさい」

という問いかけは、メイコの本心を引き出す効果的な演出でした。最初は「言わん」と言いながらも、最終的に本音を明かすメイコの心の動きが丁寧に描写されています。

ラジオのど自慢出場の夢

メイコの東京行きの理由が

「ラジオののど自慢に出たい」

だったことは、視聴者にとって意外性のある展開でした。戦後復興期において、ラジオは重要な娯楽メディアであり、のど自慢は多くの人々の夢の舞台でした。

この夢は、メイコの歌への情熱と、より大きな舞台での成功への憧れを表現しています。地方の小都市から東京への挑戦は、多くの人が抱く普遍的な夢でもあります。

戦後復興期の女性の自立と夢への挑戦

メイコの東京行きの夢は、戦後復興期の女性の自立への願いも象徴しています。従来の価値観にとらわれず、自分の夢を追求する姿勢は、現代女性にも通じる普遍的なテーマです。

蘭子がメイコの夢を理解し、支援する姿勢を見せることで、女性同士の支え合いも描かれています。この関係性は、視聴者に温かい印象を与え、今後の展開への期待を高めています。

また、メイコの挑戦は、物語全体のテーマである「希望」とも連動しており、のぶの「絶望の隣は希望や」という言葉とも呼応する構成となっています。

第68話の演出と脚本の見どころ

第68話は、脚本・演出ともに非常に丁寧に作られており、視聴者の心を捉える要素が随所に散りばめられています。

「HOPE」をテーマにした物語構成

第68話では、「HOPE(希望)」というテーマが一貫して描かれています。のぶの「絶望の隣は希望や」という名言を中心に、健太郎の友情、メイコの夢、琴子の恋愛など、それぞれのキャラクターが何らかの形で希望を抱く構成となっています。

特に、東海林が雑貨屋で「HOPE」という文字を目にするシーンは、偶然を装った必然として効果的に配置されています。これらの演出により、物語全体に統一感が生まれ、視聴者に深い印象を与えています。

戦後復興期の新聞社の現実描写

夕刊廃止という出来事を通じて、戦後復興期の新聞業界の厳しい現実が描かれています。GHQの政策により、表面的には多様性が推進されながらも、実際には大手企業が優遇される現実は、現代社会にも通じる問題として視聴者に響いています。

東海林の

「結局今はまだルールに引きずられるってことや」

という発言は、制度と現実のギャップを端的に表現しており、時代背景を理解する上で重要な台詞となっています。

やなせたかし夫妻をモデルにした希望の物語

第68話全体を通じて、やなせたかし夫妻をモデルにした物語の本質が現れています。困難な状況でも希望を失わず、人への優しさを忘れない姿勢は、後の「アンパンマン」創作につながる重要な要素として描かれています。

のぶの記者としての使命感、子どもたちへの愛情、そして絶望的な状況でも前向きさを失わない精神は、アンパンマンの「困っている人を助ける」という理念の原点を感じさせます。

まとめ

朝ドラ「あんぱん」第14週第68話「幸福よ、どこにいる」は、のぶの「絶望の隣は希望や」という名言を中心に、希望というテーマを多角的に描いた秀逸な回でした。夕刊廃止という絶望的な状況、健太郎から嵩への心温まるプレゼント、琴子の恋愛事情、メイコの東京への夢など、それぞれのエピソードが有機的に結びつき、視聴者に深い感動を与えています。

特に、戦後復興期の厳しい現実の中でも希望を見失わない人々の姿は、現代社会を生きる私たちにも大きな励みとなっています。今後の展開への期待も高まる中、やなせたかし夫妻をモデルにしたこの物語がどのような希望の物語を紡いでいくのか、引き続き注目していきたいと思います。

第68話の見どころ・伏線まとめ

  • のぶの「絶望の隣は希望や」名言:夕刊廃止の絶望を乗り越える記者魂と、後のアンパンマン創作につながる希望の哲学が表現された印象的なセリフ
  • 健太郎から嵩への万年筆プレゼント:忘れられていた誕生日を覚えていた健太郎の心遣いと、作家を目指す嵩の創作活動を支える象徴的なアイテムとしての意味
  • 琴子の「やけ雑炊」と岩清水フラグ:昼からの焼け雑炊シーンで見せた豪快さと、「好みやない」と言いながらも気になる岩清水への複雑な感情が今後の恋愛展開を予感させる
  • メイコの東京「のど自慢」挑戦:蘭子への借金相談から明かされた歌への夢と、地方から東京への憧れが描く戦後女性の自立への願い
  • 「HOPE」をキーワードとした物語構成:東海林が雑貨屋で目にした文字から嵩への万年筆まで、希望というテーマが様々な場面で有機的に結びついた巧妙な演出
  • 戦後新聞業界の現実描写:GHQの政策下での夕刊廃止という史実を背景に、理想と現実のギャップを描きながら、それでも希望を失わない人々の強さを表現
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