
大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第26話「三人の女」が2025年7月6日に放送され、SNSで大きな話題となっています。蔦重(横浜流星)の真っ直ぐなプロポーズ、歌麿(染谷将太)の切ない片思い、そして現代の物価高とリンクする天明の米騒動など、見どころ満載の神回でした。
べらぼう第26話 あらすじ
天明の大凶作により米価が暴騰し、江戸の庶民は困窮していました。蔦屋でも米が最後の一俵となる中、蔦重の母・つよ(高岡早紀)が突然現れ、店に新たな活気をもたらします。一方、おてい(橋本愛)は自分が蔦重にふさわしくないと悩み、品の系図作りに没頭しながらも心の距離を感じていました。
そんな中、田沼意知が「雲助」として蔦重の元を訪れ、米の値を下げる策を相談。蔦重は狂歌集を使った言霊作戦を提案し、意知は感激します。しかし、おていは自分の無力感から家を出て寺に向かってしまいます。
息を切らして追いかけた蔦重は、おていに「俺が俺のためだけに目利きした、俺のたった一人の女房」と告白。二人はついに心を通わせますが、隣の部屋で聞いていた歌麿は、祝福の涙を流しながらも自身の報われない想いに胸を痛めるのでした。
感動の嵐「俺のたった一人の女房」
大河ドラマ「べらぼう」第26話のクライマックスは、なんといっても蔦重(横浜流星)からおてい(橋本愛)への真っ直ぐなプロポーズシーンでした。
「それはずいぶんな見くびりですね。江戸一の目利きだ。けど、てめえの女房の目利きだけはしくじった。お前さんはそう言ってるんですよね」
という蔦重の言葉は、まさに彼らしい表現でありながら、深い愛情に満ちたものでした。
おていの自信喪失と出家騒動
おていが蔦重の元を離れようとした理由は、自分が蔦重にふさわしくないという深刻な自信喪失でした。
「私は石頭のつまらぬ女です。母上様のような客あしらいもできず、歌さんや集まる方たちのような才があるわけでもなく、できるのは帳簿をつけることぐらい」
という台詞からは、彼女の内面の苦悩が痛々しいほど伝わってきます。
特に注目すべきは、
「そこの女将にはもっと華やかで才のある、例えば吉原一の花魁を張れるような、そういうお方がふさわしいと存じます」
という言葉です。これは明らかに瀬川への言及であり、おていが蔦重の過去を知っていることを示唆しています。
SNSでは
「前の旦那が吉原で花魁に入れあげていたトラウマは想像以上に根深かったようだ」
という声も上がっており、おていの心の傷の深さが視聴者にも伝わっています。
息を切らして追いかける蔦重の必死さ
寺に向かったおていを息を切らして追いかける蔦重の姿は、これまでの軽妙なキャラクターからは想像できないほど必死でした。おていに会った後も息切れをしているシーンがあり、蔦重の真剣さが伝わってきます。
そして蔦重が告白した
「俺と同じ考えで、同じ辛さを味わってきた人がいたって。この人ならこの先山があって谷があっても一緒に歩いてくれんじゃないか。いや一緒に歩きたいって。お前さんは俺が俺のためだけに目利きした。俺のたった一人の女房でさ」
という台詞は、まさに蔦重らしい不器用ながらも真っ直ぐな愛の告白でした。
SNSで「号泣した」の声続出
このプロポーズシーンには視聴者から感動の声が続出しました。
「蔦重はそれを止めるためにプロポーズ。真っ直ぐな想いが伝わってきて、とても良かったです!」
という投稿や、
「重三からおていさんへのプロポーズ、涙がやたら出た。泣くようなシーンではないと思いつつ泣いていた」
という声からも、このシーンが多くの視聴者の心を打ったことがわかります。
また、
「蔦重が、あの蔦重がやっとまともなプロポーズを!」
という投稿からは、これまでの蔦重のキャラクターを知る視聴者だからこその感動が伝わってきます。横浜流星と橋本愛の演技力も相まって、忘れられないシーンとなりました。
現代とリンクしすぎる天明の米騒動「あまりにも令和」と話題
第26話のもう一つの大きなテーマは、天明の米騒動でした。台詞の中でも
「昨年の値の倍にございます」
「市中でも由々しき騒動が起こっておりました」
という状況説明があり、その深刻さが伝わってきます。
米価暴騰で庶民の生活が困窮
「この夏の寒さ、今年は著しい不作となり」
「米問屋、仲買人などが売り惜しみ」
という状況で、まさに現代の物価高と重なる構図でした。蔦屋でも「倉野米が最後の1俵となりました」という状況で、奉公人を抱える商家の厳しさが描かれています。
「大げさに聞こえるかもしれませんが、店にとって米代は馬鹿にできる支出でございました。なぜならば、この頃の奉公人は基本住み込み、食事は店でまかなう習わしでした。かつ、当時はおかずが少ない分、今からは考えられないほどの量の米を食べました」
という解説は、当時の米の重要性を現代の視聴者にもわかりやすく伝えています。
株仲間廃止という蔦重の革新的提案
最も注目すべきは、田沼意知が蔦重のアイデアを受けて提案した
「米に関わる株仲間をしばし廃止してはどうかと」
という政策でした。意知は
「株仲間は、本来物の値を抑えるはずのものでございました。しかしながら、もはや株仲間こそが結託し、値をつり上げている現況にございます」
と分析し、規制緩和による競争促進を提案しています。
「これを一旦はなきものとし、誰でも米を売ってよしとするのです。そうすれば、必ずや安く売って儲けたい、この機に乗じたいなどと考える欲深な者の類が出てくる」
という論理は、現代の経済学にも通じる先進的な考え方でした。
視聴者「タイムリーすぎる」「越後製菓も怒ってる」
SNSでは
「あまりにも令和な天明の米騒動」
「色々タイムリーすぎる天明の米騒動」
という声が相次ぎました。特に
「越後製菓も米不足に怒っています」
という投稿は、現代企業を絡めたユーモラスな表現として話題になりました。
「なんで米の話が現実とリンクしてるんだよ」
という投稿からも、視聴者が天明の米騒動と現代の物価高を重ね合わせて見ていることがわかります。この現代性こそが、「べらぼう」が単なる時代劇を超えて現代の視聴者に刺さる理由の一つと言えるでしょう。
歌麿の切ない片思いに「貰い泣き」の声「三人の女」の真意
サブタイトル「三人の女」の真意が明らかになったのは、最後の歌麿(染谷将太)のシーンでした。おてい、つよ、そして第三の女は歌麿自身だったという解釈は、多くの視聴者を驚かせました。
壁一枚隔てて聞く新婚夫婦の会話
「壁の一枚が薄いせいか、ていと蔦重が話しているのを聞いている歌麿」という描写は、歌麿の置かれた切ない状況を物語っています。新婚夫婦の部屋の隣で、自分の想い人と兄貴分の愛を確認する場面を聞かなければならない歌麿の心境は、想像するだけで胸が痛くなります。
「新婚夫婦と壁一枚隣で生活する事になり、契約結婚の様な関係も気に入らない様子の歌麿」
という投稿からも、歌麿の複雑な心境が伝わってきます。
祝福の涙に隠された複雑な想い
クライマックスで「隙間から覗き込んで涙を浮かべる歌麿。この涙は嫉妬も少し混じった喜びのような感情のように感じた」という描写は、歌麿の心の動きを見事に表現していました。
台詞でも歌麿が
「へえ、よかったな」
と言いながら涙を流すシーンがあり、祝福の気持ちと自分の想いが叶わない切なさが混在した複雑な感情が描かれています。
SNSでは
「ようやく心も結ばれた二人を祝福し一人涙する歌麿に貰い泣き…」
という声や
「歌麿の失恋切ない」
という投稿が相次ぎ、多くの視聴者が歌麿の心境に共感していました。
「生まれ変わるなら女がいいから」の真意
歌麿の台詞
「生まれ変わるなら女がいいからさ」
は、一見軽い冗談のように聞こえますが、実は深い意味を持っています。これは歌麿が蔦重への想いを自覚しながらも、それが叶わないことを受け入れようとする心境の表れでした。
「三人の女って…布団を被って啜り泣くのが辛すぎた」
という投稿からも、視聴者が歌麿の心境を深く理解していることがわかります。
蔦重母つよ登場で店が大混乱「ベラバア」の愛称で話題
第26話で新たに登場した蔦重の母・つよ(高岡早紀)は、瞬く間に視聴者の心を掴みました。「ベラバア(べらぼうにおもしれーババア)」という愛称まで生まれるほどの強烈なキャラクターでした。
高岡早紀の怪演が光る人たらし母
つよの初登場シーンでは、蔦重が「その女性は蔦重の母・つよだった。蔦重が珍しく女性に激しい怒りを見せつける」という描写があり、蔦重の動揺ぶりが表現されています。
台詞の中でつよが
「みんな立派な店構えでも、おっかさんに食わせる飯はいつでもない」
と言うシーンは、息子への当てつけともとれる言葉でありながら、どこか憎めない母親の強さを表していました。
高岡早紀の演技について
「かつてテレ東版『おんな太閤記』でお市様を演じた高岡早紀氏がこうもババア呼ばわりされる日が来ようとは」
という投稿もあり、女優としての幅広さが話題になりました。
髪結いビジネスの新提案
つよが提案した髪結いビジネスは、
「売り込み髪結いの後、長旅の商人は髪が乱れてる人も多いからさ。身なりを整えてるときに本を売り込んだらどうかって」
という実用的なアイデアでした。
これに対して蔦重が
「こういうのが日本橋の店、きちんとしてたなってんだよ」
と感心するシーンは、つよの商才を認める瞬間でもありました。
嫁姑関係を超えた絆
注目すべきは、おていとつよの関係でした。「ていがつよの肩を持つ」「ていがつよを案内する」という描写からも、おていがつよを受け入れる寛容さが表現されています。
「しかし意外な事に、おていさんがつよさんにそんなに嫌悪感を持ってないんだよね。親が生きてるなら、どんな親でも後悔しないように親孝行させようとしてるみたいだし」
という視聴者の観察は的確で、おていの人柄の良さが際立っていました。
「嫁にBL布教する姑、無敵か?」
という投稿からは、つよとおていの関係性に対する視聴者の微笑ましい見方も感じられます。
「江戸のTwitter」狂歌で米価下げ!田沼意知の才覚開花
第26話では田沼意知の才覚が開花する場面も描かれました。蔦重が提案した狂歌を使った米価下げ作戦は、まさに「江戸のTwitter」とも言える情報戦略でした。
言霊作戦という斬新なアイデア
蔦重が南方先生と話し合って生まれたアイデアは
「米の値を下げたいのを南方先生に相談する」場面で具体化されました。
「俺たちは米ひと粒作れね、この世の役立たずじゃねか。そんな俺たちができることってのは、天に向かって言霊投げつけることだけだろう」
という蔦重の台詞は、彼らしい発想の転換でした。
「歌だけじゃ、めでたさに欠ける。ここは一つ、もっとぶっ飛んで、黄表紙仕立ての狂歌集にすんだよ」
という提案は、エンターテインメントとメッセージを融合させた現代のマーケティング手法にも通じるものでした。
意知の危うさと才能のギャップ
田沼意知が「雲助」として蔦重の元を訪れるシーンでは、
「次から次へよく考えつくもんだ」
「そうでもしねえと生きてこられませんでしたからね」
という会話が印象的でした。
意次は意知の提案を聞いて
「何とかあの場を切り抜けたから、こっからが正念場じゃ」
と決意を新たにしますが、SNSでは
「本当にコレ。全然期待できる流れではない。怖すぎ」
「田沼意知は前々から迂闊で危なっかしい」
という不安の声も上がっていました。
次回への不穏な伏線
エンディングで「次回、佐野の裏切り」という予告が流れ、意知を取り巻く状況の危険性が示唆されました。
「蔦重の話を曲解してやばい事思いつくキッカケになってしまったシーン」
という指摘もあり、蔦重のアイデアが思わぬ方向に発展する可能性も示されています。
「どう考えても既得権益をぶっ壊しに動き出すシーンなので、嫌な予感の方をビンビンに感じる」
という投稿からも、視聴者が意知の今後を案じていることがわかります。
「ますます狂歌がお江戸のTwitterとしか思えなくなってくる」
という投稿は、まさに的確な表現で、狂歌という江戸時代の情報媒体の現代性を見事に言い当てています。
第26話「三人の女」は、恋愛、政治、経済、そして人間関係のすべてが絡み合った密度の濃い回でした。「ぎゅうぎゅう詰めの塩梅が堪らない」という視聴者の感想が示すように、限られた時間の中に多くの要素を詰め込みながらも、それぞれのエピソードが有機的に結びついた見事な構成でした。
蔦重とおていの関係が新たな段階に入り、歌麿の想いが明確になり、つよという新キャラクターが加わって物語がさらに複雑化する中で、天明の米騒動という歴史的事件が現代の問題と重なって描かれる。まさに「べらぼう」らしい、時代を超えた普遍性を持った回となりました。
まとめ:第26話の見どころと今後の伏線
- 蔦重の真の愛情表現:「俺のたった一人の女房」という告白で、ついにおていとの心の距離が縮まり、真の夫婦関係が始まる
- 歌麿の切ない恋心の決着:「三人の女」の真意が明らかになり、歌麿の蔦重への想いが描かれる一方で、彼の絵師としての成長も描かれる
- 天明の米騒動と現代リンク:株仲間廃止という革新的政策提案により、江戸時代の経済問題が現代の規制緩和論と重なる構図
- 田沼意知の危険な才覚開花:蔦重のアイデアに感化された意知が政治的野心を見せ始め、「佐野の裏切り」という次回予告で暗殺の伏線が濃厚に
- 母つよの参戦で新展開:高岡早紀演じる「ベラバア」が店に新風を吹き込み、髪結いビジネスなど商売の幅が広がる可能性
- 狂歌=江戸のSNS戦略:言霊を使った米価下げ作戦により、情報発信の重要性が現代のマーケティング論として描かれ、蔦重の先見性が際立つ