
朝ドラ「あんぱん」第20週第98話「見上げてごらん夜の星を」では、のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)がお互いの秘密を打ち明け、新たな絆を深めるシーンから始まりました。7年後、漫画家として売れずに悩む嵩の前に、いせたくや(大森元貴)と個性的な六原永輔(藤堂日向)が現れ、ミュージカルの舞台美術を依頼します。
朝ドラ『あんぱん』第20週第98話 あらすじ
物語は昭和35年3月へと時が飛び、のぶと嵩の関係性も成熟した夫婦の姿へと変化しています。蘭子は映画雑誌で連載を持つまでに成長し、それぞれが歩んできた7年間の重みが描かれました。そんな中、たくやが持ち込んだミュージカルの話は、嵩にとって新たな挑戦の機会となります。
自信のない嵩に対し、のぶが久しぶりに発した「たっすいがーはいかん」という高知弁での励ましは、視聴者の心を掴み、SNSでも大きな話題となりました。一方、六原永輔の「お美しい三拍子」発言や独特な雰囲気は、物語に新たな風を吹き込んでいます。
のぶと嵩の秘密の告白シーン – 7年間の絆の始まり
第98話の冒頭で描かれた、のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)がお互いの秘密を打ち明けるシーンは、この夫婦の新たなスタートを象徴する重要な場面でした。
「あのね、うち嵩さんに言ってないことがある」
というのぶの言葉から始まり、嵩も
「実は僕も」
と続ける展開は、視聴者の心を掴みました。コタツを挟んで向き合う二人の表情からは、お互いへの信頼と愛情が伝わってきます。
嵩が黒板を指しながら
「ここに書いてあるの全部嘘なんだ。見栄張って嘘ついてごめん。」
と見栄を張ったことを素直に謝る一方で、のぶも
「うちの方はもっと深刻な、秘書をクビになりました。ごめんなさい」
と打ち明けます。
二人とも挫折を経験しながらも、
「お先真っ暗だね、これからどうしようか。」
「でも、うちはこれぐらいでこたれんき」
というのぶの前向きな言葉が印象的でした。この場面は、夫婦が困難を乗り越えて成長していく朝ドラらしい希望に満ちたシーンとして、多くの視聴者の共感を呼びました。
嵩がぼん、ぼんと絵を描く隣で、のぶが微笑みながら見守る姿は、7年後の夫婦関係の基盤となる大切な瞬間でした。お互いの弱さを受け入れ合うことで、より深い絆で結ばれた二人の関係性が、その後の物語展開に大きな意味を持つことになります。
時は流れて昭和35年 – 成長した登場人物たちの現在
物語は一気に7年後の昭和35年3月へと時間が飛びます。白黒テレビを囲んで座る、のぶ、蘭子、メイコ、そしてメイコの子供たち。子供たちがすっかり大きくなった姿は、時の流れを実感させる演出でした。
蘭子の映画評論家としての活躍
蘭子は会社勤めをしながら映画雑誌への連載を持つまでに成長していました。
「会社づとめしながら、ほんまに偉い」
「好きな映画のこと書きゆうだけ。」
という説明から、彼女の努力と才能が実を結んだことがわかります。
特に
「ちょっと辛口な映画評が人気みたい」
という評価は、蘭子らしい個性が活かされていることを示しています。記事の打ち合わせシーンでは、プロフェッショナルとして成長した蘭子の姿が描かれ、7年間の積み重ねの重みを感じさせました。
嵩の漫画家への道のりと現状
一方で嵩は「未だ漫画家として売れる気配のない」状況が続いています。健太郎や栗田先生との会話シーンでは、周りの人々が活躍している中で、なかなか結果を出せない嵩の複雑な心境が表現されていました。
「それに比べて俺はどうも」
という嵩の言葉からは、焦りや劣等感が感じられます。しかし、蘭子が
「お姉ちゃん、嵩さんが漫画家として売れるがずっと待つつもり。」
と質問すると、のぶが、
「嵩さんは面白い漫画描きいうがやき、そのうち必ず売れるって、うちは信じてる」
と語る場面では、夫への変わらぬ信頼と愛情が描かれています。
この7年間で、のぶと嵩の関係はより成熟したものになっており、お互いを支え合う真のパートナーシップが築かれていることが伝わってきます。
いせたくやと六原永輔の登場 – 運命の出会い
物語の転換点となったのが、いせたくや(大森元貴)と六原永輔(藤堂日向)の登場でした。二人が柳井家を訪れるシーンは、新たな展開への期待を高める重要な場面となりました。
大森元貴演じるたくやの魅力と歌唱シーン
Mrs. GREEN APPLEの大森元貴が演じるたくやの歌唱シーンは、多くの視聴者の心を掴みました。
「CAN CAN CAN Mellow~♪」
というコマーシャル音楽の説明から、音楽業界で活躍している様子が伝わります。
たくやが
「僕たちにしかできない、誰の真似でもない。日本で初めての日本人による日本人のためのミュージカルにします」
と語る場面では、彼の情熱と理想が強く表現されていました。大森元貴の自然な演技と歌唱力が、キャラクターに深みを与えています。
SNSでは
「たくちゃん大活躍やったね歌ってる場面、釘付けになったし、涙勝手に止まらんかった」
という声が多数上がり、多くの視聴者が感動したことが伺えます。
藤堂日向演じる永輔の強烈キャラクター
一方、六原永輔(藤堂日向)の登場は、物語にコミカルな要素をもたらしました。
「はじめまして、六原永輔と申します。いやーお美しい、お美しい、お美しい。お美しいの三拍子」
という独特な挨拶は、視聴者に強烈な印象を残しました。
蘭子が
「随分適当ですね」
と呟く場面は、永輔の変わった性格を端的に表現しており、視聴者からも笑いを誘いました。演出家として天才的な才能を持ちながらも、一風変わった人物として描かれる永輔は、今後の物語展開に大きな影響を与えることが予想されます。
ミュージカル「見上げてごらん夜の星を」への誘い
たくやと永輔が嵩に持ちかけたミュージカルの舞台美術の話は、物語の重要な転換点となりました。
史実との関連性と物語の意味
「見上げてごらん夜の星を」というミュージカルのタイトルは、実際に永六輔とやなせたかしが関わった作品との関連を感じさせます。やなせたかしをモデルとした嵩が、このミュージカルに関わることで、新たな創作の道を見つける可能性が示唆されています。
「よく柳さんが書いた三星劇場の舞台のポスターを見たことがあって、すごく素敵だったんです」
というたくやの言葉は、嵩の才能を認めてくれる人がいることを示しており、長い間売れずに悩んでいた嵩にとって大きな希望となったはずです。
しかし、
「舞台美術なんてやったことないよ」
と弱腰になる嵩の姿は、新しい挑戦への不安を表現しています。この葛藤こそが、物語のドラマ性を高める重要な要素となっています。
「たっすいがーはいかん」- のぶの愛ある叱咤激励
嵩が舞台美術の依頼に対して自信を失っている時、のぶが発した「たっすいがーはいかん」という言葉は、今回のエピソードで最も印象的な場面の一つでした。
この高知弁での励ましは、のぶの愛情深い性格と、夫を支える強い意志を表現しています。
「なんかのぶちゃんのそれ久しぶりに聞いたな」
という嵩の反応からも、この言葉がいかに特別な意味を持っているかがわかります。
のぶが嵩に手紙を手渡すシーンでは、言葉だけでなく行動でも夫を支える姿が描かれており、夫婦の深い絆が感じられました。
「明日ここに来てくれって、嫌やったら断ればいいき」
という言葉は、嵩の意思を尊重しながらも、挑戦することの大切さを伝えています。
SNSでも
「そんな弱気な夫のお尻を叩くハチキンなのぶちゃんを観るのも楽しみです」
という声が上がり、のぶの力強さが多くの視聴者に評価されています。
稽古場での初対面 – 永輔との衝撃的な出会い
エピソードの終盤で描かれた、嵩が稽古場を訪れるシーンは、緊張感に満ちた場面でした。たくやが演技指導をしている様子からは、彼の真剣さと情熱が伝わってきます。
「もう全く楽しさが伝わらないね。君たちに技術があるのはわかった。技術なんていらない。きみたち自身がもっと楽しまなきゃ意味がないんだよ」
というたくやの指導は、彼の芸術観を表現する重要な台詞でした。
そこに現れた永輔との対面シーンでは、
「一切の仕事を辞めました。あなたもこのミュージカルに一切を捨てて取り組んでください」
という強烈な要求が飛び出します。
嵩が
「いや、僕は本当普通の人間なんだよ。だからついていけないと思う」
と困惑する姿は、彼の等身大の反応として描かれており、視聴者も同じような気持ちになったのではないでしょうか。
この場面は、次回以降の展開への期待を高める効果的なクリフハンガーとなっており、嵩がどのような決断を下すのか、多くの視聴者が気になるところです。
まとめ – 今回の見どころと今後の展開予想
第98話の主な見どころ
- のぶと嵩のお互いの秘密を打ち明ける感動的な夫婦愛のシーン
- 7年後の登場人物たちの成長と変化、特に蘭子の映画評論家としての活躍
- 大森元貴演じるたくやの歌唱シーンと情熱的な演技
- 藤堂日向演じる永輔の「お美しい三拍子」など強烈な個性のキャラクター
- のぶの「たっすいがーはいかん」による愛ある叱咤激励
- ミュージカル「見上げてごらん夜の星を」を通じた嵩の新たな挑戦への道筋
第98話は、登場人物たちの成長と新たな挑戦を丁寧に描いた回でした。特に、のぶと嵩の夫婦愛の深さと、新キャラクターたちがもたらす新鮮な風が印象的でした。今後、嵩がミュージカルの舞台美術にどう関わっていくのか、そして永輔との関係性がどう発展するのか、非常に楽しみな展開が待っています。