朝ドラ「ばけばけ」第10週第46話が12月1日に放送されました。冬の訪れとともに松江が一気に寒くなる中、ヘブンは火鉢だけの暖房に「地獄!」と悲鳴を上げ、松野家には相変わらず借金取りの銭太郎が登場。そんな日常の中、ヘブンの教え子である中学生・小谷春夫がトキに恋心を抱き始めます。「顔に惚れた」と照れながら告白する小谷を、幼なじみのサワが優しくからかう展開に、SNSでは「秋生まれの春夫」「モテモテトキ」「中学生らしいストーカー気質?」と話題騒然。今回は笑いあり、ほっこりあり、そして少し不穏な恋の予感ありの回となりました。
「ばけばけ」第10週第46話のあらすじ
松江に冬が到来し、寒さに震える日々が始まる。松野家には借金取りの銭太郎が訪れるが、きっちり返済するフミに「来月は少なく返せ」と謎の提案をする優しさを見せる。トキはフミから怪談本をもらって大喜び。一方、ヘブンは火鉢しかない部屋の寒さに「地獄!」を連発し、風呂に直行する。その頃、松江中学の生徒・小谷春夫がヘブンの忘れ物を届けに来て、トキと二人きりで会話を楽しむ。錦織との関係を尋ねたり、「こんな綺麗な方といつも一緒にいられて羨ましい」とヘブンを羨む小谷。数日後、トキの家の前をうろつく小谷をサワが発見。「好きなの?」と聞かれ、「顔に惚れた」と照れる小谷に、サワは「応援しとるけん」と優しくエールを送る。
冬到来!松野家の朝と借金取り銭太郎の意外な優しさ
寒さに震える松江の冬景色
第46話は、蛇とカエルのナレーションから始まります。
「ヘビです。カエルです。蛇とカエルです。松江に寒い冬がやってきました。私たちは冬眠しているから、土の中からそっと見守っていましょう。そっとね。うー、寒い。」
この語りが象徴するように、松江には本格的な冬が到来しました。松野家の朝も寒さに包まれ、勘右衛門が素振りをする中、司之介は牛乳配達の途中で
「もう寒くてちょっと、とりあえず朝飯にしますか?」
と早々に帰宅してしまいます。寒さに弱い司之介の姿に、家族も呆れ顔です。
銭太郎「来月は少なく返せ」の謎提案
そこへ借金取りの銭太郎が登場します。フミが今月分の返済金を渡すと、銭太郎は律儀に数え始めます。
「ひー、ふー、みー、よー、いち、むー、ななやー、おこのつ、とー。」
「10円間違いございませんね。」
しかし、お金を受け取った後の銭太郎の反応が予想外でした。帰るかと思いきや、突然怒り出します。
「拍子抜けするだが。貧乏人のくせに。金持ちみてえに毎月ようけ返し腐りやがって。あー。」
さらに銭太郎は、借金取りとしての持論を展開します。
「借金取りっちゅうのは、返したくても返せん貧乏人のツラやらケツやらはたいてイビって、女子供泣かせて偉そうにして、なんぼの商いなんだけん。だども、こげにようけ返されたら商売あがったりだがね。」
これには松野家一同も困惑。フミが
「でも、借金はきちんと返さんと。」
とたしなめますが、銭太郎の言葉は続きます。
「冬だが、寒いがね。だけん、今月は風邪ひかんように体にようけようけ気いつけて、休み休み労って労ってくらせ。そんで、来月少のを返せ。」
借金取りなのに「少なく返せ」という提案。これには司之介も
「わけわからんかった。」
と首を傾げますが、勘右衛門は
「あいつは相変わらず無礼じゃの。」
と一刀両断。この銭太郎の人間味あふれる優しさが、SNSでも「借金取りらしくない」「優しすぎる」と話題になりました。
ちなみに司之介は、今後の方針を
「これからは健康第一、返済第二で頑張っていくわ。」
と宣言しますが、勘右衛門から
「お前、今まで返済第一で頑張ってたか。適当第一、迷惑第二でやっとったじゃろ。なら、誰が借金を抱えた?」
と痛烈なツッコミを受け、何も言い返せなくなります。この父子のやり取りも、朝ドラらしいユーモアが光るシーンでした。
トキが怪談本をもらって大喜び!フミの愛情とヘブンの「地獄」
古本屋で見つけた奇談集
出かけようとするトキを、フミが呼び止めます。
「おトキ、ちょっとお待ち。これ。」
渡されたのは「奔放諸国奇談集」という怪談の本。トキは目を輝かせて
「怪談の本?」
と確認すると、フミが
「古本屋でね。頑張っちょるけん仕事の息抜きに。」
と優しく説明します。
トキの喜びようは尋常ではありません。
「えー。ありがとう!」
と叫びながらフミに抱きつく姿は、怪談好きのトキらしい純粋な喜びが表現されています。この本が後々、ヘブンとの交流や「奇談集」制作に繋がっていくのかもしれません。フミの娘への愛情と、トキの素直な感情表現が心温まるシーンでした。
ヘブンの寒がり描写が笑える
場面は花田旅館のヘブンの部屋へ。ヘブンはマフラーを巻き、掛け布団をかぶって
「寒い寒い」
と部屋の中を行ったり来たり。トキが掛け布団を掛けてあげると、うめが炭を持ってきますが、ヘブンの不満は爆発します。
ヘブンは英語で寒さの辛さを訴えます。
「外はイギリスと同じ寒さなのに、部屋の中は大違い。壁が薄い。火鉢しかない。ストーブや暖炉ない。外も中も寒い。そんなのおかしい」
という内容を、小谷が後で説明してくれます。そして最後に一言だけ日本語で叫びます。
「地獄!」
この「地獄」という日本語が、ヘブンが松江に来てから覚えた数少ない日本語らしく、寒さのたびに連発しているようです。小谷によれば、学校でも英語で寒さを訴えた後、最後に必ず
「地獄!」
と日本語で付け加えるとのこと。
トキが
「一体どこで覚えたんだか。」
と不思議がるのも無理はありません。このヘブンの「地獄」連発が、今回の笑いのポイントの一つとなっています。結局ヘブンは風呂が沸いたと聞いて即座に向かいますが、火鉢だけの暖房では外国人には厳しい松江の冬が描かれました。
小谷春夫登場!トキとの二人きりの時間が始まる
忘れ物を届けに来た中学生
ヘブンが風呂に入っている間、松江中学の生徒・小谷春夫が忘れ物を届けに現れます。うめが案内すると、小谷は少し緊張した様子でトキと対面します。
「ヘブン先生にお忘れ物を届けに。ご無沙汰しております。」
トキが
「小谷です。」
と名前を確認し、お茶を出してもてなします。小谷は待っている間、トキとの会話を楽しみ始めます。
「いやしかし、先生は寒がりでいらっしゃいますよね。学校でも寒い寒い寒い寒いおっしゃっています。」
トキが
「やっぱり?」
と相づちを打つと、小谷はヘブンの寒さへの不満を詳しく説明します。そして最後のオチとして、ヘブンが必ず
「地獄!」
と日本語で言うことを明かします。
トキが
「あ、もしかして。」
と当てると、小谷は嬉しそうに確認を求めます。
「あ、分かります?では、」
トキが
「地獄!」
と答えると、小谷は
「やっぱり。」
と笑顔になります。このやり取りで、二人の間に自然な会話が生まれ、距離が縮まっていきます。
錦織との関係を探る小谷
会話が弾む中、小谷は気になっていたことを尋ねます。
「おトキさんはなぜヘブン先生の女中をやられているんですか?失礼ですが、英語ができんのに、なぜ?」
トキは少し驚きながらも答えます。
「あぁ、あーそれは錦織先生からのご紹介で。錦織先生とは昔からの知り合いで。」
すると小谷の顔色が変わります。
「え?それはもしかして恋仲だったとか?」
この質問にトキは慌てふためきます。
「恋仲?あーあーあーあーすいません。いやまさか。あのー、ちょっとまあなんてただの知り合いというかな。うーん、いや、ただの知り合いです。」
トキの必死の否定に、小谷は少しホッとした様子。ここでの小谷の質問は、明らかにトキと錦織の関係を探っており、自分の恋心が芽生え始めていることを示しています。トキが錦織との関係を否定したことで、小谷の中で何か決意が固まったのかもしれません。
「こんな綺麗な方と」発言の意味
そしてトキが
「まあ、とにかく英語はできんでええからと。」
と話を終えようとすると、小谷が思わず本音を漏らします。
「それにしてもいいですね。ヘブン先生は。こんなお綺麗な方といつもいられて。」
このストレートな褒め言葉に、トキは
「え?え?」
と戸惑います。小谷も自分が言ってしまったことに気づき、慌てて謝ります。
「あーすいません。なんか松江の中学生らしくないことつい。すいません。」
この「松江の中学生らしくない」という自己評価が面白いところ。中学生なりに背伸びした言葉を選んだつもりが、つい本心が出てしまった瞬間です。トキは照れながらも
「あはは。」
と笑って流しますが、この時点で小谷のトキへの好意は明らかになりました。
その後、風呂から上がったヘブンが現れ、小谷はヘブン先生にノートを手渡して帰っていきます。しかしこの短い時間が、小谷にとっては特別な時間になったことは間違いありません。
サワが目撃!トキの家の前をうろつく小谷の恋心
秋生まれの春夫というコミカルなやり取り
数日後、サワが外に出ると、トキの家の前で不審な動きをする人影を発見します。それは小谷春夫でした。
サワが話しかけると、小谷は緊張した様子。サワは名前を聞いて、面白い反応を見せます。
「ハルオなので春産まれかね?」
すると小谷は真面目に答えます。
「すいません。秋生まれです。」
この「秋生まれの春夫」というギャップが、今回の視聴者の笑いを誘ったポイントの一つです。SNSでも「秋生まれの春夫」というフレーズがトレンド入りし、多くの視聴者が反応しました。名前と生まれ月のズレというシンプルなネタですが、小谷の真面目な性格とサワの軽快なノリが組み合わさって、絶妙なコミカルさを生み出しています。
「顔に惚れた」告白とサワの応援
サワは小谷がトキの家を覗いていたことを察し、ストレートに聞きます。
「てか、どけな知り合い?」
小谷はヘブンの教え子であることを説明すると、サワはさらに核心に迫ります。
「野暮なこと聞くけど、好きなの?どこに惚れたかね?」
追い詰められた小谷は、照れながらも正直に答えます。
「それはまあ、なんというか、それは。顔です。」
サワは
「顔か。顔ね。」
と確認し、さらに突っ込みます。
「いけませんか、顔じゃ。」
すると小谷は少し開き直ったように言います。
「だって顔好きだけんね、中学生って。」
このやり取りが秀逸です。「顔に惚れた」という正直すぎる告白と、「中学生は顔好き」という一般化が、思春期の素直さと不器用さを同時に表現しています。サワも**「そげな。」と受け止め、「知らんけど。」**と軽く返しながらも、優しく応援の言葉をかけます。
「ならまあ、応援しとるけん、何かあったらまた聞いて。小学校におるけん。」
サワのこの姉御肌な対応が、視聴者から「サワちゃん最高」と絶賛されました。幼なじみのトキを思いながらも、純粋な中学生の恋心を応援するサワの優しさが光るシーンです。
勘右衛門の「ペリーの子分」騒動
ところが、この会話を勘右衛門が聞きつけてしまいます。
「誰じゃ?うるさいさっきから。」
サワが
「ヘブン先生の教え子さんだと。」
と説明すると、勘右衛門の顔色が変わります。
「何?ペリーの子分じゃと?」
ヘブン=ペリーという認識の勘右衛門は、小谷を敵とみなし、刀の鞘を構えて追いかけ始めます。
「待たぬか!誰がペリーのとこで働いちょるくせに。」
小谷は必死に逃げ、サワは
「とりあえず今日は学校行くだわ。」
とアドバイス。小谷は
「ありがとうございました。」
と礼を言いながら全力で走り去ります。
このドタバタ劇の最中、トキがちょうど家を出てきてサワと挨拶を交わします。サワは事情を簡潔に説明します。
「まあ簡単に言うと、秋生まれの春を守るっちゅう話かな。」
この「秋生まれの春を守る」という言い回しが、サワらしいユーモアセンス。トキは
「秋生まれの春を?え、何?何?」
と混乱しながらも、二人は相変わらず仲良く会話を続けます。
勘右衛門の過剰反応と小谷の必死の逃走、そしてサワの的確なまとめが、朝ドラらしい明るい笑いを生み出した締めくくりでした。
SNSの反応と考察|視聴者が注目したポイント
第46話の放送後、SNSでは様々な反応が見られました。特に注目されたのは以下のポイントです。
「秋生まれの春夫」というフレーズは、多くの視聴者が面白がって投稿しました。「秋生まれの春夫がトキを慕う!」「秋生まれの春夫に恋の春が?」といった言い回しで、小谷の恋心を応援する声が多数。
小谷の恋心については賛否両論で、「可愛い中学生の恋」という好意的な意見がある一方、「家を覗いていたのはストーカー気質では?」という指摘も。ただし多くの視聴者は、明治時代の純粋な恋心として温かく見守っている様子でした。
ヘブンの「地獄」連発は、視聴者の笑いを誘いました。「見てるだけで寒くなる」「火鉢地獄に笑った」「ヘブンにとっては本当に地獄だろうな」といったコメントが多く、異文化適応の苦労をユーモラスに描いた演出が評価されています。
銭太郎の優しさも話題に。「借金取りらしくない」「優しすぎて舐められてる」「でもちょっと好き」といった声が集まり、厳しい立場でありながら人間味を失わない銭太郎のキャラクターが好評でした。また、髪型が妖怪「火車」を思わせるという考察も登場し、ドラマの細かい演出への注目度の高さが伺えます。
サワの活躍は特に女性視聴者から支持されました。「サワちゃん最高」「いつもいいタイミングで出てくる」「応援してくれる友達っていいな」といった共感の声が多数。トキの幼なじみとして、物語のバランスを取る重要な役割を果たしています。
また、トキの演技についても言及がありました。怪談本をもらって喜ぶシーンで、「体を揺らしながら驚く演技が現代的すぎる」という指摘がある一方、「おトキちゃんの演技の中で演技してるのが好き」「嫌なところが一つもない主人公」という好意的な意見も多く見られました。
全体として、第46話は大きな事件はないものの、登場人物たちの日常と人間関係の微妙な変化を丁寧に描いた回として評価されています。「ばけばけ」らしい、ゆったりとしたペースで確実に物語が進んでいく展開に、視聴者は安心感と次週への期待を抱いているようです。
まとめ|第46話の見どころと今後の伏線
今回の第46話で押さえておきたいポイントをまとめます。
- 小谷春夫のトキへの恋心が本格始動:「顔に惚れた」という正直な告白と、家の前をうろつく行動から、今後の展開が気になる存在に。トキとの関係性がどう変化していくのか注目です。
- ヘブンの「地獄」が定番ワードに:松江の寒さに適応できないヘブンが覚えた数少ない日本語。この言葉が今後も繰り返し登場し、ヘブンとトキの交流の中でどう使われていくのか楽しみです。
- 怪談本「奔放諸国奇談集」の登場:フミからもらった怪談本が、トキの怪談収集活動にどう影響するのか。ヘブンとの「奇談集」制作に繋がる重要なアイテムかもしれません。
- 銭太郎の人間味あふれる借金取り:厳しいだけでなく、松野家の健康を気遣う優しさを見せた銭太郎。彼の髪型が妖怪「火車」を思わせるという考察もあり、キャラクターの深みが増しています。
- サワの姉御肌な対応:トキの幼なじみとして、小谷の恋を応援するサワ。物語のバランサーとして、今後も重要な役割を果たしそうです。
- 錦織の影:小谷がトキと錦織の関係を気にしていたことから、錦織の存在が依然として物語の中心にあることが示唆されました。トキの気持ちの変化にも注目が集まります。
第10週「トオリ、スガリ。」が始まり、冬の松江で新たな人間模様が描かれ始めました。次回以降、小谷の恋がどう展開し、トキとヘブンの関係がどう深まっていくのか、目が離せません。
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