第7話「決死の築城作戦」は、今シーズンでも指折りの”胸熱回”でした。
藤吉郎(池松壮亮)と寧々(浜辺美波)の祝言という華やかな幕開けから一転、直(白石聖)の突然の「中村に帰る」宣言、そして墨俣の要衝をめぐる決死の攻略戦へ。史実の英雄・蜂須賀正勝(高橋努)と前野長康(渋谷謙人)という義兄弟の再会と葛藤、それを動かした藤吉郎の人たらし術、そして小一郎(仲野太賀)が直に向けた渾身の言葉——どれをとっても見どころしかない1時間でした。 SNSでも「面白かった」「泣いた」「義兄弟の絆が最高すぎる」という声が続出し、トレンドワードには「蜂須賀正勝」「前野長康」「墨俣一夜城」「竹中半兵衛」が続々と上昇しました。
豊臣兄弟!第7話 あらすじ
永禄八年。信長(小栗旬)は尾張統一を成し遂げ、次なる目標に美濃攻めを宣言、要衝・墨俣(巣俣)の砦築城を柴田勝家(山口馬木也)に命じます。しかし勝家は失敗し、藤吉郎はそのお役目を買って出ます。小一郎の閃きで”下ごしらえ作戦”を思いつき、川並衆の協力が不可欠と判断した二人は、かつての川並衆・前野長康(渋谷謙人)に仲介を依頼。一方、祝言の宴では直が「中村に帰る」と突然告白。実は恋煩いで体調を崩した直を、小一郎が「おぬしが、わしの帰る場所なんじゃ」という言葉で引き留めます。前野の旧屋敷での再会を経て、棟梁・蜂須賀正勝(高橋努)は藤吉郎の熱意に心を動かし、ついに川並衆が動きます。
「おぬしが、わしの帰る場所なんじゃ」——小一郎と直、涙の和解シーン
今回の第7話で、視聴者が最も心を揺さぶられたシーンといえば、なんといっても小一郎(仲野太賀)と直(白石聖)の和解でしょう。
直が熱病で倒れ、「できることはやったから、あとは本人次第じゃって」という薬師の言葉が小一郎を追い詰めます。「なんじゃそれは。死ぬかもしれんということか」とうろたえる小一郎に、寧々がたたみかけます。「ただ祈って、信じて、待つしかない。直もそうやって、戦に出たあなたの帰りをずっと待っていたのよ。」
この一言が刺さりました。戦に出ているあいだ、直はずっと帰りを待っていた——そのことに、鈍感な小一郎はまったく気づけていなかったのです。
使者として蜂須賀のもとへ向かった小一郎は、藤吉郎に「足手まとい」として追い返されてしまいます。なのになぜか直の元へ戻ってきた小一郎。その理由はただひとつ、直への気持ちに、ようやく向き合えたからです。
「なんで?なんでここにおる?」
「肝心なところでしくじってな。兄者に追い返されてしもうた。アホやな。あほだわ。ただ、お前の気持ちなんもわかっとらんかった。今までつらい思いさせてすまんかった。気づいてやれんですまんかった。」
そして、渾身の言葉が続きます。
「なお、わしは死なん。必ず生きて直のところに帰ってくる。約束する。だから。どこにも行かんといてくれ。ここにおってくれ。お主が。わしの帰る場所なんじゃ。」
「いいセリフといい演技。」——SNSに溢れたこの感想が、すべてを物語っています。
直の「中村に帰る」発言の真相——恋煩いという名の不安
そもそも、なぜ直は「中村に帰る」と言い出したのか。祝言の宴の席で突然爆弾発言をした直ですが、実は「父から文が届いており、いい縁談があるから戻ってこいと言われている」という理由を口にします。しかし本当の理由は別にありました。
「このままだと、私が小一郎に——」と言いかけて倒れてしまうのですが、後に直自身がこう打ち明けます。「一緒にいるのが怖くて辛くて逃げようとしたの。でも、本当は。」
つまり直は、自分の気持ちが大きくなりすぎて、それが相手に嫌われることを恐れていたのです。恋煩いゆえの覚悟と逃避——その不器用さが、視聴者の共感を呼びました。かつて「私は落ち着いております!!!」と強がっていた彼女が、内心では誰よりも揺れていたというギャップが絶妙です。
小一郎のセリフが刺さりすぎる理由
「おぬしが、わしの帰る場所なんじゃ」というセリフは、一見シンプルですが、第7話の文脈で受け取ると重みが違います。戦国時代において「帰る場所」とは命がけの戦場を後にして戻る先のこと。そこに直の名前を置いたということは、小一郎にとって直が生きる理由のひとつになったと宣言したのと同義です。鈍感で不器用だった小一郎が、ここにきてようやく「待つ者の気持ち」を理解した——そのドラマティックな成長が、このシーンの感動を倍増させていました。
蜂須賀小六(蜂須賀正勝)×前野長康——義兄弟の絆が「豊臣兄弟!」の真髄だった
今回の第7話でもうひとつの柱となったのが、蜂須賀正勝(高橋努)と前野長康(渋谷謙人)の義兄弟の物語です。このドラマのテーマである「兄弟の絆」を、主人公たち以外のキャラクターでも体現してみせたのが見事でした。
すれ違った二人の歩み——「わしは誰の下にもつかぬ」
前野長康が語る二人の過去は、実に重い内容でした。「昔はよう二人で言うてました。いつか武功を上げて偉くなろうと。二人で城を持つのが夢じゃった。」
しかし、何人もの武将に従い数え切れないほどの戦に出るも、ことごとく負け続け、「あいつらがいると負けると、誰からも爪弾きにされて」という境遇になります。挙句の果てには囮として使われ、多くの仲間を失う——その痛みが、蜂須賀正勝を「誰の下にもつかぬ」という生き方へと変えていきました。
一方、前野は乱世を生き残るために、義兄・正勝のもとを離れて織田に降った。「裏切り者と呼ばれても仕方のないことじゃ」という言葉に、彼の苦しみが滲みます。
「裏切られたから誰の下にも付きたくない蜂須賀正勝、生きる術を求めて信長の元に付いた義理の弟の前野長康。久々に再会した2人がやりあって正勝が優勢になった時、許せない気持ちがあっても斬れない描写が義理でも絆が繋がってる兄弟だなぁと思ったり。」
——SNSのこの感想がまさに的を射ていて、刀を向け合いながらも斬りきれない二人の描写が、見る者の胸を打ちました。
前野の旧屋敷と、秘密の”待ち続けた証拠”
前野長康の旧屋敷——川並衆を去った後も誰かが手入れをし続けていたこの場所が、今回のドラマでひとつの象徴として機能します。「前野殿の屋敷、空き家となったから随分と経つのに思いのほか綺麗であった。誰かが手入れしていたのじゃろう。本当は戻ってきて欲しいと願っていたのではないか。」——藤吉郎のこの観察が、正勝の内心をずばり言い当てていました。
口では「誰の下にもつかぬ」と言いながら、義弟が帰ってこられる屋敷を守り続けていた正勝。不器用な愛情の形が、台詞ではなく”旧屋敷の清潔さ”という演出で表現されたのは、本作の脚本・演出の巧みさを感じさせます。
藤吉郎の橋上キックと「軍神じゃ」の一言——こうして川並衆は動いた
蜂須賀正勝の心を動かしたのは、お金でも脅しでもなく、藤吉郎の”本気”でした。最初の交渉でつっぱねられた藤吉郎は、それでも雨の中で「どうか、力を貸してくれ。この通りじゃ」と頭を下げ続けます。「城持ちにしてもらおうかのう」と試した正勝に対し、「承知した。約束しよう。ただし、三年待ってくれ。わしが偉くなった暁には、必ずお主にも城を授ける」と即答する藤吉郎の器の大きさ——SNSでは「人たらしとか本気の人たらし、すごい、すごい、すごい!」という声が相次いでいました。
前野×正勝の再会が感情的な沸点に達した際、橋の上から正勝を蹴落として乱戦に割り込むという大胆な行動も話題でしたが、そのあとに続く言葉がすべてを決めます。「おぬしは疫病神などではない。勝ちをもたらす軍神じゃ。共にこの世を見返してやろう。」
長年「疫病神」と罵られ続けてきた正勝にとって、「軍神」という言葉の重みは計り知れません。「待たせたな!」という小六の叫びは、視聴者にとっても待ちに待った胸熱の瞬間でした。
祝言の痴話喧嘩から”下ごしらえ作戦”誕生まで——コミカルの裏にある鋭い発想
「今日のおねねは、お市様と比べても遜色のない美しさじゃ」——藤吉郎よ、それは地雷だ
第7話の冒頭、永禄八年の信長による尾張統一を経て、ついに藤吉郎と寧々の祝言が描かれます。喜ばしいはずの宴がいきなり波乱の幕開けになったのは、藤吉郎のあの失言でした。「今日のおねねは、お市様と比べても遜色のない美しさじゃ」——小一郎が一生懸命フォローしようとしたものの、「普段はお市様の方が美しいということじゃないの」と寧々に一刀両断され、「誤解じゃ言葉の綾じゃ」と慌てる藤吉郎と小一郎のやりとりは、思わず笑ってしまうコミカルさでした。「乙女心を完璧に理解していない藤吉郎」という的確な評がSNSで飛び交いましたが、本当にその通りです。
直の芝居は本気だった——「あれは芝居じゃない。本気じゃ。」
祝言の場で直が引き起こした修羅場は、実は二人の和解のための”芝居”だったはず——と思いきや、宴の後、小一郎に告げた一言が衝撃的でした。「すまん。あれは芝居じゃない。本気じゃ。」
周囲が「うまくいったの」「わしの言うた通りじゃ」と祝っているそのそばで、直だけが本当の気持ちを吐き出していたのです。コミカルな場面に隠された本音の吐露——このギャップの演出は、白石聖の繊細な演技と相まって視聴者の心に刺さりました。
汁と砦は同じだ——台所が生んだ歴史的な発想
史実の「墨俣一夜城」は、なぜ成功したのか。このドラマの答えが秀逸でした。なかと寧々が台所で「下ごしらえしといたネギと里芋があるからね。それを味噌と合わせるだけだで」と話すのを聞いた小一郎が、突然立ち上がります。
「それじゃ、汁も砦も同じじゃ。予め下ごしらえをしておいて、一気にそれを合わせる。そうすれば、さほど時をかけずに作ることができよう。ここで砦を作る材木を切り出し、運べるギリギリの大きさまで先に組んでおくのじゃ。後はそれを川を使ってそのまたまで運び、一気に組み上げる。」
これがいわゆるプレハブ工法の発想です。「なかと寧々のシフト勤務」と茶化す声もありましたが、台所仕事から戦略を閃くという設定が、ドラマとしての深みを添えていました。
柴田勝家の敗北と、小一郎に残した”意地の情報”
信長から墨俣攻略の命を受けたものの失敗した柴田勝家(山口馬木也)は、「負けが目ざるじゃゆう、許しがあるまで、蟄居しておれ」と信長から叱責され、屋敷に引きこもります。
見舞いと称してやってきた小一郎に「わしを笑いに来たのか」「うせてやらあ!」と激しく当たる勝家ですが、去り際に立ち止まり、こうつぶやきます。「待て!うぬのことなどどうなろうが構わぬ。殿のためじゃ、これだけは教えておいてやる。敵は斎藤ではない。ときじゃ。」
「時」——美濃の守護を指す言葉。敵は人ではなく「時間」だと気づいた小一郎は、この一言でプレハブ工法の着想を固めていくわけです。意地っ張りながらも「殿のため」に情報を漏らす勝家の複雑な人間性が、この短いシーンに凝縮されていました。「忠犬から負け犬に転生する鬼柴田」などSNSで笑い交じりに語られていましたが、柴田勝家というキャラクターの奥深さも丁寧に描かれた回でした。
次回予告|竹中半兵衛(菅田将暉)登場に騒然——蜂須賀正勝と豊臣兄弟の史実
第7話の放送後、次回予告でひときわ大きな反響を呼んだのが竹中半兵衛の登場シーンです。演じるのは菅田将暉——その一報に視聴者は一斉に「これはハマり役」「楽しみすぎる」と沸き立ちました。
竹中半兵衛(竹中重治)は、豊臣秀吉の参謀として黒田官兵衛と並ぶ「両兵衛」と称された名軍師です。史実では天正七年(1579年)に播磨三木城攻囲中に病没しており、秀吉との関係でいえば美濃攻略の後に合流したとされています。つまりドラマ上では、まさに今がその出会いのタイミング。墨俣一夜城の成功を機に、秀吉と天才軍師がどう絡んでいくのかは、次回以降の最大の見どころといえます。
蜂須賀正勝についても、大河紀行では「信長が美濃攻略を行う頃に秀吉の配下となったと考えられています」と紹介されており、今回の第7話でまさにその出会いが描かれました。史実通りの展開に、歴史ファンからも「上手い作り方で安心して見てられる」という絶賛の声が上がっていました。
まとめ——第7話「決死の築城作戦」の見どころ・伏線まとめ
- 「おぬしが、わしの帰る場所なんじゃ」 小一郎の直へのセリフが今回の白眉。鈍感だった小一郎がついに直の気持ちに気づき、枕元で覚悟を語る場面は必見。
- 蜂須賀正勝×前野長康の義兄弟の葛藤 裏切りと絆、それぞれの選択が切ない。前野の旧屋敷を正勝が手入れし続けていた演出が、台詞なしで絆を語る秀逸な表現。
- 藤吉郎の「城持ち三年後に約束」 現時点では笑えるほど大口の約束だが、これが史実通り実現するのかどうか——蜂須賀正勝はのちに徳島の大名家の礎を築くことになる。伏線として要チェック。
- 直の体調不良は史実的な伏線か SNSでは「途中退場は確定してるっぽいから油断できない」という声も。直が今後どうなるのか、視聴者の関心が高まっている。
- 「下ごしらえ作戦」の発想 台所からの閃きという人情劇的な演出が、史実の墨俣一夜城に説得力を与えた。なか・寧々・小一郎の連携が生んだ戦国最大のDIY計画。
- 次回・竹中半兵衛(菅田将暉)登場 予告で数秒のカットにもかかわらずSNSのトレンドをジャック。秀吉との出会いがどう描かれるか、今から楽しみで仕方がない。










