【対岸の家事 第3話】“肩代わり”に潜む罪悪感──支え合いはどこまで許される?

対岸の家事
引用元:TBS

「困ったときはお互い様」──そう言われてホッとする反面、本当に頼っていいのか、迷ってしまう。
『対岸の家事』第3話では、“育児の肩代わり”をテーマに、専業主婦・志穂とワーママ・玲子、そして同僚たちの揺れる気持ちが描かれました。
「8万円」という現実的すぎる“お礼”と、「お金で頼むのは失礼?」という感情のズレ。
この記事では、話題のセリフと共に、肩代わりの“正義と罪悪感”に迫ります。

目次

育児は助け合い?それとも“ビジネス”?

物語は、玲子が突然、志穂にこう切り出すところから始まります。

「お願い、1日だけ星加を預かってくれない?」

仕事と育児の両立に追われる玲子は、どうしても保育の手が足りず、隣人である志穂に助けを求めます。
志穂は「困ったときはお互い様」と快く引き受けるものの、この出来事が波紋を広げていきます。

中谷が放った言葉が、視聴者の賛否を呼びました。

「ママ友でも、子ども預けるなら対価を払うべきです」
「ベビーシッターじゃないんだから、無償でお願いするのはおかしい」

正論のように聞こえますが、どこかズレている。この「無償の優しさ」と「仕事としての価値」のはざまで揺れるやりとりが、まさに今の社会を映し出しています。


8万円のお礼に、志穂は何を感じたのか?

玲子が志穂に差し出したのは、なんと“8万円”というお礼。
それは過去、玲子が「自分へのご褒美」に使った大切なお金。

「仕事を頑張ってきた証。迷惑かけない、頼らない。…これが私のプライドだった」

それを差し出してまで志穂に頼った玲子。
しかし、志穂は首を横に振ります。

「家事が私の仕事なんです。だから、それがおろそかになるようなことは、したくないんです」

このやりとりは、視聴者の心を強く揺さぶりました。

「専業主婦の仕事って、ちゃんと“自分の軸”として成立してる」
「8万円という額が、逆に切なくてリアルだった」
(Xより)


“肩代わり”ではなく、“肩を貸す”という優しさ

ドラマの中盤、志穂は「肩代わり」という言葉に対して違和感を覚えます。

「なんか、借金の肩代わりみたいで…罪悪感がにじみませんか?」
「“肩を貸す”って言い方の方が、ずっといい」

この言葉に、多くの視聴者がハッとさせられました。
一見同じ“助け合い”でも、その言葉ひとつで、感じ方がまるで変わるのです。

SNSでも共感の声が続出:


今井くんの「怒り」と「涙」が突き刺さる

後半では、これまで軽妙だった今井くんが豹変。玲子に対し、

「復帰するの、まだ早かったんじゃないですか?」

と強い言葉を投げかけ、空気が凍りつきます。

しかし、彼自身も大きなものを抱えていました──

「飼ってる犬・ココアが、がんなんです」
「今までの有給、全部その子の看病のためでした」

この告白に、玲子は愕然としながらも、そっと感謝を伝えます。

「ありがとう、肩を貸してくれて」

育児だけじゃない。家族の形も、悩みの種類も、人それぞれ。
それを共有することで、ようやく本当の“つながり”が見えてきます。


「お母さん」と呼ばれた瞬間、志穂がこぼした涙

物語のラスト、志穂が星加ちゃんに「お母さん」と呼ばれるシーンがあります。

志穂は涙をこらえながら、こう語ります。

「私、不器用なんです。でも、家事が私の仕事。ゆっくり、丁寧に、一つずつ向き合いたい」
「それをおろそかにすることは、したくない」

この言葉に、多くの専業主婦や在宅ワーカー、あるいは“評価されづらい仕事”を担う人々が心を打たれたはずです。


まとめ|助けることは、弱さじゃない

第3話で描かれたのは、「助けることは甘やかしじゃない」「頼ることは弱さじゃない」というメッセージでした。

「肩代わり」ではなく「肩を貸す」
「頼る」ではなく「支え合う」

この“言い方の違い”が、まさにこの回のテーマの核心です。

あなたなら、誰に“肩を貸したい”ですか?
そして、誰に“肩を借りてもいい”と言えますか?

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