朝ドラあんぱん相関図
引用元:NHK
第30話では、出征した豪を想いながらも、のぶが“自分にできること”を見つけ、行動を起こしていく様子が描かれました。慰問袋の発案、街頭での献金活動、新聞掲載──のぶは周囲の信頼を得ながら、“時代”に染まっていきます。
一方、東京の崇から届いた手紙、そして久々の電話──その温度差にのぶの心は揺れ、やがて怒りと疑念へと変化。戦争という時代の空気が、2人の関係にも静かに影を落とし始めました。
今回は「愛国」と「疑問」のはざまで揺れる“のぶの変化”に注目です。
第30話のあらすじ


1-1. 寮で豪を想う のぶとうさ子
のぶ「できることがあったらしちゃいがよ」
うさ子「うーん、そうやね〜」
寮の一室、のぶとうさ子は静かに豪の安否を案じていました。
そこでのぶは「慰問袋はどうやろ?」と提案、それにうさ子もうなずく。やがて2人はクラスメイトに協力を求め、学校ぐるみの取り組みに発展していきます。
のぶ「慰問袋を作って届けたいがやき、みんなに協力してもらえんろうか」
クラスメイトたち「もちろん!」「ええ考えやね!」(02:17)
1-2. 街頭献金へ──広がる行動


のぶの動きは学校内にとどまりません。彼女は街へ出て、献金を呼びかけるようになります。
のぶ「ご協力お願いしまーす!」
この行動が新聞にも掲載され、校長先生からも称賛されます。クラスメイトたちは拍手で迎え、のぶは次第に“愛国少女”として知られるように。
しかし、それを横目で見るうさ子の表情には、少しだけ影が差していました。
1-3. 崇からの手紙と帰省


そんなある日、のぶの元に崇から手紙が届きます。
崇(手紙)「この前、銀座の屋村美という店で、ヤムさんに似た人の写真を見つけました」
のぶはこの知らせに驚きながらも、浅田家へ帰省。
帰省先の実家では、家族が新聞掲載を喜びます。そこへ蘭子も訪れ、献金に協力。一方でヤムおじさんは「献金はしない」と言い切ります。
のぶ「銀座のパン屋さんで働いてたことあるが?」
ヤム「銀座のパン屋なんて知らんよ」
話題をはぐらかすようなヤムの態度に、のぶは不信感を覚え始めます。
1-4. 千尋の誘いと、崇との電話


その夜、千尋が訪ねてきます。
千尋「兄貴が電話で、のぶさんと話したいと」
電話口の崇は、相変わらずマイペースな様子。にぎやかな背景音に、のぶの顔がこわばっていきます。
のぶ「崇は東京に何しに行ったがや?」
のぶ「崇のどあほ!!!」
かつて心を通わせた2人に、いまや戦時下の価値観と生活の違いが大きく横たわっている──そんなことを痛感させるやり取りでした。
見どころと考察ポイント
2-1. のぶの“まっすぐさ”が時代に染まる瞬間
行動力と責任感でクラスを牽引するのぶ。だが、そのまっすぐさは、戦時中という“時代”の価値観に取り込まれつつあります。
彼女が新聞に称賛される裏で、うさ子の表情ににじむ複雑な思い──この対比が、今後の展開の鍵になるかもしれません。
2-2. 崇とのすれ違い、心の距離
東京でのびのびと暮らす崇と、戦地を意識して行動するのぶ。
彼女の中で育った「正義」と「怒り」は、崇の“今”を理解できず、彼を強く否定してしまいます。
のぶ「崇は何をしてが!」
2人のすれ違いは、“戦争が奪うもの”の象徴でもあるように思えました。
2-3. ヤムおじさんの過去、再び謎へ


「銀座のパン屋」──この問いかけに、ヤムは明らかに反応しながらも即座に否定。
写真の件も含め、彼の過去に関する謎が改めてクローズアップされました。今後、彼の口から語られる日が来るのか?注目です。
次回予告と注目ポイント
- のぶの“愛国少女”としての振る舞いが加速していく?
- うさ子との関係にヒビが入る?
- 崇が再びのぶと向き合う日は来るのか?
- ヤムおじさんの銀座時代が語られる伏線が回収される?
第30話は、のぶという人物の“変化”を軸に据えた、時代と青春の交差点。
次週へ向けて、大きな波が動き始めています。
まとめ
『あんぱん』第30話は、のぶの“行動する強さ”と“揺れる感情”が色濃く描かれた一話でした。
慰問袋から街頭献金、新聞掲載──誰かのために動くことは素晴らしい反面、その動機が“時代”によって加速していく恐ろしさも感じさせます。
一方、崇との再会(電話)は、のぶの変化をより鮮明に照らし出しました。
「どあほ!」と叫んだその声に、愛情と怒り、寂しさがないまぜになっていました。
ヤムおじさんの過去の謎も再燃し、うさ子との微妙な関係性も今後の鍵になりそうです。
次回、第31話──青春と戦争、そして絆のゆくえに注目です。