大河ドラマ「べらぼう」第44話「空飛ぶ源内」が放送され、SNSでは「号泣した」「胸熱すぎる」と感動の声が殺到しています。流産の悲しみから立ち直りつつあるていと蔦重の前に、平賀源内が作ったという凧を持った謎の男・重田貞一が登場。源内生存説を追ううちに、失っていた気力を取り戻していく蔦重の姿に、多くの視聴者が涙しました。吉原の女性たちの温かな支えや、一方で闇落ちしていく歌麿の姿も描かれ、ラストでは松平定信らとの衝撃的な会合が。残り4話で描かれる復讐と写楽誕生の予感に、期待が高まっています。
べらぼう第44話 あらすじ
流産後のていは少しずつ回復の兆しを見せていたが、蔦重は生気を失っていた。そんな中、駿府生まれの重田貞一が平賀源内の凧を持って耕書堂に現れ、源内が生きているかもしれないという噂を告げる。蔦重は源内の足跡を追い始め、次第に目に輝きが戻ってくる。吉原の女性たちはていを支え、夫婦は少しずつ前を向き始める。一方、歌麿は鶴屋の持ってきた蔦重の絵を破り捨て、完全に決裂。そんな中、蔦重の元に源内の手書きと思われる「七つ星の龍」の続編が届く。指定された安徳寺を訪れると、そこには松平定信、長谷川平蔵、三浦庄司ら一橋治済に恨みを持つ者たちが集まっており、定信から「われらとともに仇をとらんか」と協力を求められる。
喪失から再生へ―平賀源内の凧がもたらした希望
生気を失った蔦重と重田貞一の登場
第44話の冒頭、ていは少しずつ回復しつつあるものの、蔦重からは完全に生気が失われていました。りつや鶴屋、駿河屋市右衛門が蔦重を心配して訪ねてきますが、蔦重の返答には力がありません。
駿河屋市右衛門が蔦重の前に立ち、活を入れようとしますが効果なし。三人は蔦重に見切りをつけ、鶴屋や駿河屋が巳之吉に
「身の振り方困ったらいつでもきていいよ」
と声をかける始末です。
そんな中、耕書堂に一人の風来坊が現れます。駿府生まれの重田貞一と名乗るこの男は、
「芝居など書いている」
と自己紹介。滝沢瑣吉は怪しんで塩を投げつけますが、貞一が取り出した一つの凧が全てを変えました。
蔦重が貞一の持ってきた本を読み終えると、
「これだけ書けりゃ、どこででも書いてくれって頼まれます。」
と丁寧に返します。するとその時、貞一が凧を取り出し、
「これを作ったのは平賀源内だ」
と告げるのです。
「どうやら生きているっていう話」
この一言で、蔦重の目が変わりました。虚ろだった瞳に、何か光が宿ったような表情。源内先生への思慕と、もしかしたら会えるかもしれないという希望が、蔦重の心を少しずつ動かし始めたのです。
「源内先生が生きている?」蔦重の目に宿る光
蔦重は凧を見ながら、ていに平賀源内について話します。
「実は源内先生が生きていた?」
とていが驚くと、蔦重は
「信じたくてもそれはねぇか」
と理性的に考えつつも、その目には明らかに希望の光が宿っていました。
この場面、横浜流星さんの表情演技が本当に素晴らしかったです。前話までの虚無感から一転、「もしかしたら」という微かな希望が目に宿る瞬間。蔦重が空を見上げるシーンでは、生気が戻りつつある様子が痛いほど伝わってきました。
SNSでも「横浜流星の表情だけで喪失と再生がわかる」「心労での変貌から徐々に戻ってくる演技が神」と、演技力を称賛する声が殺到しています。
源内先生という存在が、蔦重にとってどれほど大きな師であり、心の支えだったのか。そして、その師が生きているかもしれないという希望が、どれほど強い復活の原動力になったのか。森下佳子さんの脚本は、そうした心の動きを繊細に描き出していました。
吉原の絆が紡ぐ温もり―おていさんを支える女性たち
ふじたちのお供え物と涙のシーン
一方、ていの元には吉原のふじらが訪ねてきます。彼女たちはつよにお供え物をし、皆で蔦重やていを支えようとしてくれるのです。
この場面、言葉は少ないのですが、吉原の女性たちの温かさが画面からあふれ出ていました。ていの目からは涙が浮かび上がり、ようやく食べ物を口にします。鼻をすすりながら一口食べるていを見て、ふじが優しく頷くシーン。
「お姉さんたちのおていさんへの寄り添い方があったかくて泣いた」とSNSでも多くの視聴者が涙の報告をしていましたが、本当にその通りです。
吉原という場所は、男性の欲望が渦巻く遊郭でありながら、同時に女性たちが支え合う共同体でもあります。つよを失った悲しみを、同じ吉原で生きる女性たちが理解し、無言で寄り添ってくれる。この絆の描き方が、本作の大きな魅力の一つです。
「食べてくれた」蔦重の安堵
夜、蔦重がていに話します。
「源内先生について探りを入れようと思う」
ていが食事をする姿を見て、「良かった」と安堵する蔦重。そして蔦重自身も、源内先生を探すという目的を得たことで、少しずつ元気を取り戻していきます。
「源内先生というのは大したもんだ。おていをこんなに元気にしてくれるんだから」
と蔦重が言うと、ていが静かに答えます。
「蔦重さまも元気になっていますよ」
この夫婦の会話が、とても温かくて泣けました。お互いがお互いを気遣い、支え合っている。源内という共通の希望を通じて、二人は再び前を向き始めたのです。
まさのぶが滝沢瑣吉先生への縁談の話を持ってきたり、巳之吉が
「(滝沢瑣吉を)いっぱしのもの書きにしましょう」
と蔦重に提案したりと、周囲の人々も蔦重の復活を後押しします。少しずつ、耕書堂に日常が戻ってくる感覚が、視聴者にも伝わってきました。
源内先生を追う旅―蔦重の調査と各所での再会
玄白、喜三二、南畝らへの聞き込み
蔦重は源内先生の足跡を追って、様々な知人を訪ね歩きます。まず玄白先生のところへ行き、「源内が生きている噂は聞いたことがないか?」と尋ねますが、玄白は少し悩むだけで確かな情報は得られません。
次に、久々に登場した喜三二先生が蔦重のもとを訪れます。
「おだのなわたけ様は不振な死に方をしたとのこと」
という情報を得た蔦重は、さらに三浦庄司を訪ねます。
「田沼様にも知らない内に獄を抜けた可能性は?」
「それはないかも言い切れんな」
と三浦が答えたところで、誰かが訪ねてきます。三浦は慌てて
「いきなりすまぬ、帰ってくれ」
と蔦重を追い返しますが、この時の三浦の表情の変化が意味深でした。(後に、訪ねてきたのは松平定信だったことが判明します)
さらに南畝の元も訪れた蔦重。南畝が饅頭を食べながら何かを気にし始めますが、言葉にはせず…。
この一連のシーン、久しぶりに登場したキャラクターたちが再び画面に現れることで、「アベンジャーズ感」「懐かしい面々が集結」とSNSでも盛り上がっていました。
「七つ星の龍」の続編が届く衝撃
南畝から絵をもらった蔦重とてい。ていがその絵を見て、こう提案します。
「もしや、絵師になっておられるとは考えられませんか?」
芝居町にいるのではないかと推理する蔦重。そんな中、重田貞一が芝居絵を持って営業しているのを見かけたり、長谷川様を見つけたりと、街中で奇妙な出会いが続きます。
「まさのぶが縁談の話を持ってきてくれた」
「滝沢瑣吉先生への縁談です」
耕書堂にも少しずつ活気が戻ってきた頃、ていは歌麿が書いた恋心を描いた浮世絵を見つけます。
「恋心…」
と呟くてい。何かを察したていは、蔦重に提案します。
「歌麿の恋心の絵出しませんか?」
「台所も苦しいので出しましょう」
「見事な掘りと擦りで歌麿にやっぱり蔦重の元でと思ってもらうようにどうか?」
ていなりに、歌麿との関係修復を図ろうとしているのです。しかし、この試みは後に悲しい結果を招くことに…。
そして、決定的な出来事が起こります。夜、戸口のところに置かれていた置物を蔦重が開けると、中には巻物がありました。
「七つ星の竜」
それは平賀源内が書いた物語の続編でした。平賀源内の声で読み上げられるナレーション。蔦重が夢中で読む姿。
「本人だと確信を持つ蔦重」
ていも驚きます。そして巻物には、こう書かれていました。
蔦重宛てに「安徳寺に起こしてください」
ついに、源内先生からの直接の呼びかけが届いたのです。この場面、「七つ星の龍」というタイトルがトレンドワードにも入るほど、SNSで大きな話題になりました。
歌麿との決別―破り捨てられた絵と闇落ちの兆候
鶴屋が仲介を試みるも失敗
一方、吉原では歌麿を中心とした宴が開かれています。随分と偉くなったような雰囲気の歌麿。
次郎兵衛が
「歌麿先生がここで派手に遊んだ順に仕事を受けることにした」
と説明すると、各々が「私が」と手を上げ始めます。どこか闇落ちしたように見える歌麿の姿が、痛々しくもありました。
「かみばら巻くやつはいないのか?」
歌麿がこう言い出すと、万太郎が
「先生まずはうちからですよね?」
と声をかけます。そこへ鶴屋がちょうど声をかけ、次郎兵衛が歌麿宛てにかみばらを手渡します。
「それとこちらを」
鶴屋が浮世絵を渡します。それは、ていの提案で持ってきた歌麿の恋心の絵でした。
しかし次の瞬間、衝撃的なことが起こります。
歌麿が絵を見て、破り捨てたのです。
駿河屋の若旦那も驚き、鶴屋が
「歌麿さん」
と声をかけますが、歌麿は破り捨てた浮世絵を空へ散りばめます。
この場面、本当に心が痛みました。蔦重とていが、歌麿との関係修復を願って出そうとした絵。それを躊躇なく破り捨てる歌麿。完全に決裂してしまったことを象徴するシーンでした。
派手に遊んだ順に仕事を受けるという変貌
鶴屋が蔦重に
「仲を取り巻くつもりが怒らせてしまった」
と報告します。
歌麿の変貌ぶりは、視聴者にも大きな衝撃を与えました。「派手に遊んだ順に仕事を受ける」という新ルール。これは、かつて蔦重が築いてきた「良い作品を世に出す」という理念とは真逆の考え方です。
金と派手さだけで仕事を選ぶようになった歌麿。その姿は、蔦重との別離がもたらした心の闇を表しているようでした。
「歌麿闇落ち」「詰め込まれすぎて一つの出来事に対していろんな感情が渦巻く」とSNSでも複雑な感情を吐露する投稿が多数見られました。
衝撃のラスト―定信らとの密会と復讐の誘い
安徳寺に集まった「アベンジャーズ」
そして、源内からの手紙に従って安徳寺を訪れた蔦重。襖が開けられ、蔦重が目を開くと…
「なんで!?」
そこにいたのは、予想外の面々でした。
松平定信。長谷川平蔵。三浦庄司。そして大奥に勤めていた高岡。
一橋治済にやられた面々が一堂に会していたのです。
三浦が
「まぁ、座れ」
と蔦重を促します。高岡が手袋を取り出し、説明を始めます。
「その手袋は毒が盛られている手袋だ」
家治様が親指を噛んで毒殺されたというエピソードから、大崎が元は上様の妻であり、西の丸に務めていたこと。治済の策略で家治様が毒殺されたかもしれないという衝撃の事実が明かされていきます。
蔦重を追い返した日、三浦のもとを訪ねてきたのは定信でした。回想シーンで、定信と三浦が話をしている場面が流れます。
「宿縁を超え手を組むことになった」
そして定信が、蔦重にこう告げます。
「われらとともに仇をとらんか」
蔦重は困惑した表情を見せます。
このラストシーン、SNSでは「アベンジャーズ感」「スーパーべらぼう大戦」「鳥肌立った」と興奮の声が殺到しました。
「われらとともに仇をとらんか」の意味
定信の誘いは、蔦重にとって大きな選択を迫るものです。
これまで蔦重は、あくまで出版という文化の力で世の中を変えようとしてきました。しかし、平賀源内の死、田沼意次の失脚、息子の死…。一橋治済の策略によって、蔦重は多くのものを失ってきました。
定信が提示したのは、直接的な復讐。政治的な闘いへの参加です。
蔦重はこの誘いに乗るのか? それとも、あくまで自分の道を貫くのか?
残り4話で描かれるであろう蔦重の選択が、「べらぼう」という物語の結末を大きく左右することになりそうです。
「蔦重は定信の敵討ちに手を貸すのか」というタイトルの記事も多く出ており、視聴者の関心の高さがうかがえます。
SNSの反応と次回予告―写楽誕生への期待
第44話の放送後、SNSでは様々な反応が見られました。
「おていさん生きててよかった。源内先生を通じておていさんも蔦重も元気を取り戻していくのが嬉しかったな。吉原のお姉さんたちのおていさんへの寄り添い方もあったかくて泣いた」
「横浜流星の痩せ細り表情に号泣…森下脚本が炸裂した第44話の再生劇」
「喜三二・南畝・玄白・三浦らのお久しぶり組の再登場。そして、最終回までの残り4話で写楽誕生秘話と、七ツ星の龍と源内軒の志を継ぐ者たちによる治済への敵討ちが重なるということ?」
など、感動と考察が入り混じった投稿が多数見られました。
特に注目されているのが、次回予告です。
「しゃらくせえ」「しゃらくさい」
という台詞が登場し、ついに謎の絵師・写楽誕生の予感が。江戸浮世絵史上最大のミステリーとも言える写楽の正体。それが、残り4話で明かされることに、多くのファンが期待を寄せています。
「源内先生が生きてりゃ嬉しいけど、世の年寄りが『昔は良かった』に逃避するのと同じに見えてなぁ。それが本当に未来を向いてるかは、次回以降…かな」
という冷静な考察も見られましたが、全体的には圧倒的にポジティブな反応が多かったです。
視聴率も9.0%と微増を続けており、終盤に向けて盛り上がりを見せています。
6. まとめ
べらぼう第44話「空飛ぶ源内」の見どころ・伏線まとめ
- 源内生存説が蔦重とていに希望をもたらす: 重田貞一が持ってきた凧と「七つ星の龍」の続編が、失意の夫婦を再生へと導く重要な役割を果たした
- 吉原の女性たちの温かな絆: ふじらがていに寄り添い、食事をする姿を見守るシーンは、女性たちの支え合いの美しさを描いた名場面
- 歌麿との完全決裂: 鶴屋が持ってきた絵を破り捨てる歌麿。「派手に遊んだ順に仕事を受ける」という変貌ぶりが、蔦重との対比を際立たせる
- 定信らとの密会とアベンジャーズ結成: 治済に恨みを持つ者たちが集結し、蔦重に復讐への協力を求める衝撃のラスト。蔦重の選択が今後の展開の鍵に
- 横浜流星の表情演技が光る: 喪失から再生へと移り変わる微妙な心の動きを、セリフ以上に表情で表現した名演技が視聴者の心を打った
- 次回予告で写楽誕生の予感: 「しゃらくせえ」の台詞が示唆する謎の絵師の登場。残り4話で描かれる写楽誕生と復讐劇に期待が高まる
森下佳子さんの脚本と横浜流星さんの演技が冴え渡った第44話。残り4話でどのような結末を迎えるのか、毎週日曜日の放送から目が離せません!










