NHK連続テレビ小説「ばけばけ」第74話が放送され、SNSでは「切ない」「つらい」の声が殺到しています。今回の物語は、トキとヘブンの新婚生活の裏で、親友おサワが感じる格差の痛みを丁寧に描き出しました。豪華な屋敷、一括返済される借金、そして変わらぬトキの笑顔——すべてが、おサワの心に小さな棘となって刺さります。一方、トキはヘブンの浮気を疑い、なんとパイナップルを凶器に山橋薬舗へ突入。そこで見たのは、隠れて西洋料理を楽しむヘブンの姿でした。友情の亀裂、夫婦の文化摩擦、そして「うらめしい」感情が交錯する第74話を徹底解説します。
「ばけばけ」第15週第74話 あらすじ
トキを訪ねたおサワは、松野家の豪華な暮らしぶりに圧倒されます。玄関に飾られた見事な生け花、持参した野花の花束がみすぼらしく感じ、思わず庭に捨ててしまうおサワ。さらに、大家が借金返済に訪れた場面を目撃し、フミが100円を一括返済する姿に格差の現実を突きつけられます。一方、トキはヘブンが山橋薬舗に通う姿を目撃し、浮気を疑って店に突入。制止する店主をパイナップルで殴打して奥へ進むと、そこにはビールを飲まず西洋料理を楽しむヘブンの姿が。悪意のない幸せと、そこから取り残される孤独。友情と夫婦関係の両方に壁が立ちはだかる、切なくもリアルな一話となりました。
おサワが感じた格差の痛み——友情に走る小さな亀裂
豪華な生け花と捨てられた野花の花束
第74話は、おサワがトキの新居を訪れる場面から始まります。玄関に足を踏み入れたおサワの目に飛び込んできたのは、見事に飾られた豪華な生け花でした。
「なんか、おいしすぎてバチが当たりそう」
トキが出してくれた洋菓子を前に、おサワはこう口にします。しかし、この一言には複雑な感情が込められていました。持参した野花の花束が、豪華な生け花と比べてあまりにもみすぼらしく感じたおサワは、とっさに庭の隅へ花束を投げ捨ててしまいます。
「それにしても、すごいね。こげなもん食べられて、こげに立派な屋敷に住んで、あげに立派な花が飾られちょって。一緒になった人は島根の宝。もう何も悩まんでええね」
おサワの言葉は、表面的には祝福のように聞こえます。しかしトキは即座に否定します。
「ううん。そげなことないよ」
「あるでしょ」
「いやいや、そげなことないの」
「うそー」
このやり取りの中で、おサワは「実は、いろいろあって」と切り出そうとしたトキの言葉を、軽く受け流してしまいます。SNSでは「トキが抱える悩みに気づけないおサワが切ない」「満たされている側は、相手の苦しみが見えないんだよね」という声が多数寄せられました。
視聴者の一人は次のように投稿しています。
「サワ視点だとつらい。トキが住む屋敷の玄関の生け花は豪華なので、土産の野花の花束にみすぼらしさを感じてとっさに庭の隅に投げ捨てる。借金を苦もなく全額返済できるの見せられる。悪意がないと分かってるけど、トキが変わらずに接してくるのと上流の日常が小さな棘になる。つらい」
100円一括返済の衝撃——「別世界」を実感する瞬間
おサワとトキの会話が続く中、突然怒鳴り声が響きます。
「このざらすが!おーい、出てこい、こら!忍び黙って、勝手に引っ越しやがって、こら。わしがこんかったら、踏み倒すつもりだったんか」
借金取りの森山が松野家を探して訪れたのです。フミは冷静に対応します。
「いいえ。そげなつもりは。ただ急だったもんで。申し訳ございませんでした」
そして、フミは懐から100円を取り出します。
「ではでは。お詫びというわけではございませんが、今月分、きちんとお返しいたします。ご容赦ください」
大家は驚愕します。
「はあ?一、いくらある?」
「はい、百円でございます」
「百円!?百円なんで返されたん?わしはどげしたらええんか、こら!」
フミは借金の利息で生計を立てていた大家の事情を理解せず、善意で一括返済してしまったのです。
「も、申し訳ございません。うちのヘブンが、借金は早いこと返した方がいいんじゃないかと」
この場面を目の当たりにしたおサワは、完全に気持ちが折れてしまいます。
「ごめん、私帰るわ」
「え、ゆっくりしてったら」
「ごめんなさい。なんだかもう、ごめんなさい」
トキが引き止めようとしますが、おサワは立ち去ります。
「なんか、別世界だった」
この一言が、おサワの心情を端的に表しています。
H3: SNSで共感の嵐「悪意がないのがつらい」
この一連の場面に、SNSでは共感の声が殺到しました。
「サワが惨めで心中穏やかじゃなくなるのが短い時間でこれでもかと描かれてるのが辛い…同じく没落士族なのに向こうは大金を稼いだ異人と結婚して周りから祝福されて豪華な家で暮らしてるのに自分は貧乏長屋暮らしのしがない小学校教師…」
「サワさん、幼馴染で親友の豪華な暮らしぶりをどかんと見せつけられて凹んでた…あれすごく共感した。羨んでもしょうがないんだけど自分の暮らしとどうしても比べてしまう。それで表情が変わっても、それが相手は見えてないんだよね(満たされてるから)辛いな」
「おサワの一言で表せない思いをあえて台詞やモノローグにしない手法、言葉ではなく感覚を伝えようとしてくる…。それによっておサワが抱えたもやもやした思いを視聴者も抱くんだよね。うん、まんまとモヤモヤしてます」
脚本の巧みさは、おサワの感情を説明的なセリフで語らせず、行動と表情だけで表現した点にあります。花束を捨てる仕草、硬い笑顔、そして「別世界だった」という短い言葉——視聴者は、おサワと同じ感覚を追体験することになりました。
パイナップルが凶器に!? トキの浮気疑惑追跡劇
山橋薬舗への突入——殺意の目で振り下ろされたパイナップル
一方、トキは別の問題を抱えていました。ヘブンが頻繁に山橋薬舗に通っている姿を目撃し、浮気を疑い始めたのです。司之介がトキに告げ口したことで疑惑は確信に変わり、トキは単身、山橋薬舗へ乗り込みます。
「ごめんください。すんません。ごめんください。すんません。え?」
何度も声をかけるトキに、店主の才路が応対します。
「はいはい、少々お待ちを。少々お待ちを、少々お待ちを。はい、いらっしゃいます。おお、これは、これは、おトキさん!う、うははは、今日は何を?」
トキは単刀直入に尋ねます。
「あ、今日は買い物ではなく- 」
「買い物ではない?買い物する店なのに?」
「あー、すんません。先生が、ヘブン先生がこちらにいらしていると聞いたもので」
才路はとぼけます。
「ヘブン先生?」
「はい」
「いやぁ、うちは今ご覧の通り、カッコウ鳥が鳴いておりまして。カッコウ、カッコウ、カッコウ」
しかし、トキは引き下がりません。再び訪れたトキは、ついに店の奥へ突入します。その際、制止しようとした才路をパイナップルで殴打してしまったのです。
才路はその場に倒れこみ、トキは意を決してヘブンがいるであろう部屋に入ります。店の奥で隠れて西洋料理を楽しむヘブンの姿。ヘブンがトキが現れたことに驚いた声を上げます。
「Oh my god。」
「え?」
「パイナポー凶器化」でトレンド入り
このコミカルなシーンは、SNSで大きな話題となりました。
「NHK朝ドラ『ばけばけ』第74話。ヘブンの浮気疑惑を追うトキが、制止する山橋をパイナップルで殴打し店の奥へ突入。そこには隠れて洋食を堪能するヘブンの姿が。衝撃の『パイナポー凶器化』にSNSは爆笑の渦に包まれ、トレンド入りする事態となりました」
「朝ドラ #ばけばけ 第74回、お昼も観た。山橋薬舗の店主を倒した後のこの目、殺意の波動に目覚めたおトキって感じよねw 奥でヘブン先生が浮気してると思ってるからね。まさか西洋料理を食べてるなんて。そういや店主、コック帽脱ぎながら出てきてたよね。西洋料理も作れるのね。さてどうなるかしら」
「トキ、パイナポーで人を殴ったらあかん。…と思ったけど、トキは、山橋薬舗とヘブン先生が共謀して、愛人の女でも呼んで、いかがわしいことやってるんだろう、とか疑っているに違いなくて、それなら妻の立場として殺意も出ちゃうか…と思い直し…結論:煽った司之介が全部悪い」
シリアスな格差の描写と、このコミカルなシーンが対照的に配置されたことで、視聴者は感情のバランスを保つことができました。
文化の壁と夫婦のすれ違い——ヘブンのストレスと本音
日本式生活への我慮と秘密の洋食
ヘブンが隠れて西洋料理を楽しんでいた背景には、日本式生活への適応の難しさがありました。トキとの結婚後、ヘブンは松野家で日本式の生活を送ることを求められています。しかし、食事や習慣の違いは、想像以上にストレスとなっていたのです。
「あー、先生は日本酒がお好きですけん。またごひいきに」
トキはヘブンの好みを理解しているつもりでしたが、実際には彼の本当の欲求に気づいていませんでした。ヘブンが山橋薬舗を訪れていたのは、才路が作る西洋料理を食べるためだったのです。
フミと司之介は、ヘブンへのプレゼントについて相談していました。
「茶碗か湯呑みは土下座の。日本らしくてええ思うわ」
「でも、今のも気に入っちょるみたいですしね。私は傘がええかと思っちょるんですが」
「傘か。確かにヘブンは傘持っちょらんか」
彼らはヘブンを日本に馴染ませようと配慮していましたが、ヘブン自身が何を求めているかは見えていませんでした。
司之介が煽る疑惑とトキの誤解
司之介の軽率な言葉が、トキの疑念を煽りました。
「もう、車夫が油を売っちょるとこ見つかったけん、とっさに嘘をついたんじゃろ。あ、それか。あ、いや、何でもない」
フミが問い詰めると、司之介は言い訳します。
「いえ、いえ、いえ、つまらん冗談だけん」
しかし、この「つまらん冗談」がトキの心に火をつけました。愛する夫が他の女性と関係を持っているのではないかという恐怖は、トキを山橋薬舗へ向かわせるほど強いものだったのです。
視聴者が予測する「今後の爆発」
SNSでは、ヘブンのストレスが今後どう表面化するかについて、様々な予測が飛び交っています。
「トキとサワの友情の間に割り込んできた経済格差の壁。トキとヘブン先生の愛情を阻む文化の違いの壁。ああ、また『ただ『好き』なだけではどうにもならない』ということが奏でられてる。#ばけばけ は容易に奇跡を起こしたりしない。奇跡が起こるまでに何度痛んで壁を乗り越えたかを描くんだなあ…」
文化の違いは、単なる食事の好みの問題ではありません。ヘブンが自分の文化を隠し、トキに合わせることで生じる心の歪みは、いずれ夫婦関係に大きな亀裂をもたらすでしょう。視聴者は、その「爆発」の瞬間を固唾を呑んで待っています。
シンデレラストーリーの影——「ばけばけ」が描く格差と孤独
第74話は、表面的な幸せの裏に潜む孤独と格差をリアルに描き出しました。トキは結婚によって経済的に豊かになりましたが、その代償として親友との距離が生まれました。おサワは、自分とトキの間に埋められない壁があることを痛感し、孤独を深めます。
「そうだった、#ばけばけ は第1週第5話からずっと、『女性の人生が男性の都合に左右される現実』『『身売りする』ような結婚』『江戸時代の名残の『身分』がもたらす見えない差別と蔑視』を、底の方で描いてきたんだった。それがいよいよ、目に見える形で出てきたんだ…。トキとサワとなみの姿で…」
「『ばけばけ』(74) サワが嫌悪し否定した『身を売るか、男と一緒になるしかない』生き方、結果的にこれを体現して川の向こうへ戻ったのが、『羅紗緬になる覚悟で女中になり、高給取りのヘブンと結婚した』サワの親友であるトキだという皮肉。キツイって」
おサワは、女性が自立して生きる道を模索していましたが、親友のトキは結婚によって「川の向こう」へ渡ってしまいました。この対比は、明治時代の女性たちが直面した選択の厳しさを浮き彫りにします。
「おトキちゃんが結婚による階級移動を果たしたことで、おトキちゃんは友人と距離が出て孤独を感じ、サワちゃんは自分のいる場所を知ってさらに孤独になるというしんどさよ…。シンデレラストーリーの、その先。悲しい」
トキもまた、孤独を感じています。夫との文化の違い、親友との心の距離、そして松野家での居場所の不安定さ。結婚は彼女に経済的安定をもたらしましたが、心の安らぎを奪いました。
「貧しいからこそ見えていた他人の優しさとか楽しさが知らぬ間に遠ざかって行って、一方で暮らしの心配はなくなっても別の悩みが現れる。切ないね…」
「正直ここは描かなくてもドラマは成立するのだけど、そこを決して見落とさない。全ての登場人物の『うらめしい』を丁寧に拾い上げるこの脚本と演出こそが『#ばけばけ』を『ばけばけ』たらしめてるんだよなぁと思うなど」
6. まとめ
第74話の見どころと伏線を整理します。
- 格差が友情を壊す痛み:おサワとトキの間に生まれた埋められない溝。100円の一括返済と豪華な生け花が象徴する「別世界」
- パイナップル凶器化の衝撃:コミカルながらも、トキの夫への疑念と不安を表現した名シーン
- ヘブンの隠れ西洋料理:文化の違いが生むストレスと、夫婦のすれ違いの始まり
- シンデレラストーリーの代償:結婚による階級移動がもたらす孤独と心の壁
- 「うらめしい」の多層性:おサワの羨望、トキの不安、ヘブンの我慢——それぞれが抱える「うらめしさ」
- 今後の展開への布石:ヘブンのストレス爆発、おサワとトキの友情修復、松野家内部の軋轢など、多くの伏線が張られた
第74話は、表面的な幸せの裏に潜む複雑な感情を丁寧に描き出しました。視聴者が「もやもや」を抱えたまま終わるこの構成こそが、「ばけばけ」の真骨頂です。次回以降、これらの伏線がどう回収されるのか、目が離せません。
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