
朝ドラ「あんぱん」第17週84話「あなたの二倍あなたを好き」が放送され、主人公のぶ(今田美桜)の発言が大きな話題を呼んでいます。一週間行方不明だった嵩(北村匠海)との電話で見せたのぶの激怒ぶりに、視聴者からは賛否両論の声が上がっています。
朝ドラ『あんぱん』第17週第84話 あらすじ
昭和21年12月21日の南海地震で高知との通信が途絶え、嵩の安否を心配し続けたのぶ。やっと繋がった電話で「寝ていた」と聞かされ、安堵と怒りが入り混じった複雑な感情を爆発させます。「たっすいがーの嵩のくせに、どんだけ心配したことか」と激怒し、電話を切ってしまうのぶの姿は、視聴者に強烈なインパクトを与えました。
一方で、八木さんとの会話を通じて、のぶが嵩への想いに気づく重要なシーンも描かれました。「うちの中ではなくてはならん人なんです」という言葉からは、のぶの本心が垣間見えます。しかし、SNSでは「メンヘラ」「モラハラ」といった厳しい意見から、「可愛い」「ツンデレ」といった好意的な声まで、視聴者の反応は真っ二つに分かれています。
のぶの「一生寝とけ!」発言が物議を醸した理由
災害後の設定で放った衝撃的な一言
朝ドラ「あんぱん」第17週84話で、主人公のぶ(今田美桜)が放った「一生寝とけ!」という発言が、視聴者の間で大きな波紋を呼んでいます。この台詞が問題視される背景には、昭和21年12月21日の南海地震という災害設定があります。
劇中では、高知県を始めとする四国各地が大地震に襲われ、多くの死者が出ている深刻な状況が描かれています。そんな中でのぶが一週間行方不明だった嵩(北村匠海)に対して放った「一生寝とけ」という言葉は、災害で多くの命が失われた状況下では「死んでしまえ」と同義に聞こえてしまいます。
のぶは電話越しに嵩に向かって激怒します。
「何が寝てたんや、こっちはね、この1週間眠れちゃった戦果や」
「たっすいがーの嵩のくせに、どんだけ心配したと思う」
そして最後に決定的な一言を放ちます。視聴者からは「災害後の設定でこの発言はありえない」「幼馴染に向かって言う言葉ではない」といった批判の声が上がっています。
視聴者が感じた違和感の正体
SNSでは多くの視聴者が、のぶの発言に対する違和感を表明しています。特に問題視されているのは、これまで描かれてきた「ハチキンおのぶ」というキャラクター像と、今回の発言内容とのギャップです。
「朝ドラあんぱん、急速に脚本が崩壊してきてて怖い」という投稿に見られるように、視聴者の中には脚本の整合性に疑問を抱く声も少なくありません。特に「主人公たちに感情移入できなくなってきた」という指摘は、ヒロインとしてののぶの魅力が損なわれているという深刻な問題を示唆しています。
一方で、制作陣の意図としては、のぶの嵩に対する複雑な気持ちと、ツンデレな一面を表現したかったと考えられます。しかし、その表現方法が視聴者には「メンヘラ」や「モラハラ」として映ってしまい、制作意図と視聴者の受け取りに大きなズレが生じてしまいました。
一週間の安否不明が生んだ複雑な感情
「うちの中ではなくてはならん人」のぶが気づいた本心
今回のエピソードで最も重要なのは、のぶが嵩への本当の気持ちに気づくシーンです。八木さんとの会話の中で、のぶは嵩について語ります。「うちの中ではなくてはならん人なんです」という言葉からは、のぶにとって嵩がいかに大切な存在であるかが伝わってきます。
八木さんは嵩の戦地での経験を語りながら、のぶに嵩の強さを説明します。
「あいつは死にはしないよ、悪運が強いからな」
そして嵩が戦地で語っていた言葉を紹介します。
「何のために生まれてきたのか、その意味すらまだわからないから」
という嵩の言葉は、彼の生への執着と使命感を表しています。
のぶは嵩が描いてくれた月刊くじらの表紙を見つめながら「崇…」とつぶやきます。この瞬間、のぶは改めて自分の嵩に対する想いの深さを実感したのです。八木さんが
「失いそうになって初めて気が付くこともある。その大切さに」
と語った通り、のぶは嵩を失う可能性に直面して、初めて自分の本当の気持ちに気づいたのです。
八木さんとの会話で明かされた想いの深さ
八木さんとのぶの会話シーンは、今回のエピソードの核心部分です。のぶが火を見つめている姿から始まるこのシーンでは、のぶの内面の変化が丁寧に描かれています。
八木さんは嵩の戦地での体験を詳しく語ります。
「あいつは何度も死にかけてるんだ」
「餓死しそうになったり、マラリアにもかかった」
といった具体的なエピソードを通して、嵩がいかに困難な状況を乗り越えてきたかを説明します。そして最も重要なのは、嵩が戦地で語っていた
「自分はどうしても生きて帰りたい」
という強い意志です。
この話を聞いたのぶは、嵩への想いを改めて確認します。
「うち何でほんまに馬鹿ですね。今頃気がついて」
という言葉からは、のぶの素直な気持ちが伝わってきます。視聴者からは「自分の気持ちに気付いたのぶ かわいいかよおおおお😍😍」といった好意的な反応も寄せられており、このシーンに感動した視聴者も多いようです。
電話シーンの演出と今田美桜の熱演
土佐弁で見せた激怒の演技力
今回のエピソードで最も印象的だったのは、のぶが嵩との電話で見せた激怒のシーンです。今田美桜の土佐弁での感情表現は、視聴者に強烈なインパクトを与えました。
電話のシーンは、まず羽田子さんからの連絡で始まります。高知新報から電話をかけてきた羽田子さんは、皆の無事を伝えます。
「くら婆も蘭子もメイコも元気、心配せんでね」
という安心できる知らせの後、問題の嵩との会話が始まります。
のぶは最初、嵩の声を聞いて安堵します。しかし、嵩が
「ずっと寝てて」
「徹夜続きだったから地震で起きたんだけどすごく眠くて、気づいたら寝てたんだ」
と説明すると、のぶの感情は一気に爆発します。
「何が寝てたんや、こっちはね、この1週間眠れちゃったせんがや」
という激怒ぶりは、今田美桜の演技力の高さを如実に示しています。
視聴者からは
「今田美桜ちゃん激おこ💢💢の演技最高にいいねぇ 土佐弁なのもいいわ」
といった称賛の声が上がっており、演技力に対する評価は高いようです。
「どうぞどうぞ」牧徹子との掛け合いも話題
電話がかかってきた時の牧徹子(戸田恵子)とのぶの「どうぞどうぞ」という掛け合いも、視聴者の間で話題になりました。お互いに電話を譲り合う様子は、二人の気遣いと同時に、緊張感も表現していました。
秘書の世良さんが「正確に言えばこの1週間で4回つぶやいてました」と指摘するシーンも、コミカルな要素として機能しています。のぶが「4回」と驚く表情や、牧徹子との電話の譲り合いは、重いシーンの中での貴重な息抜きとなっています。
また、牧徹子も「100回電話した」という設定があり、のぶと同じように身内のことを心配していたことが分かります。
視聴者の反応は真っ二つ!SNSで見る賛否両論
「メンヘラ」「モラハラ」厳しい批判の声
SNSでの反応を見ると、のぶの行動に対する批判的な意見が目立ちます。特に厳しいのは
「メンヘラ女が自分より下の存在だと認識してる相手へのモラハラは見るに耐え難いし面倒くさい」
という投稿です。
この投稿では、制作陣が描きたかった「ツンデレ」と、視聴者が受け取った「メンヘラ」のギャップが明確に指摘されています。のぶの行動が、嵩を「自分より下の存在」として扱っているように見えてしまい、それがモラハラ的な印象を与えているという分析は、多くの視聴者の感情を代弁しているようです。
また、「朝ドラあんぱん、急速に脚本が崩壊してきてて怖い」という投稿に見られるように、脚本全体への不安を感じている視聴者も少なくありません。「設定がよく分からなくなってきたし、主人公たちに感情移入できなくなってきた」という指摘は、ドラマの根幹に関わる深刻な問題として受け取られています。
「可愛い」「ツンデレ」擁護する声も
一方で、のぶの行動を擁護する声も多く寄せられています。
「今日の朝ドラ、最高だった。朝から声出して笑ってしまったw のぶ、そうだよね、そうなるよね🥹」
という投稿のように、のぶの感情表現を理解し、共感する視聴者も多いようです。
特に印象的なのは、のぶの心理状態を詳しく分析したコメントです。
「あぁ…のぶの気持ちが手に取るようにわかる…1週間安否不明で自分は寝られなかったのに、寝てたから無事だったと言われ、安心して嬉しいのに、腹立たしい気持ちが混在し怒りとしてぶつけてしまう…涙を堪えるために余計に強い言葉で。たっすいがーの嵩が無事で良かったね😭」
この投稿は、のぶの複雑な心理状態を的確に表現しており、多くの視聴者の共感を得ています。安堵と怒りが入り混じった感情、そして涙を堪えるために強い言葉を使ってしまうという心理は、多くの人が経験したことのある感情でしょう。
また、
「『死ぬばぁ心配して損したわ!! ほいたらねっ!!!』 ってのぶちゃんww もう素直じゃないんだから😂」
といった投稿からは、のぶの素直じゃない性格を愛らしく感じている視聴者の存在も伺えます。
制作意図と視聴者の受け取りのズレを検証
ヒロイン像への期待と現実のギャップ
今回の騒動の根本的な原因は、制作陣が描きたいヒロイン像と、視聴者が期待するヒロイン像の間に大きなギャップがあることです。朝ドラのヒロインには、一般的に前向きで明るく、困難に立ち向かう強さを持ちながらも、どこか親しみやすい魅力が求められます。
のぶについても、これまで「ハチキンおのぶ」として描かれてきた通り、活発で元気な女性像が確立されていました。しかし、今回のエピソードでのぶが見せた激情的な一面は、視聴者の中で混乱を生じさせてしまいました。
「嵩の電話を受けた時ののぶちゃんのお顔があまりにもかわいくて可憐でよかったわぁ」
という投稿からも分かるように、視聴者はのぶの可愛らしい一面を求めています。しかし、同時に
「謝るシーンはほしかったな…。随所に感じるデリカシー問題…」
という指摘もあり、のぶの行動に対する複雑な感情が見て取れます。
コミカルパートが果たす重要な役割
今回のエピソードで評価されているのは、コミカルパートの存在です。「薪先生と世良さんのコミカルパートもっとほしい」という投稿に見られるように、重い展開の中でのコミカルな要素は、視聴者にとって重要な息抜きとなっています。
特に、牧徹子と秘書の世良さんの掛け合いは好評で、「鉄子さんと秘書さんの3回4回の掛け合いに万歳!!!」「戸田さんの『たかすぃ〜』煽りが面白すぎたw」といった声が寄せられています。
また、嵩が編集部に現れた時の琴子の「幽霊?…や、ない…?」という反応や、皆が安心した時の東海林の「鬼の形相」も、シリアスな展開に軽やかさを加える要素として機能しています。
こうしたコミカルパートは、ドラマ全体のバランスを保つ重要な役割を果たしており、視聴者からの需要も高いことが分かります。「楽しめました😆」という投稿からも、こうした要素が視聴者の満足度に大きく貢献していることが伺えます。
まとめ
朝ドラ「あんぱん」第17週84話で描かれたのぶと嵩の関係性は、視聴者に強烈なインパクトを与えました。以下に今回の見どころや伏線をまとめます。
・のぶの本心が明らかに: 八木さんとの会話を通じて、のぶが嵩を「なくてはならん人」として認識していることが判明
・災害設定での感情表現: 南海地震という深刻な状況下でのぶの複雑な感情が描かれ、リアルな人間関係の機微が表現された
・今田美桜の演技力: 土佐弁での激怒シーンは演技力の高さを示し、視聴者からも高く評価された
・制作意図と視聴者反応のギャップ: ツンデレとして描きたい制作陣と、メンヘラと受け取る視聴者の間に大きな溝が生じた
・コミカルパートの重要性: 牧徹子と世良さんの掛け合いなど、軽やかな要素が重い展開のバランスを取る役割を果たした
・今後の展開への期待: のぶと嵩の関係性がどう発展するか、また脚本の方向性について視聴者の関心が高まっている