1月21日放送の『冬のなんかさ、春のなんかね』第2話は、視聴者の感情を激しく揺さぶる衝撃回となりました。クリスマスを舞台に、文菜(杉咲花)とゆきお(成田凌)の関係が新たな局面を迎える一方、小太郎(岡山天音)の鼻ちょうちんシーンが「切なすぎて涙が止まらない」と話題に。さらに、ドラマ史上初めて「ロマアセク(ロマンティック・アセクシャル)」という言葉が明確に登場し、エンちゃんの恋愛観が丁寧に描かれました。杉咲花の「考えすぎる女」の演技は圧巻で、SNSでは「ゾワゾワが止まらない」「リアルすぎて苦しい」と絶賛の声が殺到しています。
『冬のなんかさ、春のなんかね』第2話 あらすじ
クリスマスイブ、文菜はゆきおと椅子を買いに行き、ディナーを楽しむ。翌朝、ゆきおから「夏くらいに一緒に住まない?」と同居を提案されるが、文菜は即答できない。古着屋の同僚エンちゃんは、自身がロマンティック・アセクシャルであることをただしさんに伝えており、彼との関係に悩んでいた。喫茶店で働く和地くんは、ゆきちゃんに失恋し落ち込む。文菜と和地くんは、文菜とゆきおの関係について言い争いになり、文菜は思わず涙を流す。その夜、小太郎から連絡が来て文菜は彼がいる店へ。その後に向かったホテルで小太郎は鼻ちょうちんを作って文菜を笑わせようとするが、その姿に文菜は「愛おしい瞬間の積み重ね」の大切さを実感する。
【涙腺崩壊】小太郎の鼻ちょうちんに隠された切ない愛
第2話で最も視聴者の心を揺さぶったのが、終盤の小太郎(岡山天音)と文菜のシーンです。和地くんとの言い争いで涙を流した文菜は、その夜小太郎から連絡を受け、2人でホテルを訪れます。
小太郎の独白シーンが切ない理由
文菜がベッドで寝ている間、小太郎が独白を始めます。
「俺さぁ、文菜のことを特別だって思ってた。でも、違ったのかもしれない。勝手に特別にしてしまって。それで多分苦しめてたと思う。好きじゃない人に好意を向けられても単純に困るよね、そりゃ。」
この言葉には、文菜への想いと同時に、自分自身を客観視する小太郎の成長が表れています。彼女がいながらも文菜を特別視していた自分を反省し、それが文菜を苦しめていたことに気づいた小太郎。
「クリスマスにね、彼女から、あまり私のこと好きじゃないでしょって言われて、振られてそしたらちゃんと悲しくて、そう、それで、今更気づいたんだよね。もしかしたら文菜は何も特別じゃなかったのかもしれないって。」
この告白は、視聴者に「恋愛における特別さ」とは何かを問いかけます。しかし、小太郎の独白は続きます。
「でもやっぱ好きで、会えたら嬉しくて、いつだって会いたくて。あぁー、うぅー、最後の一言で台無しだ。ごめん、いっぱい喋った。あと、嘘も混じってるかも」
「特別じゃなくなった」と言いながら、結局「やっぱり好き」と認めてしまう小太郎。この矛盾した感情の吐露が、恋愛のリアルさを際立たせています。
鼻ちょうちんの縦揺れが「シャンソン」
そして、伝説となったのが鼻ちょうちんのシーンです。シャワー後の小太郎は、石鹸を使って鼻ちょうちんを作り、文菜を笑わせようとします。
「やばい。やばい、やばい。ちょ、見て。」 「すごくない?」
この一見コミカルな行為が、なぜこれほど切なく感じられるのか。それは、小太郎の愛情表現が「笑顔を見たい」という純粋な願いに基づいているからです。SNSでは「鼻風船の縦揺れがシャンソン」「鼻ちょうちんの笑いが、なぜこんなに切ないのか」と話題になりました。
恋愛を通り越して、ただ相手の幸せを願う——それが「愛」なのかもしれません。文菜は小太郎の姿を見て、こう心の中で呟きます。
「本当はこんな瞬間の積み重ねが一番愛おしいのかもしれない」
このセリフは、ドラマ全体のテーマを象徴しています。
文菜が小太郎を「利用している」自覚
一方、文菜は自分と周囲の人々の関係性について、こう考えていました。
「利用してる。利用されてる。利用されてる。利用してる。恋人の行男。小説家の先輩山田さん。私を好きなコタロー。ロマンティックアセクシュアルなエンちゃん。」
この独白は、文菜の罪悪感と自己嫌悪を表しています。ゆきおは優しく、山田さんは頼りになり、小太郎は自分を特別視してくれ、エンちゃんは友人——しかし文菜は、それらの関係を「利用」していると感じているのです。
「利用って言葉は違う気もするけど。他者との関係性には大きく分けて2種類あると思っている。性的なことが絡むか絡まないか、そして大切なことが話せるか話せないか。」
文菜の恋愛観は、性的な関係と感情的な親密さを分けて考えるもの。ゆきおとは性的な関係があるが大切なことは話せず、小太郎とは大切なことが話せるが性的な関係はない——この複雑な感情が、文菜を苦しめています。
「ゆきおは本当に優しい。優しいのに、どうしてそれだけでは満たされないのだろう。穴が開いている。その穴が埋まらない。その埋まらなさが寂しさなのか、何なのか。その正体が自分でもわからない。」
このモノローグは、第2話の核心です。文菜の「満たされない心」の正体——それはまだ彼女自身も理解していません。
「ロマアセク」が地上波初登場!エンちゃんの真っ直ぐな恋の葛藤
第2話で大きな話題となったのが、「ロマンティック・アセクシャル(ロマアセク)」という言葉の登場です。これは地上波ドラマで初めて明確に使用された用語で、SNSでは「Aスペクトラム案件でした、ありがとうございます」と感謝の声が上がりました。
エンちゃんとただしさんの「付き合わない」関係
喫茶店で、文菜はエンちゃん(野内まる)から相談を受けます。エンちゃんはただしさんという男性から告白されており、その関係に悩んでいました。
「ただしさんに告白されて、で、私は自分がロマンティックアセクシュアルだって伝えて。そしたらそれでもいいって言ってくれて。でもお付き合いはできないですって断って。」
ロマアセクとは、恋愛感情は抱くが性的欲求を抱かない指向のこと。エンちゃんはただしさんのことが好きで、一緒にいれば楽しい——しかし「付き合う」という形は取れないのです。
「でもご飯誘われたら会うし、映画とか買い物とかも二人でよく行くと。だって一緒にいたら楽しいもん、一番楽しい。そうだよなぁ、それ意味わかんないよね。困るよね、相手は。」
このエンちゃんの言葉に、多くの視聴者が共感しました。恋愛における「好き」の形は一つではなく、性的な関係を伴わない親密さも存在する——そのことを、ドラマは丁寧に描いています。
「解放してあげた方がいいのかな」の深い意味
エンちゃんは、ただしさんを「解放」すべきか悩んでいました。
「もう手放した方がいいのかなって思う。手放すっていうか、開放してあげた方がいいのかなって。例えば、もう二人で会わないようにするとか。」
文菜が「それでいいの?」と問うと、エンちゃんは答えます。
「わかんない。よくはないけど、それしかないかも。」
しかし文菜は「好きは好きなんでしょ?」と確認し、エンちゃんは「うん」と認めます。ここで文菜が指摘するのが、エンちゃんの複雑な心情です。
「好きだし、一緒に住めるし、結婚もできるけど、そういうのだけ無理なんだって。」
エンちゃんの真意は、ただしさんを縛りたくないという思いでした。
「それに、私が付き合わなければ、ただしさんは誰かを好きになってもいいわけでしょ?縛りたくなくて。ま、好きな人には幸せになってほしいから。」
この言葉を聞いた文菜は、感動してこう言います。
「いや、なんか真剣に向き合うから生まれる悩みは尊いんだなって思う。」
エンちゃんの真っ直ぐさ——それは、相手の幸せを自分の幸せより優先する姿勢です。このシーンは、文菜がエンちゃんを「羨ましい」と思う理由を明確にしました。
文菜が相談されて感じたこと
この会話を反芻しながら文菜は、心の中でこう思います。
「一緒に住めるし、結婚もできるけど、どうしても触れることだけができない。手を繋ぐことも、抱き締めることも難しくて、キスをしたらセックスをしたらなんて考えたくもない。こんなにも大切な人をこずえは手放そうとしている。触れられないからという、ただその一点のために。こんな人は現れないかもしれない。」
この独白は、文菜自身の恋愛観と重なります。ゆきおという優しい恋人がいるのに満たされない文菜と、ただしさんを手放そうとするエンちゃん——二人の悩みは異なりますが、どちらも「恋愛の形」に苦しんでいるのです。
編集者との打ち合わせで深まる「個人として描く」意味【考察】
第2話の前半では、文菜と担当編集の多田美波(河井青葉)との打ち合わせシーンがありました。このシーンは、ドラマのメタ的な側面を強調しており、視聴者に「マイノリティをどう描くか」という問いを投げかけています。
文菜の小説に登場する「梢」というキャラクター
文菜は現在、新作小説を執筆中です。その中に「梢」というロマアセクのキャラクターが登場します。
「この中に出てくる羨むっていう行為が、ロマンティックアーセクシュアルの梢を羨むっていう行為が、なんかちょっと良くないことのような気がしていて。」
文菜は、主人公が梢を羨むという設定に違和感を抱いていました。多田さんは確認します。
「主人公の友人梢は、ロマアセクだから、他者に対して恋愛感情は抱いて、性愛感情は抱かない。だから、自ら望んでセックスすることで二人の関係が変わってしまったり、終わりを迎えるとか、そういうことが起こりにくい。で、主人公はそれを羨んでいるよね。」
文菜は「はい」と答えますが、続けてこう言います。
「ま、でも主人公には選択肢があって、するもしないも選んでいるわけで。で、もう性的に惹かれるみたいな感覚がない梢のことを羨むっていう行為が、なんかちょっと気持ち悪くて。」
「何が羨ましかったの?」という質問
多田さんは、文菜に本音を引き出そうとします。
「え、ちなみに土田さんは何が羨ましかったの?この梢って、土田さんの大学時代からの友達がモデルなんだよね。その人の何が羨ましかったのかな。」
文菜は二つの理由を挙げます。
「えっと、二つあって。一つは、さっき多田さんが指摘してくれた部分。ま、私は多分他の人よりも、こう、簡単に人を好きになってしまえるんです。それは性的にもだし、性的なことを抜きにしてもなんですけど、ま、その友達は基本的にはこう相手と寝るみたいなことをしたくないから、寝たことによって人間関係が変わってしまうみたいなことが、ま、今までは一切なかったみたいで、それが羨ましくて。」
これは、文菜が自分の恋愛傾向を自覚している証拠です。「簡単に人を好きになってしまう」文菜は、その度に関係が変化してしまうことに疲れているのかもしれません。
「もう一つは、うーん・・・なんか、その友達の真っ直ぐさへの憧れ、みたいな。ま、あの、彼女には、あの、彼女のことを好きな男性がいて、で、その人の気持ちに真剣に向き合ってるんです。で、まあ、私はあんまりそういうことができていなくて。だからそれが羨ましい。」
この告白は、文菜の核心に迫ります。彼女は相手の気持ちに真剣に向き合えていない——ゆきおに対しても、小太郎に対しても、文菜は誠実に向き合えていないのです。
多田さんの的確なアドバイス
多田さんは、文菜の悩みを一言で表現します。
「それが抜け落ちてるんだよ。」
文菜が「え、どういうことですか?」と問うと、多田さんは続けます。
「あのさ、すごく当たり前のことなんだけど、一人一人違うわけじゃない?同じロマアセクの人でも。だから、ロマアセクの人はこうだって描くんじゃなくて、あくまでも一個人として、梢っていう人間はこうだって分かるように描いた方がいいんじゃないかな。」
この言葉は、ドラマ自体のメッセージでもあります。セクシャルマイノリティを「属性」として描くのではなく、「一人の人間」として描く——それが今泉力哉脚本の真髄です。
「性的マイノリティーの人を描く時って、どうしてもその、恋愛とか性的指向の部分にだけ意識が行きがちだけど。例えば、猫が好き、とか、バターが食べられない、とか。せっかち。派手な色の服を好む。曇りの空が好き、とか、その人を構成するいろいろな要素があるわけでしょ。それこそ真面目さ、とかまっすぐさ、とかも含めて。だから、梢っていう人物を描く時も、ロマアセクの代表として描くんじゃなくて、一人の人間として。土田さんだけが知ってること、その魅力や細部を描けたらいいんじゃないかな。」
このシーンは、視聴者に「人を理解するとはどういうことか」を問いかけています。ロマアセクという言葉を使うことの意味と限界——それを丁寧に描いたことが、第2話が高く評価された理由の一つです。
文菜は、多田さんの言葉に「なんか、ちょっとだけすっきりしました」と答えますが、彼女自身の恋愛観はまだ整理されていません。
ゆきおからの同居提案に揺れる文菜の満たされない心
クリスマスイブ、文菜とゆきおは椅子を買いに行き、ディナーを楽しみます。プレゼント交換もして、幸せそうな二人——しかし翌朝、ゆきおが切り出した提案が、文菜の心を揺さぶります。
朝のシーンで明かされる同居の提案
ゆきおの家で朝を迎えた文菜に、ゆきおはコーヒーを淹れながら話しかけます。
「あれ、あとさ。もしよかったら一緒に住まない?夏ぐらいに。もう少し広いところ一緒に借りて。7月か8月くらい?店の売り上げも安定してきたし、外仕事もいくつか決まってるし。」
これは、恋人として自然な提案です。しかし文菜の返事は「えー」という曖昧なもの。ゆきおは続けます。
「まあゆっくり考えてみて。急がないから。」
文菜は「分かった」と答えますが、その表情には迷いが見えます。
クリスマスの椅子選びに込められた意味
前日の椅子選びのシーンも、二人の関係性を象徴していました。
「えー、どれも可愛い。え、どれがいい?」 「迷うねえ。え、文菜がいいのにしない?家にいる時間は文菜の方が長いんだから。」 「一応うち、長い。え、2脚買っていいんだよね、それぞれの家に。」
「それぞれの家」という言葉が、まだ同居していない二人の距離感を表しています。ゆきおは文菜の意見を尊重し、文菜が家にいる時間が長いからと彼女に選ばせる——その優しさが、逆に文菜を苦しめているのかもしれません。
文菜が即答できなかった理由
文菜はなぜ即答できなかったのか。それは、彼女の中にある「満たされない心」が関係しています。
前述の独白で、文菜はこう語っていました。
「ゆきおは本当に優しい。優しいのに、どうしてそれだけでは満たされないのだろう。穴が開いている。その穴が埋まらない。その埋まらなさが寂しさなのか、何なのか。その正体が自分でもわからない。もはや人で埋まるものではないのかもしれない。」
ゆきおの優しさは本物です。クリスマスプレゼントにイヤリングを贈り、文菜の好みを理解し、朝食を作り、コーヒーを淹れる——完璧な恋人。しかし文菜は、その優しさに応えることができません。
「私の思考は今もずっと浮遊している。人のことはすぐ好きになるけど、本気にならないようにしている。つまりそれは自分のことしか好きじゃないのかもしれない。」
この自己分析は、文菜の核心を突いています。彼女は本当に誰かを愛することができるのか——その疑問が、同居の提案に即答できない理由なのです。
和地くんとの衝突が暴いた文菜とゆきおの関係性の真実
第2話のクライマックスの一つが、喫茶店での文菜と和地くん(水沢林太郎)の衝突シーンです。和地くんはゆきちゃんに失恋し、文菜に相談します——しかしその会話は、予想外の展開を迎えます。
和地くんの失恋話から始まる会話
和地くんは、ゆきちゃんに別れを告げられたことを文菜に話します。
「あのー、ユキから別れたいって言われて」 「なんか、「ユキ、クリスマスに働くの全然いいよって」言ってたのに、全然良くなかったみたいで」
和地くんは、ゆきちゃんがクリスマスに他の男性と過ごしていたことを知り、ショックを受けています。
「他に好きな人ができたって言われました。」
この失恋話を聞いた文菜は、和地くんに慰めの言葉をかけようとしますが——
「そんな恋愛楽しいですか?」の痛烈な問い
和地くんが、文菜に逆に質問します。
「これって、もう諦めた方がいいんですかね」 「文菜さんだったらどうします」
文菜は「私だったら、うーん、わかんない」と答えます。そして、和地くんは文菜の恋愛について言及します。
「今の彼氏からフラれることはないと」
文菜が「まあ、ないかな」と答えると、和地くんは「くそじゃん」と言い放ちます。
「そんな恋愛楽しいんですか?相手の方が自分を好きで、安定してて、余裕があって?え、それ楽しい?なんかもっとこう。不安の中で揺れてた方が楽しくないですか?それが恋愛の醍醐味なんじゃないんですか?」
この言葉は、文菜の核心を突いています。ゆきおとの関係は「安定」していて「余裕」がある——しかし、それは文菜が求めている恋愛なのか?
和地くんはさらに続けます。
「彼氏のこと本当に好きですか?あ、わかった。好かれてるから。いい人だから。まあこいつでいっかみたいな。そういう感じで付き合ってるんだ。空気みたいな。家族みたいな感じで?」
この言葉に、文菜は激怒します。
杉咲花の「黙れ」の演技が圧巻
和地くんの言葉に対して、文菜は反論します。
「和地くんは私と私の彼氏の何を知ってるんですか?」
「何も知らないです。でも-」
「じゃ、そういうこと言わないでほしいです。余裕があるとか決めつけないでほしい。振られないかもしれない人と一緒にいること、そんな恋愛が楽しいかどうか。この人でいいのか。そんな、そんなこと他人にとやかく言われたくないです。私たちのことは私たちにしかわかんないから。違いますか?」
和地くんが「そうですね。でもなんか」と言いかけたところで、文菜は遮ります。
「いや、黙れ。」
このシーンの杉咲花の演技は圧巻でした。怒りと悲しみが混じった表情、震える声——SNSでは「『黙れ』と遮って席を立った、あの間と速度が素晴らしい」と絶賛されました。
文菜のモノローグが続きます。
「和地くんのまっすぐな思いにどこか嫉妬している自分がいたこと。『そんな恋愛楽しいですか?』と言われて、なぜか苦しくなってしまったこと。気がつくと私は歩くスピードを上げていて、それはきっと涙がこぼれないようにしたかったのだと思う。」
和地くんの言葉が図星だったからこそ、文菜は怒り、涙を流したのです。
ゆきおからの電話と文菜の冷たい対応
店を出た文菜に、ゆきおから電話がかかってきます。
「あ、もしもし、文菜?今大丈夫?あのさ、明日帰るんだよね、実家。よかったら送ろうか、東京駅まで。荷物とか多いだろうし。あ、お昼一緒に食べない?時間あればだけど。」
しかし文菜は、冷たく断ります。
「あー、でもちょっと午前から帰るんだよね。大丈夫だよ。ありがとう。」
このシーンで、文菜は心の中でこう思います。
「もし、今ユキオから別れたいと言われても、きっと私は一切悲しめないのだろう。」
この独白は、文菜とゆきおの関係の本質を表しています。彼女はゆきおを失うことを恐れていない——なぜなら、本気で愛していないから。
「はい。そしてこんな時には決まって、コタローから連絡が来る。」
文菜は、ゆきおとの関係に冷めているとき、小太郎に連絡を取る——これが、彼女の恋愛パターンなのです。
【考察】「愛おしい瞬間の積み重ね」が示す恋愛の本質とは
第2話のラストシーン、小太郎と文菜が遊ぶ場面は、ドラマ全体のテーマを象徴しています。
鼻ちょうちんの後の穏やかな時間
小太郎が鼻ちょうちんで文菜を笑わせた後、二人は穏やかな時間を過ごします。
「何してんの?」
「いや、ごめんごめんごめん。ちょっと待って。これでやるか。すごく– あらあらあら。」
小太郎が泣いている文菜にティッシュを手渡すと
「やだ。手濡れてるからびしょびしょじゃん。」
「えー!?本当ごめん。え、本当にごめん。」
このやり取りは、恋人同士のようでありながら、友人同士のような自然さがあります。文菜は心の中で語ります。
「でもいつも、いつも私は難しく考えてしまうけれど。本当はこんな瞬間の積み重ねが一番愛おしいのかもしれない」
この言葉は、第2話の核心です。
恋愛における「特別」とは何か
文菜は、ゆきおとの関係、小太郎との関係、エンちゃんとただしさんの関係を見て、「恋愛における特別さ」について考えています。
エンちゃんの会話を盗み聞きした後、文菜はこう思いました。
「一緒に住めるし、結婚もできるけど、どうしても触れることだけができない。手を繋ぐことも、抱き締めることも難しくて、キスをしたらセックスをしたらなんて考えたくもない。こんなにも大切な人をこずえは手放そうとしている。触れられないからという、ただその一点のために。こんな人は現れないかもしれない。」
一方、小太郎は独白でこう言いました。
「俺さぁ、文菜のことを特別だって思ってた。でも、違ったのかもしれない。」
「特別」という言葉が、第2話では何度も登場します。しかし、その意味は人それぞれ——恋愛における「特別さ」とは、性的な関係なのか、感情的な親密さなのか、一緒にいて楽しいことなのか。
「愛おしい瞬間の積み重ね」が答えか
文菜のラストの独白は、一つの答えを示唆しています。
「本当はこんな瞬間の積み重ねが一番愛おしいのかもしれない」
派手なデートでも、ロマンチックな告白でもなく、日常の小さな瞬間——それこそが「愛」なのかもしれません。鼻ちょうちんで笑い合ったり、水をかけ合ったり、一緒にゲームをしたり——そんな何気ない時間が、実は一番大切なのではないか。
しかし文菜は、まだその答えに確信を持てていません。
「私の思考は今もずっと浮遊している。人のことはすぐ好きになるけど、本気にならないようにしている。つまりそれは自分のことしか好きじゃないのかもしれない。」
このジレンマが、ドラマの今後の展開を予感させます。文菜は、ゆきおとの同居を決断するのか、それとも——?
6. まとめ
『冬のなんかさ、春のなんかね』第2話は、視聴者の心を深く揺さぶる衝撃回となりました。以下、今回の見どころと伏線を整理します。
今回の見どころ・伏線
- 小太郎の鼻ちょうちんシーンが涙腺崩壊級
「恋を通り越した愛」を表現した名シーン。小太郎の「特別じゃなくなったかも」という独白と、それでも文菜を笑わせようとする姿が切ない。 - 「ロマアセク」が地上波ドラマ初登場
エンちゃんの恋愛観を通じて、性的指向の多様性を丁寧に描写。「個人として描く」というメッセージが強く打ち出された。 - ゆきおからの同居提案に文菜が即答できず
文菜の「満たされない心」の正体が明かされる伏線。優しいゆきおとの関係に、文菜は本当に満足しているのか? - 和地くんとの衝突で暴かれた文菜の本音
「そんな恋愛楽しいですか?」という問いが、文菜の核心を突く。杉咲花の「黙れ」の演技が圧巻。 - 「愛おしい瞬間の積み重ね」がテーマ
派手な恋愛ではなく、日常の小さな瞬間こそが大切——ドラマ全体のメッセージが明確になった。 - 文菜の「利用している」自覚
ゆきお、小太郎、エンちゃん、山田さん——文菜は周囲の人々を「利用」していると感じており、その罪悪感が彼女を苦しめている。
次回への期待
第3話では、文菜の高校時代の元恋人・柴咲秀(倉悠貴)が登場します。過去の恋愛が、現在の文菜にどのような影響を与えるのか——そして、ゆきおとの同居問題はどう進展するのか、目が離せません。






