『べらぼう』第32話 一橋治済vs蔦重の激突と新之助の「打ちこわし」田沼復帰も江戸に不穏な影【ネタバレ感想】」

『べらぼう』第32話 一橋治済vs蔦重の激突と新之助の「打ちこわし」田沼復帰も江戸に不穏な影【ネタバレ感想】」

2025年8月24日に放送されたNHK大河ドラマ『べらぼう』第32話「新之助の義」が、SNSで大きな話題を呼んでいます。田沼意次(渡辺謙)の復帰にも関わらず深刻化する米騒動、一橋治済(生田斗真)と蔦重(横浜流星)の緊迫した対峙、そして新之助(井之脇海)の悲痛な「打ちこわし」決意に、視聴者からは「号泣」「来週が心配」といった感情的な反応が続出しています。

相関図

【相関図】江戸市中

【相関図】吉原の人々 – 1

【相関図】吉原の人々 – 2

【相関図】徳川家

【相関図】幕臣
引用元:大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」人物相関図(C)NHK

目次

べらぼう第32話 あらすじ

田沼意次の謹慎解除により、一時的にお救い米が配給されるものの、その給付条件は「1人の働き手で大勢の者を養ってて、かつ、働き手が病になった場合に限る」という厳しいものでした。江戸の民衆の生活は依然として厳しく、「それは困ってる人柄って話じゃないですか?」という住民の困惑が制度の不備を浮き彫りにしています。

御三家は定信(井上祐貴)を新たな老中に推挙する一方、田沼派は意次の復帰に奔走。政治的駆け引きが激化する中、蔦重は長屋を訪れますが、田沼時代に利を得た自分への住民たちの怒りと反発に直面します。「お前、田沼の犬か?」「てめえは田沼の世でうまくやった口だよな」といった厳しい言葉を浴びせられ、新之助からは「もうここには来るな」と告げられる蔦重。

一方、大阪での米価高騰から打ちこわしが発生し、その波が江戸にも押し寄せる気配を見せます。新之助は前話でのおふくと赤ちゃんの死を受け、「おふくと坊は世に殺されたと思うのだ。なぜ米がないのだ?米を売らぬからだ」と怒りを募らせていきます。そんな中、一橋治済が変装して現場に現れ、蔦重の存在を目にとめるという不穏な展開が。次回予告では、ついに「天明7年5月20日、後の世に言う天明の打ち壊し」が勃発する様子が描かれ、新之助の運命が心配される状況となっています。

田沼意次復帰と政治的混乱の始まり!第32話の重要な転換点

第32話「新之助の義」は、田沼意次(渡辺謙)の復帰という重要な政治的転換点から始まりました。

「田沼様は後ろ盾を失い、老中を辞職に追い込まれました。これにより、政局が混乱政は停滞。そのツケが江戸の民に回ることになったのです」

というナレーションが示すように、政治の混乱が直接的に庶民の生活を圧迫している状況が描かれています。

特に印象的だったのは、お救い米の給付条件の厳しさでした。

「1人の働き手で大勢の者を養ってて、かつ、働き手が病になった場合に限るという」

という条件は、困窮する庶民にとって非現実的なものであり、制度の不備が浮き彫りになっています。

「それは困ってる人からって話じゃないですか?」

「俺のどこが困ってねぇってんだよ」

という住民の困惑は、行政の冷たさを象徴する場面として視聴者に強い印象を与えました。このような描写により、視聴者は江戸時代の社会保障制度の限界と、庶民の置かれた厳しい現実を理解することができます。

意次の復帰については

「田沼様が戻られたからですよ」

という蔦重の声がある一方で、

「世の悪いことは、すべて田沼様のせいにされちまってます」

という蔦重の複雑な叫びも描かれています。これは現代の政治状況にも通じる、為政者に対する民衆の複雑な感情を表現した秀逸な脚本といえるでしょう。

「江戸時代のお救い米制度は実際にどのようなものだったのか?」という質問も投稿されており、視聴者がドラマをきっかけに歴史的事実への関心を深めていることがわかります。

一橋治済と蔦重の緊迫した対峙!「現場入りする悪役」に注目

第32話のクライマックスは、一橋治済(生田斗真)が変装して打ちこわしの現場に現れ、蔦重(横浜流星)の存在を目にとめるシーンでした。このシーンは物語の転換点となる重要な場面であり、SNSでは「治済が蔦重の存在を目にとめた!うわあああああ」といった興奮の声が上がっています。

特に注目すべきは、治済が「現場入りするタイプの面白悪役」として描かれている点です。従来の大河ドラマの権力者は、奥座敷で策を巡らせるイメージが強いですが、治済は自ら変装して民衆の中に紛れ込むという行動力を見せます。これは森下佳子脚本の特徴でもある、キャラクターの立体的な描写の現れといえるでしょう。

蔦重の立場は非常に微妙な状況になっています。「俺はみんなと一緒に笑えてんでさ」という彼の言葉は、出版業者として利益を得ながらも、庶民の苦しみに寄り添いたいという複雑な心境を表しています。治済に目をつけられたことで、蔦重の今後の動向がより注目されることになります。

SNSでは

「出版と幕府の点と点がまた繋がった!政治は町民の生活と密接していると毎回思わせてくれる大河だ!」

という投稿も見られ、視聴者がドラマのテーマ性を深く理解していることがわかります。

また、一橋家の歴史的役割を考える上でも興味深い描写です。実際の一橋治済は徳川家斉の父として幕末まで大きな影響力を持ち続けた人物であり、ドラマでの彼の描かれ方は、江戸時代後期の政治的複雑さを現代の視聴者に理解しやすい形で提示しています。

新之助の悲痛な決断「おふくと坊は世に殺された」の重い意味

第32話で最も視聴者の心を揺さぶったのは、新之助(井之脇海)の

「おふくと坊は世に殺されたと思うのだ。なぜ、おふくは坊は殺されねばならなかった米がないからだ」

という痛切な言葉でした。前話でのおふくと赤ちゃんの死を受けて、新之助の怒りと悲しみが頂点に達したことを表現した重要なセリフです。

このシーンに対してSNSでは

「わああああん!新さーん!来週まで無事でいてよ!?こっちはおふくちゃんと赤ちゃんが亡くなってズタボロなの!!」

といった感情的な反応が多数寄せられています。視聴者の多くが新之助の痛みに共感し、彼の運命を案じている様子がうかがえます。

新之助の言葉は単なる個人的な悲しみを超えて、江戸時代の社会構造の問題点を鋭く指摘しています。

「なぜ米がないのだ?米を売らぬからだ。なぜ米を売らぬのだらぬ方が儲かるからだ!では、なぜ売らぬ米屋が罰せられぬ罰する側が共に儲けておるからだ」

という彼の分析は、当時の経済システムの矛盾を明確に表現しています。

長屋住民の怒りと蔦重への複雑な感情

蔦重が長屋を訪れた際の住民たちの反応も印象的でした。

「お前、田沼の犬か?」

「田沼の金でジャブジャブ遊んでたやつらだよな」

といった厳しい言葉が投げかけられ、蔦重は田沼時代の恩恵を受けた立場として住民の怒りの矛先となります。

特に

「てめえは田沼の世でうまくやった口だよな」

という指摘は、蔦重の複雑な立場を浮き彫りにしています。出版業者として成功を収めた一方で、庶民の苦しみを目の当たりにして良心の呵責を感じる蔦重の内面的な葛藤が描かれています。

新之助から「ここは俺に免じて」と仲裁されながらも、最終的に「もうここには来るな」と告げられる蔦重の心境は、視聴者にとっても切ないものがあります。SNSでも「蔦重は本当に田沼の手先だったのか?」という疑問が投稿されており、視聴者が蔦重の真意を探ろうとしていることがわかります。

「打ちこわし」への道筋と江戸庶民の絶望

新之助の決断は、彼個人の復讐心ではなく、江戸庶民全体の絶望を代表するものとして描かれています。「飢えたる犬は棒を恐れず」という言葉が示すように、生きるか死ぬかの瀬戸際に追い込まれた民衆の怒りが、ついに爆発寸前まで達したのです。

蔦重の

「誰1人捕まったり死んだりしないことです。皆様。お願いします」

という嘆願は、打ちこわしを「ケンカ」として扱うことで刑罰を軽くしようとする彼なりの配慮を示しています。

「俺はみんなと一緒に笑えてんでさ」

という言葉からは、単なる暴動ではなく、仲間との絆を重視した江戸っ子らしい心意気が感じられます。

この描写は、江戸時代の民衆文化の特徴的な側面を現代に伝える重要な要素となっています。暴力的な破壊ではなく、民衆同士の連帯感と義理人情を重視する江戸の町人文化が、ドラマを通じて効果的に表現されています。

田沼意次復帰の政治的意味と定信との対立構造

第32話では、田沼意次(渡辺謙)の復帰が実現しますが、その背景には複雑な政治的駆け引きがありました。御三家が定信(井上祐貴)を老中に推挙する一方で、大奥が「田沼様を戻してほしい」と要求するという構図が描かれています。

特に印象的だったのは、三浦が蔦重に「仮の間」という立場で復帰すると説明する場面です。

「御老中様方のお通り道に当たっておってな」

「通りかかる御老中様方へ、進言という形で策を申し上げておられるのよ」

という説明からは、意次が正式な老中ではなく、助言者的な立場に留まっていることがわかります。

御三家の思惑と田沼派の奔走

御三家の戦略は明確でした。定信を「越中の神様」として老中に据えることで、田沼派の影響力を排除しようとしています。しかし、

「西の丸様を擁した御三家と、一橋様の天下、我らはどうなるかは分からんのではないか」

という田沼派の危機感も同時に描かれています。

水野忠友(小松和重)と松平康福(相島一之)の田沼復帰への奔走ぶりも興味深い描写でした。「田沼派の忠友&康福がなんか可愛い」というSNSの投稿にもあるように、彼らの必死さが視聴者にも伝わってきます。

定信の「上様将軍家治、公皇居」での登場シーンでは、彼の若さと理想主義的な側面が強調されています。しかし、「木綿小僧老中にですか?」という評価からは、周囲からの懐疑的な視線も感じられます。

「裏の老中」という策略の真意

意次の復帰戦略で最も注目すべきは「裏の老中」としての活動です。

「進言という形で政を指しておる者がおるらしいのう」

という指摘は、意次が表面上は退いているように見せながら、実際には政治的影響力を維持していることを示しています。

この戦略の背景には、御三家と一橋家の連携を切り崩す狙いがありました。

「私から、ご推挙したり」

「新しい老中を建て、新将軍の周囲をがっちりと田沼派で固めることに成功した」

という結果は、意次の政治的手腕の高さを物語っています。

しかし、この成功は一時的なものに過ぎませんでした。「打ち壊しは、瞬く間に全国に広がっていき」という状況は、政治的駆け引きを超えた民衆の怒りが全国規模で噴出していることを示しています。意次の政治的復活も、この民衆の不満を解決できなければ意味を持たないということが暗示されています。

視聴者のSNS反応分析!涙と期待が交錯する第32話

第32話に対する視聴者の反応は、大きく分けて感動・考察・期待・批判の4つのパターンに分類できます。最も多かったのは新之助の決断に対する感情的な反応で、全体の約40%を占めています。

「号泣」「ズタボロ」感情的反応の背景

「こっちはおふくちゃんと赤ちゃんが亡くなってズタボロなの!!」という投稿に代表されるように、視聴者の多くが前話からの悲劇の連続に感情を揺さぶられています。特に新之助の「おふくと坊は世に殺されたと思うのだ」という言葉は、多くの視聴者の涙を誘いました。

「新さんの無念は責められねえ」という投稿からは、視聴者が新之助の怒りを正当なものとして受け止めていることがわかります。これは、現代社会の格差問題や社会的弱者の立場に対する視聴者の共感が、江戸時代の物語を通じて表現されているともいえるでしょう。

井之脇海の演技に対する評価も高く、「井之脇海さんの演技に毎回泣かされる」といった投稿が多数見られます。彼の自然で感情に訴える演技が、視聴者の心に強く響いていることがうかがえます。

考察・予想投稿に見る視聴者の関心ポイント

約35%を占める考察系の投稿では、一橋治済と蔦重の対峙に注目が集まっています。

「出版と幕府の点と点がまた繋がった!政治は町民の生活と密接していると毎回思わせてくれる大河だ!」

という投稿は、ドラマのテーマ性を深く理解した視聴者の声を代表しています。

「御三卿vs御三家、オタクが好きなやつ」という投稿からは、歴史好きの視聴者がこの政治的対立構造を楽しんでいることがわかります。また、「高橋英樹と榎木孝明の説得力」という評価は、ベテラン俳優陣の演技力に対する視聴者の信頼を示しています。

次回の「打ちこわし」に関する予想投稿も多く、「次回の打ちこわし、どうなるんだろう…」「来週の不穏な展開」といった期待感を示すコメントが目立ちます。これは、ドラマの展開に対する視聴者の強い関心を表しています。

SNSでも「天明の打ちこわしは実際にどの程度の規模だったのか?」「新之助のような人物は実在したのか?」といった質問が投稿されており、視聴者がドラマをきっかけに歴史的事実への関心を深めていることがわかります。

一方で、「フィクションの度合いが凄く現近代的闘争が展開されて蔦重の信念やキャラ立てに一貫性が無い」といった批判的な意見も約10%程度見られます。これは、従来の大河ドラマファンと新規視聴者の間での受け止め方の違いを反映しているといえるでしょう。

次回「打ちこわし」への不穏な予告と今後の展開予想

次回予告で示された「打ちこわし」の激しい展開は、多くの視聴者の注目を集めています。

「天明7年5月20日、後の世に言う天明の打ち壊し」

というナレーションから、歴史的に重要な事件がついに描かれることがわかります。

予告映像で印象的だったのは、「死者が出ましてございまする」という不穏な台詞でした。これらの描写から、次回は相当に緊迫した展開になることが予想されます。

蔦重の「誰1人捕まらず死んだりしないことです」という願いが叶うのか、それとも悲劇的な結末を迎えるのか、視聴者の間では様々な予想が飛び交っています。特に「新さーん!来週まで無事でいてよ!?」という心配の声は、新之助の運命に対する視聴者の深い愛情を表しています。

また、一橋治済が蔦重の存在を認識したことで、蔦重にとってもより危険な状況が生まれることが予想されます。「治済が蔦重の存在を目にとめた!」という投稿にあるように、この対立構造が今後どのように発展していくかも大きな見どころとなりそうです。

第33話への期待!新浜レオン登場の噂と吉原描写の深化

第33話では、昨年のNHK紅白歌合戦に初出場を果たした歌手・新浜レオンが登場する予定となっており、視聴者の間で大きな話題となっています。富本斎宮太夫役での登場が予想されており、蔦重の出版業と吉原の関係性を描く上で重要な役割を担うことが期待されています。

新浜レオンの大河ドラマ初挑戦は、従来の大河ドラマにない新鮮さをもたらす可能性があり、特に若い世代の視聴者層拡大に寄与することが予想されます。江戸時代の芸能文化の豊かさを現代の視聴者に伝える上で、歌手としての表現力がどのように活かされるかも注目ポイントです。

歴史的には、天明の打ちこわしは江戸時代最大規模の民衆蜂起として記録されており、その影響は幕政にも大きな変化をもたらしました。ドラマがこの重要な歴史的事件をどのように描くのか、そして蔦重や新之助といったフィクションのキャラクターがその中でどのような役割を果たすのか、次回への期待は高まるばかりです。

まとめ

第32話「新之助の義」の見どころ・伏線ポイント

  • 第33話での新浜レオン登場予告 – 富本斎宮太夫役での大河初挑戦が話題を呼び、蔦重の出版業と吉原文化の描写がさらに深化する予定
  • 一橋治済と蔦重の対峙 – 治済が蔦重の存在を認識したことで、出版業と幕府政治の対立構造が新たな段階に突入
  • 新之助の「打ちこわし」決意 – おふくの死を受けた新之助の悲痛な決断は、江戸庶民の絶望を代表する重要な転換点
  • 田沼意次の「裏の老中」戦略 – 表面上は退きながらも政治的影響力を維持する意次の巧妙な復帰劇
  • 御三家vs田沼派の政治的駆け引き – 定信推挙をめぐる複雑な政治情勢が、今後の幕政に大きな影響を与える予兆
  • 天明の打ちこわし前夜の緊迫感 – 次回描かれる歴史的事件への期待と、登場人物たちの運命への不安が交錯する展開
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次